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トヨタ自動車、株価急落6%超安 イラン交戦 業績に新たな試練

トヨタ自動車の3日の株価は1年5か月ぶりの大きな下落。イラン交戦長期化の可能性が悪材料視され、4月に発足する新体制の出足が危ぶまれる。

トヨタ自動車、株価急落6%超安 イラン交戦 業績に新たな試練 出所:Adobe Images

トヨタ自動車の株価が急落した。トヨタの株価の3日の終値は前日比6.14%安で、1年5か月ぶりのぶりの大きな下落率。アメリカによるイランとの交戦の長期化がホルムズ海峡封鎖などを通じて世界経済を揺るがすとの懸念がトヨタの業績への不安を高めた。一方、トヨタが2月下旬に発表した1月までの販売実績は2026年3月通期の目標に接近。不振だった中国市場にも改善の兆しが出ている。しかしトヨタの株価に対する投資家の期待は低調で、1か月前に示した2026年3月通期の業績見通しが市場予想を下回ったうえ、円安による上振れ効果も期待できない状況であることが重荷となっていそうだ。こうした中、佐藤恒治社長は就任からわずか3年で退任することが決まっており、経営をめぐる環境の厳しさは明らか。トヨタを苦しませてきたドナルド・トランプ大統領の高関税政策に付け加わった、中東での戦火という新たな試練は、4月に発足する新体制を出足でつまづかせる可能性もありそうだ。

トヨタの株価は3日に6.14%の急落 1年5か月ぶりの大きな下落率

トヨタ自動車の株価(7203)の3日の終値は3702円。前日比での下落率(6.14%安)は、自民党総裁選挙で石破茂氏が高市早苗氏を破ったことが株式市場の波乱要因となった2024年9月30日(7.60%安)以来の大きさだ。3日の下落率は日経平均株価(N225)の下落率(3.06%安)を大きく超えている。

トヨタ自動車の株価と予想株価収益率の推移のグラフ

ホルムズ海峡封鎖で世界経済混乱の恐れ トヨタの販売には復調の兆しも

3日の急落の要因は米国とイランの交戦の長期化が見込まれ始めたことだ。トランプ氏は2日の演説で、イランへの攻撃が当初想定していた4-5週間よりもはるかに長い期間にわたって続けられる可能性に言及。イランによる周辺国への攻撃や、ホルムズ海峡の事実上の封鎖は、企業活動の停滞や原油価格上昇などを通じて世界経済を混乱させる可能性が高まっている。トヨタの株価は米国のイラン攻撃後として初の取引となった2日は、ドル円相場(USD/JPY)での円安基調を背景として3.11%高となっていたが、楽観ムードは3日までは持ち越されなかった形だ。

一方、トヨタの業績には好材料も出ている。トヨタが2月26日に発表した1月のグループ総販売台数は前年同月比4.8%増。2025年4月以降の10か月での販売台数(949万3907台)は前年同期比3.8%増で、2026年3月通期の目標である1130万台(2.6%増)に近づいた。

トヨタの月ごとの累計販売台数の推移のグラフ

トヨタは不振が続いてきた中国市場の販売にも復調の兆しがみえる。中国市場での1月の販売台数は前年同月比6.6%増となり、5か月ぶりのプラス成長に転換。トヨタは「厳しい競争環境が継続する中、カローラクロスなどが好調だった」と説明している。

トヨタ自動車の中国市場での販売台数の推移のグラフ

トヨタの株価は2月以降は低調 円安による業績上振れ効果は限界か

ただ、トヨタの株価に対する投資家の期待は低調だ。トヨタの株価の3日の終値は、2025年10-12月期決算発表の前日にあたる2月5日終値との比較で0.11%安。衆議院選挙での自民党大勝に沸いた日経平均株価の4.57%高に大きく見劣りする成績となっている。

トヨタの2025年10-12月期の業績は、総収入が前年同期比8.6%増の13兆4568億円、営業利益が2.0%減の1兆1910億円。ブルームバーグがまとめた直前の事前予想だった、総収入13兆0197億円、営業利益1兆0625億円を上回った。同時に2026年3月通期の業績見通しは、総収入50兆円、営業利益3兆8000億円にそれぞれ上方修正されたが、こちらは市場予想を下回る結果だった。

トヨタ自動車の業績の推移のグラフ

トヨタの株価が冴えない値動きとなっている背景には、円安の追い風を使い果たしたという事情もありそうだ。トヨタは2026年3月通期の業績の見通し作成に際して、1月以降のドル円相場が1ドル=155円で推移すると想定。実際のドル円相場は1月以降、平均156.00円で取引されており、現状では、3月通期決算発表での円安による業績押し上げ効果はほぼ期待できない。

トヨタの株価とドル円相場の推移のグラフ

中東情勢で個人消費冷え込めば販売への悪影響も 4月からの新体制の見通しに影

こうした中、トヨタは2月6日の10-12月期決算発表に際して、佐藤恒治社長が4月1日付で退任し、近健太CFOが後任に就く人事を発表。佐藤氏が社長就任からわずか3年で退任する事態はトヨタが置かれた苦境の表れとみることができる。近氏は記者会見で、損益分岐台数がここ1-2年で上がってきているとしたうえで、「どんなに環境が厳しくても、しっかり頑張れる体質になっているかということに課題意識がある」と述べた。

佐藤氏が陣頭指揮をとってきたトヨタの2026年3月通期の業績は、トランプ氏の高関税政策で営業利益が1兆4500億円下押しされるという強い逆風にさらされてきた。ここに中東情勢の悪化を起点とした経済の混乱が個人消費を冷やす事態が加われば、販売台数に悪影響が及ぼ可能性があり、今氏が目指す稼ぐ力の再生は出足からつまづくシナリオも否定できないといえそうだ。


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ファイナンシャル・ライター/Financial Writer

小雲規生(こくも・のりお) 2023年2月からIG証券。日米欧豪の金融政策や為替相場、株価の動きに加え、主要な米国企業の戦略についてもカバーしている。

2022年までは産経新聞社で27年にわたって記者・編集者として活動。米国のオバマ政権からトランプ政権にかけての4年3か月はワシントン特派員も務めた。日米の中央銀行による金融政策を長年カバーしたほか、G20財務相・中央銀行総裁会議やIMF・世界銀行年次総会などの国際会議も数多く取材。また、日本の金融業界や自動車業界をはじめとする民間企業の動向や、気候変動問題、エネルギー問題、通商問題についても記事を執筆してきた。

1995年3月、京都大学法学部卒。米シラキュース大学で行政学修士(MPA)。

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