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米国株、荒れ模様継続か S&P500急騰落頻発 高関税は依然波乱要因

2025年のS&P500は1%超の値動きが頻発。平穏だった2024年を大きく上回るペースだ。トランプ氏の関税政策は今後も相場を揺らしそうだ。

米国株、荒れ模様継続か S&P500急騰落頻発 高関税は依然波乱要因 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で大きな値動きが続いている。2025年のS&P500種株価指数の値動きを、23日までのデータでみると、前日比1%超の騰落がすでに35回発生。全営業日の3分の1で相場が急騰落している形だ。相場の急変動の背景にあるのは、ドナルド・トランプ大統領の高関税政策。相互関税の一時停止期間が終わる7月上旬が近づいてくれば、トランプ氏が交渉相手への揺さぶりを強める可能性があり、投資家の不安が再燃することも考えられる。またトランプ氏の高関税が大手ハイテク企業の業績や実体経済に及ぼす悪影響が表面化した場合には、改めて株式相場が動揺するおそれもあり、S&P500の今後の見通しをめぐっては荒い値動きが続くことが想定されそうだ。

【関連記事】米国株、追い風に期待 S&P500先物上昇 トランプ関税に停止命令(2025年5月29日)

アメリカのS&P500は一時は最高値から18%安 その後は回復基調に

S&P500(SPX)の23日の終値は5802.82。2024年末比では1.34%安という小幅安の水準だが、2月19日に最高値(6144.15)をつけた後、4月8日には最高値から18.90%安まで下落。20%安が基準となる「弱気相場」目前まで値下がりした末に、回復基調をたどっている形だ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

1%超の値動きはこれまでに35回 2024年を大きく上回る頻度

S&P500の2025年の値動きを23日までの98営業日のデータで振り返ると、1%超の値上がりは15回、1%超の値下がりは20回あり、合計35回の急騰落があった。2024年の5月23日時点での20回を大きく上回っており、相場のムードが一変したといえる。一方、2025年の数字は、2020年の5月23日時点の55回や、2022年の5月23日時点の50回などは下回る。2020年の荒れた値動きは3月11日に世界保健機関(WHO)がパンデミックを宣言するに至った新型コロナ禍が要因。2022年はFRBが3月16日に3年3か月ぶりの利上げに踏み切ったことが相場の急変につながっていた。

S&P500の1% 超を超える値動きの回数

2025年の急騰落の要因はトランプ氏の高関税政策だ。トランプ氏が相互関税を発表した翌日の4月3日、S&P500は前日比4.84%安と急落。4日には中国が相互関税への対抗策として米国製品に34%の関税を課すと報じられる中で5.97%安となり、2020年3月16日(11.98%安)以来の下落率となった。逆にトランプ氏が相互関税の一部の90日間停止を決めた4月9日のS&P500は前日比9.52%高。リーマン・ショックから約1か月半後にあたる2008年10月28日(10.79%高)以来の上昇率を記録している。

S&P500の値動きとトランプ氏の動向のグラフ

トランプ氏は今後も高関税で揺さぶりか 相互関税一部停止期間終了に向け緊張感も

トランプ氏の高関税政策をめぐる相場の急変は今後も続く可能性がある。トランプ氏は5月23日朝、欧州連合(EU)との個別関税協議の進展の遅さに不満を表明。EUからの輸入品への50%関税を6月1日に発動させるとの方針を示した。25日には欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長との協議の結果、発動を7月9日まで延長すると公表して矛を収めたが、高関税で交渉相手に揺さぶりをかける手法は不変のようだ。

米国と貿易相手国との相互関税をめぐる個別協議では、8日にイギリスとの大筋合意が成立。また12日には中国との間で、90日間の時限措置ながら、高関税の引き下げで合意したと発表され、S&P500は前週末比3.26%高となった。しかし日本を含む多くの国や地域との交渉はまだ結果が出ておらず、7月上旬の一部停止期間の終了が近づけば、トランプ氏が貿易相手への高関税をちらつかせる可能性もありそうだ。また、中国との大幅関税引き下げ合意が失効する8月上旬に向け、トランプ氏が緊張感を高める言動をとった場合には、S&P500が急落するきっかけになりかねない。

アップルの業績に高関税の悪影響 28日のエヌビディア決算で株価急落も

こうした中、S&P500への影響度が大きい大手ハイテク株では、トランプ氏の経済政策の悪影響が表面化するケースも出ている。アップル(AAPL)は1日の2025年1-3月期決算発表に際し、4-6月期は高関税で9億ドルの負担増が生じると公表。同時にiPhone(アイフォン)の生産拠点を中国からインドにシフトさせることで中国製品にかかる高関税を回避する戦略も示したが、トランプ氏はあくまで米国内でのアイフォン生産を求める考えで、アップルの株価には下押し圧力がかかっている。さらに28日の取引時間終了後に2-4月期決算を発表する半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)も半導体輸出規制の悪影響の長期化が懸念され、決算発表後に株価が急落するおそれもある。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、マイクロソフト、テスラ、アップル、アルファベットの株価の推移のグラフ

FRBの利下げ見通しは強まるか? 4月のPCE物価指数でS&P500の見通しに変化も

米国の企業業績への不安が実体経済の悪化につながった場合には、FRBの動向をめぐる思惑がS&P500の値動きを左右しそうだ。失業率の上昇など労働市場の悪化が表面化した場合には、FRBが利下げを進めるとの連想がS&P500に上昇圧力として働く筋書きも考えられるが、物価上昇率が高止まりしていればFRBが利下げに動けないとのシナリオが意識され、S&P500に下押し圧力がかかることも想定される。30日に発表される4月の個人消費支出(PCE)物価指数はFRBが物価動向の判断基準とする重要指標で、予想よりも上振れれば、S&P500の今後の見通しが悪くなりそうだ。

2023年以降の米国の経済指標の推移のグラフ

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