【米国株】AI相場加速でナスダック100急騰、6月試金石は経済指標、ISM・雇用統計焦点
ナスダック100の週間展望。5月のナスダック100は10.5%高で終えた。AI相場のすそ野拡大が続く一方、6月は経済指標を受けた利上げ観測の動向が焦点となろう。今週はISM指数と米雇用統計が試金石に。株価指数CFD「米国テク株100」の週間想定レンジは29000-31500。
要点
- AI相場の加速で5月のナスダック100は10.5%高と、2か月連続の二桁上昇で終えた。AI相場のすそ野が広がっていることを考えるならば、6月の焦点のひとつはAI相場の持続性にある
- もう一つの焦点がFRBの金融政策だ。インフレリスクの高まりを受け、年内の利上げ観測が浮上。今週はISM指数と雇用統計が利上げ観測に影響を与えることが予想される
- ナスダック100の株価指数CFD「米国テク株100」の週間想定レンジは29000~31500
AI相場拡大で5月のナスダック100は10.5%高
5月の米主要指数は上昇で終えた。注目はナスダック100だ。10.5%高と、4月の15.6%高に続き2か月連続で二桁の上昇となった。
米株価指数 月次騰落率:2025年11月以降
ブルームバーグのデータで作成
主因はAI相場の加速にある。S&P500セクター別パフォーマンスで確認すると、主力半導体株と大型ハイテク株が属する情報技術セクターが15.91%高となった一方、他のセクターは指数(ナスダック100・S&P500)のパフォーマンスを下回った。AI相場の加速が株高をけん引する構図がより鮮明となった。
株価指数とS&Pセクター別 5月のパフォーマンス
ブルームバーグのデータで作成
注目すべきは、AI相場のすそ野の広がりだ。5月の個別パフォーマンスでは、デル・テクノロジーズ(DELL)が+101.4%、サンディスク(SNDK)が+54.6%、シーゲート・テクノロジー(STX)が+30.6%と、ハードウェア関連に買いが波及した(下チャート、青ライン参照)。
半導体セクターではマイクロン・テクノロジー(MU)が+87.8%、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が+45.6%と上昇が拡大した一方、エヌビディア(NVDA)は+5.8%にとどまった。マグニフィセントセブンではメタ・プラットフォームズ(META)が+3.4%、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が+2.1%とS&P500(+5.2%)を下回り、アルファベット(GOOGL)は-1.2%で終えた。
マグニフィセントセブンに依存することなくナスダック100の上昇が加速した事実は、米AI相場が新たな局面に転じているサインと取れる。
S&P500、ナスダック100、AI・半導体銘柄 5月のパフォーマンス
6月は米経済指標にらみ、今週はISM指数と雇用統計が焦点に
4月以降、米株式市場の焦点は中東情勢からAI相場にシフトしたが、6月は経済指標に注目が集まろう。急浮上している年内の利上げ観測を左右するからだ。
今週前半の5月ISM指数、5日の5月雇用統計に注目が集まる。ブルームバーグがまとめた市場予想によれば、1日のISM製造業景況指数は53.0と前月の52.7からの拡大が予想される。支払価格は85.0と、前月の84.6から高止まりが予想され、インフレ粘着の証左として警戒したい。
3日のISM非製造業景況指数は53.9と、前月の53.6から拡大が予想される一方、雇用指数は48.5と50割れの継続が見込まれる。サービス業の雇用減速は雇用統計の先行指標として注目される。
米ISM指数の動向:過去1年間
ブルームバーグのデータで作成
最大の焦点は、5日に発表される5月雇用統計だ。非農業部門雇用者数は前月比で+8万9000人と4月の+11万5000人から鈍化が見込まれる。一方、失業率は4.3%で横ばいが予想される。平均時給は前月比+0.3%(4月+0.2%)、前年同月比+3.4%(4月+3.6%)が予想されている。
米雇用統計 各項目の動向:過去1年間
雇用統計で労働市場の底堅さが確認される場合は、年内利上げ観測が強まり、AI相場の調整要因となる可能性がある。雇用統計で労働市場の下振れリスクが強まる場合は、利上げ観測の後退要因となり、AI相場を下支えする可能性がある。
一方、強い雇用統計は景気不安の後退、弱い内容は景気不安につながる。雇用統計の結果に対する米国株の反応は、6月の米国株の強さを見極める上で重要な焦点の一つだ。
米国テク株100のチャート分析、週間想定レンジは29000~31500
今週もAI相場が続きナスダック100の上昇トレンドが継続する場合、同指数の株価指数CFD「米国テク株100」は、以下のチャート水準の攻防に注目したい。
先週の高値レベル30500(30472)を突破すれば、次の節目水準31000のトライを想定したい。31000台で底固めとなれば、フィボナッチ・エクスパンション100%の水準31430レベルを上値の目途に、一段高を想定したい。このテクニカルラインの上の水準31500を今週の上限とし、ブレイクアウトすれば32000の攻防が視野に入る。テクニカル面では、フィボナッチ・エクスパンション161.8%水準32091のトライを意識したい。
しかし、日足RSIは76.5と買われ過ぎの水準にある。警戒感が強まっている状況を考えるならば、31000台では調整売りを警戒したい。
注目水準:レジスタンス
・32000:節目水準、フィボナッチ・エクスパンション161.8%(32091)
・31500:上限予想、フィボナッチ・エクスパンション100%(31430)
・31000:節目水準
・30500:先週の高値水準(30472)
一方、米国テク株100が下値を目指す局面では、以下の水準の攻防に注目したい。
今週は29000を下限と想定し、まずは心理的節目30000の維持が焦点となる。同水準を下回る場合は、サポート転換が確認された29700のトライを想定したい(4時間足チャート)。29700を下方ブレイクする場合は、日足チャートのフィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し(29623.9)、38.2%戻し(29098.9)の攻防を想定したい。前者の水準は29600、後者の水準は29100の攻防となる。29100の下方ブレイクは、29000をトライするサインとなろう。
経済指標の結果次第では調整売りが加速し、29000を下方ブレイクする可能性がある。このケースでは、サポート転換が確認された半値戻し(28674.6)のトライを意識したい。
注目水準:サポート
・30000:心理的節目の水準
・29700:サポート転換
・29600:フィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し(29623.9)
・29100:フィボナッチ・リトレースメント38.2%戻し(29098.9)
・29000:下限予想
・28674:半値戻し
米国テク株100 日足チャート:3月以降
TradingView提供のチャート
米国テク株100 4時間足チャート:5月以降
TradingView提供のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。