米国株、米中首脳会談の行方焦点 S&P500上昇 物価高不安は拡大
S&P500は米中首脳会談を前に反発。2日ぶりに最高値を更新した。一方、米国の物価上昇圧力やホルムズ海峡封鎖をめぐるイランの強硬姿勢は不安材料だ。
アメリカの株式市場の強気が米中首脳会談を前に高まった。S&P500種株価指数の13日の終値は前日比0.58%高で、2日ぶりに最高値を更新。大手ハイテク株では半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が6営業日続伸となり、やはり最高値更新を続けている。エヌビディアのジェンスン・ファンCEOがドナルド・トランプ大統領の訪中団に急遽参加したことが好材料視された。一方、S&P500の見通しには不安要素も多い。13日までに発表された物価関連指標は物価上昇圧力の高まりを示す結果。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げも徐々に現実味を増しており、株価上昇への逆風になりかねない。また、物価上昇圧力の要因であるイラン戦争をめぐっては、イラン側が13日にホルムズ海峡封鎖に関して強硬姿勢を示し、原油価格は1バレル=100ドル超えの高値が続いている。こうした中、14日からの米中首脳会談で経済関係やイラン情勢について目立った成果が出なければ、投資家の間に失望が広がり、S&P500の上昇に一服感が出る展開も考えられそうだ。
アメリカのS&P500は2日ぶり反発で最高値 1か月半で17.35%高
S&P500(SPX)の13日の終値は7444.25。2日ぶりの反発で、11日につけた7412.84を超える最高値となった。ブルームバーグによると、S&P500が2カ月半ぶりの最高値をつけた4月15日以降で13回目の記録更新だ。3月30日につけた直近の底値(6343.72)と比較した上昇率は17.35%高となっている。
このうちエヌビディアの値上がりの背景には、13日に北京に到着したトランプ氏と中国の習近平国家主席との首脳会談への期待がありそうだ。ブルームバーグによると、エヌビディアのファンCEOは大統領専用機の経由地であるアラスカ州で訪中団に加わった。ファン氏は当初、訪中団のメンバーから外れたと報じられていたが、状況が一変した形だ。エヌビディアは人工知能(AI)開発に不可欠な高性能半導体を手掛けているが、中国市場での販売が認められない状況が続いている。20日に控える2026年2-4月期決算発表に向けて投資家の期待が高まる中、米中首脳会談で中国市場復活の可能性が出れば、株価上昇の勢いが増す可能性がある。
4月CPIとPPIが予想を超える伸び 年内利上げ確率が40%に
一方、S&P500の見通しには不安要素も増えている。12日に発表された4月の消費者物価指数(CPI)の伸び率は、総合指数で前年同月比3.8%、食品とエネルギーを除いたコア指数では2.8%。いずれもブルームバーグがまとめた事前予想を0.1%ポイント上回る結果で、原油価格の上昇が米国内の物価に与える影響が想定以上に大きくなっている様子が感じられた。また13日に発表された4月の卸売物価指数(PPI)の伸び率は、前年同月比6.0%となり、市場予想の4.8%を大きく上回っている。
物価上昇圧力の大きさを受け、金融市場ではS&P500にとって追い風になると期待されてきたFRBの利下げが遠のいたとみられている。ブルームバーグによると、13日の金融市場で見込まれている12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.728%で、現状(3.50-3.75%、中間値3.625%)よりも高い水準。利下げよりもむしろ利上げがメーンシナリオとなっている状況だ。年内利上げ確率は40%にまで高まっている。FRBをめぐっては13日、ケビン・ウォーシュ元理事を次期議長にあてる人事が上院で承認された。15日に議長としての任期が切れるジェローム・パウエル氏の後任として、6月以降のFOMCを取り仕切ることになり、情報発信に注目が集まりそうだ。
イランがホルムズ海峡封鎖で強硬姿勢 WTIは4営業日連続で100ドル超え
また物価上昇圧力の背景であるイラン戦争に伴うホルムズ海峡の封鎖は、引き続き、解消のめどが立っていない。イランメディアのプレスTVによると、イラン軍の報道官は13日、「今後、米国の武器がホルムス海峡を通過して中東の基地に持ち込まれることを認めない」と表明。イラン革命後に米国民や米国企業がイラン国内で活動できなくなったことを引き合いに出したうえで、「中東地域での米国の存在感は永遠に失われる」とした。また、イランが主張しているホルムズ海峡を通過する船舶から通行料を徴収する枠組みについて、「石油輸出の2倍の収入が得られる」とも述べている。
イラン側の強硬姿勢は原油価格の高止まりを長期化させる要因で、米国内の物価上昇や世界経済の下押しを通じて、S&P500にとって逆風になる可能性がある。ブルームバーグによると、原油先物市場の指標価格であるWTI(6月渡し、WTI原油)は13日の取引で一時、1バレル=103.67ドルをつけ、5日(105.48ドル)以来の高値となった。日本時間14日の取引でも101ドル前後で推移している。WTIが取引時間中に100ドルを超えるのは4営業日連続だ。
米中首脳会談の見通しは? 半導体やレアアースなどでの進展が焦点に
こうした中、投資家の関心は米中首脳会談の結果に向かっている。ブルームバーグによると、トランプ氏は日本時間14日午前11時からの歓迎式典を経て、習氏との会談や晩さん会に臨む予定。15日にも習氏との昼食会が予定されている。2025年10月30日に韓国で行われた首脳会談では、エヌビディアの最先端半導体の取り扱いなどを含む課題に新たな進展がなく、S&P500に対する好材料は提供されなかった。このため今回の首脳会談でも、半導体やレアアース、関税、イラン情勢などで目立った成果がなければ、S&P500の上昇が一服する可能性もありそうだ。
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