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ドル円週間見通し:薄れる円買い介入効果、焦点はFOMC議事要旨、予想レンジ158-161円

今週のドル円見通し。米長期金利が高止まりするなか、FOMC議事要旨が米ドル高の要因となれば、節目160円トライおよびブレイクが予想される。下値の焦点は158円の維持となろう。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

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石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

  • 7月下旬の円買い介入を受けても、主要通貨(G10)で円高の圧力はじわりと後退している。米ドル高が後退する局面でもドル円は159円台で高止まりしている
  • 雇用・物価・個人消費に関連した米経済指標はいずれも市場予想を下回った。それでも米10年債利回りは4.7%付近で高止まりしている。10年実質金利も同じ状況にあり、ドル指数との乖離が発生している
  • 今週のドル円は158.00〜161.00円の攻防を想定したい。160円台へ上昇する場合は、”為替介入絡み”の突発的な円高を警戒したい

円買い介入の効果薄れ円高圧力が後退、米ドルは強弱まちまち

7月30日に政府・日銀が円買い介入に踏み切った。31日には28年ぶりとなる日米の円買い協調介入が実施された。8月3日の市場でも政府・日銀が円買い介入に踏み切った可能性が指摘されている。

それでも円高圧力はじわりと後退している。 7月30日以降、対主要通貨のパフォーマンスを確認すると円高優勢ではあるものの、クロス円を中心にその勢いが失速している。

円相場のパフォーマンス:7月30日~8月14日

円相場のパフォーマンス:7月30日~8月14日 ブルームバーグの為替データで作成

米ドルは方向感を欠く。8月4日以降に発表された雇用指標はいずれも労働市場の減速を示した。先週の7月物価指数(CPI・PPI)では、トレンドを示す前年同月比でインフレの鈍化が示された。

これら経済指標の内容は、米ドル安の圧力と強める要因だ。しかし、主要通貨(G10)に対する米ドルのパフォーマンスは強弱まちまちだ。トレンドを示すドル指数(DXY)は8月に入り大きな変動はなく、14日時点で0.25%安にとどまる。

米ドルのパフォーマンス:8月3日~8月14日

米ドルのパフォーマンス:8月3日~8月14日 ブルームバーグの為替データで作成

高止まりする米長期金利、くすぶる米ドル高再燃の可能性

雇用と物価に続き、14日の米経済指標も市場予想を下回った。7月小売売上高は前月比0.6%減と市場予想の0.1%増を大きく下回り、コントロールグループも0.4%減と、市場予想の0.3%増を下回った。6月分は0.5%増から0.4%増へ下方修正された。また、8月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)も51.0と、市場予想の55.0を大幅に下回った。

それでも米10年債利回り(長期金利)は3月以降上昇基調にある。直近では、4.7%付近で高止まりしている。

米10年債利回り 日足チャート:2022年以降

米10年債利回り 日足チャート:2022年以降 TradingView提供のチャート

米長期金利の高止まりは、中東地域の混乱長期化によるインフレリスクを意識した動きと考えることができる。

名目金利の高止まりを受け、10年の実質金利も2.4%前後で高止まりし、ドル指数との間で不自然な乖離が発生している。今年この乖離は2回発生したが、いずれも米ドルが動くかたちで収れんしている。インフレ懸念で米長期金利と実質金利の高止まりや上昇が続けば、今の乖離は米ドルの買い戻しで収れんされる展開が予想される。米ドル高の再燃はドル円(USD/JPY)の押し上げ要因となろう。

ドル指数と米10年実質金利の動向:2026年1月以降

ドル指数と米10年実質金利の動向:2026年1月以降 ブルームバーグのデータで作成

焦点はFOMC議事要旨、インフレと利上げの見解に注目

今週最大の注目材料は、日本時間20日未明に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月28~29日開催分)だ。7月会合では9対3で利上げが見送られたが、反対した3名はいずれも利上げを主張した。

今回の議事要旨で注目したいのが、インフレと利上げに関する参加者の見解だ。利上げ見送りに回った参加者の中にもインフレリスクを警戒し、将来の利上げの必要性を主張していることが確認されれば、米ドル高の要因になり得る。

現在後退しているのは”早期”の利上げ観測であって、年内の利上げ見通し自体は根強い。足元の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、9月会合での利上げ観測こそ後退しているが、10月会合との累積見通しでは5割台にある。議事要旨や今後の経済指標次第では、早期の利上げが再燃する可能性がくすぶる。

各FOMCの利上げ織り込み状況の推移:4月1日~8月14日

各FOMCの利上げ織り込み状況の推移:4月1日~8月14日 ブルームバーグのデータで作成

ドル円の週間見通しとテクニカル分析

今週のドル円(USD/JPY)は158.00-161.00円をレンジと想定したい。

上値トライの局面では、4時間足の半値戻しと76.4%戻しが密集する159.50円レベルの攻防が最初の焦点となろう。この水準を突破すれば心理的節目の水準であり、かつ現在89日線が推移している160.00円のトライを想定したい。

ドル円が160円台の攻防へシフトすれば、4時間足の61.8%戻し160.50円レベルを視野に上昇拡大を想定したい。この水準も突破すれば、7月31日の戻り高値160.90円レベル、そして節目の161.00円のトライが視野に入る。ボラティリティの拡大を警戒し、161.00円を今週の上限と想定したい。

注目水準:レジスタンス
★161.00円:上限予想
・160.90円:4時間足の戻り高値水準(160.88円)
・160.50円:4時間足61.8%戻し(160.49円)
・160.00円:心理的節目、89日移動平均(160.04円)
・159.50円:4時間足50%戻し(159.49円)、76.4%戻し(159.55円)

一方、米ドル安の進行や21日発表の7月国内消費者物価指数(CPI)が円買い要因となる場合は、以下にまとめたチャート水準を視野にドル円の下値トライを想定したい。

最初の焦点は、日足の一目均衡表・雲の下限が推移している159.00円の維持だ。先週は、159.00円を下方ブレイクすると日足ローソク足で長い下ヒゲが示現し、反発するパターンが見られた。

次の焦点は、サポートラインとして意識されている158.50円レベルだ(4時間足)。この水準を下方ブレイクする場合は、158.20円レベルで推移している200日線のトライが焦点に浮上しよう。この移動平均線も下方ブレイクすれば、下限予想の158.00円トライが視野に入る。

ドル円が160円台へ上昇する場合は、市場の警戒心やレートチェック、そして実弾といった“為替介入絡みの円高”を警戒したい。このケースでは、158円の下方ブレイクが予想される。以下にまとめた各節目の水準と下ヒゲ安値の攻防が焦点となろう。

注目水準:サポート
・159.00円:日足一目均衡表・雲の下限
・158.50円:サポート転換の水準
・158.20円:200日線(8/14時点)
★158.00円:下限予想
・157.00円:節目水準
・156.67円:8月7日 下ヒゲ安値
・156.00円:節目水準
・155.23円:8月3日 下ヒゲ安値
・155.00円:重要サポートライン

ドル円 日足チャート:2026年1月以降

ドル円日足チャート:2026年1月以降 TradingView提供のチャート

ドル円 4時間足チャート:7月下旬以降

ドル円4時間足チャート:7月下旬以降 TradingView提供のチャート

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