東京エレクトロン、業績見通しに不安 30日決算 株価下落の恐れも
東京エレクトロンの1-3月期決算は2027年3月通期の業績見通しが焦点。中期経営計画で示した目標達成が危ぶまれており、株価の不安要素だ。
半導体製造装置の東京エレクトロンが30日に行う2026年1-3月期決算発表は2027年3月通期の業績見通しが焦点となる。東京エレクトロンが現行の中期経営計画で示している2027年3月期の目標は総収入3兆円、営業利益率35%など。金融市場ではいずれの経営指標も達成が危ぶまれており、東京エレクトロンが30日の発表で不安を払拭できるかが注目される。一方、東京エレクトロンの株価は人工知能(AI)ブームを背景とした世界的な需要の強さが好感され、株価は最高値水準。半導体株に吹く追い風を受けて、30日の決算発表までの間に上昇がさらに勢いづく可能性がある。ただ、東京エレクトロンの株価は割高感も意識される水準にあり、経営計画未達の見通しが示された場合には、株価上昇に冷や水がかかる展開も想定される。
東京エレクトロンの2026年1-3月期は増収減益の見通し
東京エレクトロンは4月30日に1-3月期決算を発表する。ブルームバーグがまとめた市場予想によると、総収入は前年同期比4.3%増の6834億円、営業利益は2.0%減の1801億円と見込まれている。予想通りになれば、2四半期ぶりの増収と、2四半期連続での減収となる。
東京エレクトロンの株価は27日午前に最高値を超える水準 4万7000円台に上昇
東京エレクトロンの株価(8035)の前週末24日の終値は4万5850円。前回決算発表があった2月6日からは11.75%高となっている。イランでの戦争に伴うホルムズ海峡封鎖の長期化で投資家心理が悪化していた3月31日につけた直近の安値(3万7230円)との比較では23.15%高だ。2月25日につけた終値ベースの最高値(4万6230円)からは0.82%安の水準に迫っており、27日午前の取引では最高値を大きく超える4万7000円台て取引されている。
ブルームバーグによると、直近の株価と今後12か月の予想1株当たり利益(EPS)から算出される株価収益率(PER)は24日段階で約32倍。前回決算発表時の約28倍から割高感が増している。アナリストが提示する目標株価の平均は4万9000円で、24日終値よりも6.9%ほど高い。25人のアナリストのうち、20人は買い、4人は維持、1人は売りを勧めている。
2027年3月期の見通しが焦点 中期経営計画の目標超えは困難か
東京エレクトロンが30日の決算発表で示す2027年3月期の見通しは、中期経営計画で示した目標達成への自信度が問われる。東京エレクトロンは2022年6月8日に発表した中期経営計画で、2027年3月期までに総収入で3兆円以上、営業利益率で35%以上などの目標を提示。しかしブルームバーグによると、足元の金融市場では2027年3月期の総収入が2兆9032億円になると見込まれており、目標の3兆円を下回る見通しだ。また営業利益は8277億円と予想されており、営業利益率は目標を大きく下回る28.5%が見込まれている。
東京エレクトロンの河合利樹CEOは3カ月前の前回決算説明会で、2027年3月期の総収入の見通しについて「3兆円というところがみえてきた」と述べていたが、金融市場では期待が高まりきっていない状態といえそうだ。また東京エレクトロン自身が示している2026年3月期の業績見通しでは、営業利益率は24.6%となっており、2027年3月期での35%到達は困難な状況。30日の決算発表では、目標未達の不安を払拭するだけの情報発信ができるかが焦点となる。
半導体需要の強まりは追い風 決算発表までは株価上昇?
一方、こうした中でも、東京エレクトロンの株価が最高値付近にあるのは、世界的な半導体需要の強まりが追い風になっているからだ。24日早朝に伝わった米インテル(INTC)の業績見通しが市場予想を超えたことや、16日に発表された台湾積体電路製造(TSMC、TSM)の2026年通期業績見通しの引き上げ、22日のテスラ(TSLA)の2026年の設備投資積み増し発表は、いずれもAIブームで半導体需要が強まっていることを裏付ける内容。東京株式市場では、英半導体大手アーム・ホールディングス(ARM)やオープンAIに出資するソフトバンクグループの株価(9984)が1か月で70%高になるなど、半導体株の値上がりが勢いづいている。このため東京エレクトロンの株価が30日の決算発表までの間、上昇を続けることも考えられる。
東京エレクトロンは利益面に不安 中期経営計画未達見通しで株価下落も
ただ、東京エレクトロンの株価には割高感という不安要素もある。24日段階での株価収益率(約32倍)は、株式市場でAIブームが本格化した2023年以降の平均値である26.2倍を大きく上回っている。東京エレクトロンの株価は前回決算発表から12%近く上昇しているものの、この間、今後12か月の予想1株当たり利益は1.36%減となっていることが要因だ。
河合氏は、前回決算発表時、研究開発や設備投資に費用をかけることや、顧客企業の利益水準も考慮した価格戦略にも言及しており、利益拡大への期待が高まらない要因といえる。また東京エレクトロンは、輸出売上が原則円建てで行われるため、為替レートが利益に与える影響は軽微だとしており、円安の恩恵を受けにくいことも利益への期待が強まらない背景といえる。
このため東京エレクトロンが30日の決算発表で、中期経営計画の目標に満たない見通しを示した場合には投資家が厳しい視線を注ぐ可能性がある。半導体需要の強まりへの確度が高まる中でも、東京エレクトロンの株価に下落圧力がかかる恐れがありそうだ。
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