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米国株、停戦ラリーに潜むリスク S&P500急騰 イラン和平の難航も

S&P500は8日に2.51%高。米国とイランの停戦が好感された。ただ、両者の間には交渉の前提をめぐる相違もあり、楽観ムードが後退するリスクもある。

米国株、停戦ラリーに潜むリスク S&P500急騰 イラン和平の難航も 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が急騰した。S&P500種株価指数の8日の終値は前日比2.51%高で、1週間半ぶりの高い上昇率。2月末のイラン戦争開始から3月下旬までに記録した下げ幅の8割超を取り戻した。米国とイランが7日夕方に2週間の停戦で合意したことが歓迎された結果だ。8日は大手ハイテク株も大きく上昇しており、イラン戦争をめぐる投資家の懸念は後退した。一方、米国とイランはイランの核開発などの論点で食い違いが大きく、継続的な停戦に向けた協議は難航が予想される。石油の重要通商ルートであるホルムズ海峡の封鎖も続いているもようで、原油価格は引き続き高止まりしている。原油高が米国内の物価上昇圧力を強め、株式市場の投資家が待ち望む米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが難しくなるとの懸念は根強い。こうした中、10日に発表される3月の消費者物価指数(CPI)や11日に予定されている米国とイランの和平協議などをきっかけに、S&P500をめぐる楽観ムードが冷え込むリスクもありそうだ。

アメリカのS&P500は2.51%高 6日続伸でイラン戦争後の下落の8割超を回復

S&P500(SPX)の8日の終値は6782.81で、前日比での上昇率(2.51%高)はイランが戦争終結の用意があるとの意向を示したと報じられた3月31日(2.91%高)以来の大きさ。6営業日続伸の間に6.92%の値上がりとなった。ブルームバーグによると、2月28日のイスラエルと米国によるイラン攻撃から3月30日までの535.16ポイントの下落分の82%を回復する値動きとなっている。8日の終値は1月27日の最高値(6978.60)との比較では2.81%安にあたる。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

米イランの2週間停戦合意を歓迎 メタは新AIモデル公表も好材料に

S&P500が8日に急騰したのは、ドナルド・トランプ大統領が7日夕方に自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿でイランとの2週間の停戦で合意したと表明したため。同じ日の朝に「今晩、ひとつの文明が完全に消滅する」と投稿し、イランの発電所や橋などへの爆撃を予告していた強硬姿勢を一転させた形となった。株式市場ではトランプ氏が戦争の長期化を望んでいないとの見方が強まり、歓迎ムードが広がった。

8日はS&P500への影響度が大きい「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価も力強さをみせた。メタ・プラットフォームズ(META)が前日比6.50%高、アルファベット(GOOGL)が3.88%高、アマゾン・コム(AMZN)が3.50%高になるなど、テスラ(TSLA)を除く6社が値上がりしている。このうちメタは8日、新しいAIモデル「ミューズ・スパーク」を自社の対話型AIサービス「メタAI」に導入したと公表したことも好材料視された。

エヌビディア、アルファベット、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、マイクロソフト、アップル、テスラの株価の推移のグラフ

投資家の不安心理が後退 VIX指数はイラン戦争開始前以来の低さに

また8日の金融市場ではS&P500の見通しをめぐる不安が後退した。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)は8日の終値で21.04となり、イラン戦争開始前日の2月27日(19.86)以来の低さとなった。開戦後、27営業日連続で20の大台を超える中でも、投資家心理の改善を感じさせる動きだ。

VIXとS&P500の推移のグラフ

米イランに核開発をめぐる意見の相違 ホルムズ海峡の封鎖は停戦後も継続か

一方、S&P500を急騰させた米国とイランの停戦合意には脆さも感じられる。イランのタスニム通信によると、イランが米国に示した10項目の提案には、イランによるウラン濃縮の継続が含まれており、イランの核開発を絶対に認めないとしてきたトランプ氏との食い違いは大きい。トランプ氏は7日夕方のSNSへの投稿で10項目の提案を交渉のたたき台にすることを認めていたが、ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は8日の記者会見で、イランが当初示していた10項目はトランプ氏によって破棄され、イランは現段階では内容を修正した提案を行っていると説明した。和平協議の前提をめぐる米国とイランの見解の相違は今後の難航を予感させる。

同時に、S&P500に下落圧力をかけてきたホルムズ海峡の封鎖は停戦合意後も続いているもようだ。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は8日、ホルムズ海峡では8日朝もイラン海軍に許可なく通航しようとする船舶は破壊される危険があるとする海事無線放送がイラン側から流されていると報じた。イランのアッバス・アラグチ外相はトランプ氏の停戦合意発表後、SNSのXに投稿した声明文で「2週間、ホルムズ海峡の安全な通航が可能になる」などとしていたが、即時の開放には至っていないとみられる。

WTIは18.39%安となった後も高止まり FRBの利下げ期待は高まらず

このため原油価格の値動きには高止まりの感もある。ブルームバーグによると、原油先物市場の指標価格であるWTI(5月渡し、WTI原油)の8日の終値は前日比18.39%安の1バレル=94.41ドルだったとはいえ、一時、91.05ドルまで進んだ値下がりは尻すぼみに終わった。日本時間9日午前の取引では98ドル台前半をつける場面もあった。原油高が続けば、ガソリン価格などの高止まりが米国内でも物価上昇圧力として働き、S&P500への追い風となるはずのFRBの利下げが遠くとの懸念が続きそうだ。

WTIの推移のグラフ

実際、金融市場ではFRBの利下げへの期待は高まっていない。ブルームバーグによると、8日の金融市場で見込まれている12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.574%で、年内に1度の利下げが行われる確率は26%に留まっている。8日には、原油価格の下落が物価上昇圧力を弱めると見方から利下げ確率が60%を超える場面もあったが、一過性の動きだったようだ。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

3月CPIやTSMCの月次業績も焦点 11日の和平協議で見通し悪化のリスク

こうした中、10日午前8時30分(日本時間10日午後9時30分)に発表される3月CPIでは総合指数の伸び率が1年11か月ぶりの高さになると予想されており、FRBの利下げの難しさを感じさせるS&P500にとっての逆風になる可能性がある。また10日には台湾積体電路製造(TSMC、TSM)の3月の台湾ドルベースでの総収入が発表され、イラン戦争に伴う供給網混乱の影響が感じられるなどすれば、投資家心理を冷やす恐れがある。

また、11日には米国とイランがパキスタンで和平協議を行う予定。米国の交渉団はJDヴァンス副大統領が率いる一方、イラン側の交渉役はモハンマド・バゲル・ガリバフ国会議長になるとも報じられている。ガリバフ氏はこれまでもイランに核施設の撤去などを求める米国の提案を批判する発言などが報じらており、イラン側からの情報発信がS&P500の今後の見通しを暗くするリスクもありそうだ。


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