ドル円 週間見通し(12/8~12):153.63〜157.00予想、FOMC後に米ドル反発か
IG証券のアナリストによるドル円の週間見通し。FOMC後の動きに注目。米ドル買い戻しならドル円は上昇拡大も。週間予想レンジは153.60〜157.00。
要点
- 今週のドル円(USD/JPY)はFOMC後の動きに注目。12月利下げを織り込み米ドル安が進行してきた。FOMC後の米ドル反発を予想
- FOMCの焦点は2026年の利下げパスとなろう。ドットプロットとパウエルFRB議長の会見が焦点に
- 日銀の利上げ観測が強まる中でも円高は限定的。ドル円の週間予想レンジは153.60〜157.00。米ドルの買い戻しと円安が重なれば上昇拡大も
米ドル、FOMC後に反発か
今週のドル円(USD/JPY)は、FOMC後に大きく動くことが予想される。9日~10日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。外為市場では11月下旬から主要通貨で米ドルが下落し、FOMC前に利下げを織り込む動きが見られた。
ドル指数と米ドルの動向:対G10通貨、11月3日~12月5日
ブルームバーグの為替データで作成
このため、12月FOMCの焦点は2026年の利下げパスとなろう。ドットプロット(FOMC参加者の政策金利見通し)とパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見で、米ドルは大きく動くことが予想される。
現在の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、2026年1月と3月の利下げ確率が30%前後にあり、連続の利下げが意識される状況にない。
注目すべきは米債市場の動きだ。12月以降、米金利が反発している。OIS市場と同じく12月利下げを完全に織り込む動きが見られる。来年の利下げペースが緩慢になるとの思惑が強まれば、FOMC後の米金利上昇とそれに伴う米ドルの買い戻しを想定したい。
米金利の1時間足チャート:11月以降
TradingView提供のチャート
ドル円(USD/JPY)は11月20日の市場で158円手前まで上昇した(高値157.89レベル)。その後は調整の下落局面に転じている。
5日のIG為替レポートで指摘したとおり、今の下落を主導しているのは米ドル安だ。FOMC後に米ドル安の圧力が後退すれば、今週のドル円は後述するレジスタンスラインの攻防に注目したい。
IG為替レポート
・ドル円見通し(12/5):予想レンジ154円~156円、米ドル安主導の下落続くか
利上げ観測高まるも円高は限定的
円相場の動きにも注目したい。5日のIG為替レポートで述べたとおり、12月会合で日銀が利上げに踏み切るとの観測が強まっても、対主要通貨での円買いは限定的だ。
国内金利の上昇は、日米金利差の縮小と円高の要因として注視したい。しかし、今年のトレンドを確認すると、7月以降はドル円(USD/JPY)と日米金利差の相関関係が崩れている。FOMC後に米金利が低下し金利差を意識した円高が発生しても、その動きは限定的となることが予想される。
ドル円と日米金利差のチャート:2025年の動き、12月5日まで
ブルームバーグのデータで作成
ドル円のチャート分析
今週の上限(予想):157.00
FOMC前に米ドル安が進行してきた。その反動で米ドルが買い戻される場合、ドル円(USD/JPY)は156円台への再上昇を予想する。
米ドル高と円安が重なる場合は、157円を視野に上昇拡大の可能性が高まろう。このラインは、11月20日の高値水準と12月5日の安値水準のフィボナッチ・リトレースメント76.4%にあたる(4時間足チャートを参照)。
ドル円が157.00レベルをトライするサインとして、4時間足チャートにまとめた水準の攻防に注目したい(黒矢印を参照)。いずれもレジスタンスラインに転換する可能性がある。155.50の上には現在、21日線が推移している。先週5日の市場では、これらテクニカルラインで戻りが止められ、短期レジスタンスラインを形成している。
155.80レベルを突破する場合は、156円台への上昇を想定したい。このケースでは156.00、156.11(半値戻し)、156.60の攻防が焦点となろう。156.00と156.60レベルはレジスタンスラインに転換する可能性がある。
・157.00:今週の上限(予想)、157.05は76.4%戻し
・156.60:レジスタンス転換の可能性あり
・156.11:半値戻し
・156.00:レジスタンス転換の可能性あり
・155.80:レジスタンス転換の可能性あり
・155.60:21日線
・155.50:レジスタンス転換の可能性あり
今週の下限(予想):153.60
日足のMACDはデッドクロスに転じ、ゼロラインを視野に下降トレンドにある。米ドル反発の見通しが外れる場合、今週のドル円(USD/JPY)は以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。
まずは、サポートラインに転換している154.50レベルの維持が焦点となろう。12月以降、この水準をトライする局面では日足ローソク足で下ヒゲが表れ、154.50レベルでの米ドル買いの強さを示している。ドル円が154.50を下方ブレイクする場合は、154.00の維持が焦点となろう。
ドル円が153円台へ下落する場合は、10月17日の安値と11月20日高値の半値戻し153.63レベルまでの下落を警戒したい(日足チャートを参照)。直下の153.60レベルを今週の下限と予想する。
想定を超える下落でドル円が153.60を下方ブレイクする場合は、50日線のトライが視野に入る。この移動平均線は現在、153.30レベルで推移している。
・154.50:サポート転換の水準
・154.00:サポートライン
・153.60:今週の下限(予想)、半値戻し(日足チャート)
・153.30:50日線(日足チャート)
ドル円の日足チャート:今年9月以降
TradingView提供のチャート
ドル円の4時間足チャート:11月上旬以降
TradingView提供のチャート
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