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米国株、急落リスク山積 S&P500週次2%安 イラン交戦波乱拡大も

S&P500は週次で5か月ぶりの急落。雇用統計悪化と原油高が不安を強めた。今後はイラン情勢に加え、2月CPIで投資家心理が揺れる恐れがある。

米国株、急落リスク山積 S&P500週次2%安 イラン交戦で波乱拡大 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で急落リスクが積み重なっている。S&P500種株価指数の6日の終値は1週間前比2.02%安で、5か月ぶりの大幅な下落。朝方に発表された2月雇用統計で就業者数が前月から大きく減少したたことが要因で、堅調とみられてきた米国経済の見通しが悪化した。同時に米国とイランの交戦によるホルムズ海峡封鎖は、6日の原油先物価格を前日比で12%超上昇させており、経済の悪化と物価上昇が同時に進む最悪のシナリオへの懸念が強まっている。また株式市場での人工知能(AI)ブームをめぐっては、オープンAIとオラクルによるデータセンター拡張計画の一部が中止されたとも報じられており、6日の取引では大手ハイテク株が総崩れとなった。こうした中、投資家心理は2025年4月の相互関税ショック当時の水準まで悪化。週明け9日以降の株式市場では、2月消費者物価指数(CPI)の発表などで投資家心理がいっそう冷え込む可能性がある。またイラン情勢は週末の間にも大きく悪化する恐れがあり、S&P500の見通しにはさらなる波乱が待ち構えていそうだ。

アメリカのS&P500は週次2.20%の急落 5か月ぶりの下落率で2か月半ぶり安値

S&P500(SPX)の6日の終値は前日比では1.33%安の6740.02で、年明け以降の抵抗線となってきた6800の水準を大きく割り込んだ。12月17日(6721.43)以来、約2カ月半ぶりの安値だ。1月27日の最高値(6978.60)からは3.42%安の水準まで後退している。週次での下落率(2.02%安)は、米国と中国のレアアースをめぐる対立が再燃した10月6-10日週(2.43%安)以来の大きさだ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

2月雇用統計は就業者数が9.2万人減 原油価格は12.21%高の急騰

S&P500を急落させたのは2月雇用統計の想定外の悪さだ。非農業部門の就業者数は前月比9.2万人減となり、ブルームバーグがまとめた市場予想の5.7万人増を大きく下回る結果。2025年6月以降の9か月で5度目の労働市場縮小となった。12月と1月の就業者数も合計6.9万人下方修正されている。また失業率は4.4%で市場予想の4.3%よりも悪い結果。平均時給の伸び率は前年同月比3.8%となり、やはり市場予想(3.7%)を超え、物価上昇圧力の高まりを懸念させる数字となった。米国の実体経済のほころびが大きくなっているとみることができそうだ。

アメリカの雇用統計の推移のグラフ

同時に6日の金融市場では原油価格が急騰している。ブルームバーグによると、原油先物市場の指標価格であるWTI(翌月渡し、WTI原油)の6日の終値は前日比12.21%高の1バレル=90.90ドル。2023年9月28日(91.71ドル)以来、2年5か月ぶりの高値となった。前日比での上昇率は、新型コロナウイルス感染拡大期の2020年5月5日(20.45%高)以来の大きさ。前回の急騰は新型コロナ禍による原油需要急減の恐れからWTIが一時、マイナスの価格をつけるといった異常事態から復活する過程だったことを踏まえれば、足元の急騰も異例の値上がりといえる。

WTIと天然ガス価格の推移のグラフ

労働市場悪化と物価上昇圧力増加は最悪のシナリオ FRBの利下げ見通しは縮小

6日の原油価格の上昇は28日に始まったアメリカとイランの交戦で、ホルムズ海峡の封鎖が長期化する懸念が強まっていることが要因。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は6日、ホルムズ海峡の西側に位置する産油国のクウェートが原油貯蔵施設の容量低下を理由に原油生産の削減を始めたと報じた。クウェートの隣国イラクも同様の理由で大規模油田での原油生産を停止したと報じられている。原油価格上昇が米国の物価を押し上げた場合、米連邦準備制度理事会(FRB)は労働市場下支えのために利下げする必要性に直面しながらも、物価上昇加速の恐れから決断が難しくなる最悪の事態に追い込まれる恐れがある。S&P500はこれまでFRBの利下げへの期待が下支え要因となってきたが、投資家が抱く楽観シナリオの現実味は薄れた。

実際、6日の金融市場ではFRBの利下げに対する期待は、労働市場の急激な悪化にも関わらず、高まりきらなかった。ブルームバーグによると、6日の金融市場で見込まれている12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.207%で、前日から0.044%ポイント低下。しかし米国のイラン攻撃開始前日の27日終値から5日までの合計0.219%ポイントもの上昇と比べれば、利下げ期待は縮小したままだといえ、6日のS&P500への追い風にはならなかった。

FRBの政策金利の見通しの推移のグラフ

大手ハイテク株は6日に総崩れ 投資家心理は相互関税ショック以来の悪さ

また2023年以降のS&P500の上昇の原動力となったAIブームをめぐっては、改めて悪いニュースが出ている。ブルームバーグは6日、オラクルと対話型AIサービスChatGPTで知られるオープンAIがテキサス州で計画しているデータセンター拡張計画を取りやめになったと報道。資金面の問題やデータセンターに関するオープンAIの要望が頻繁に変わることなどが理由だとしている。データセンターはメタ・プラットフォームズ(META)が利用する可能性も検討されているというが、AIインフラの拡充の難しさを表す出来事だといえそうだ。6日の取引では半導体大手NVIDIA(エヌビディア、NVDA)の株価が前日比3.01%安、アマゾン・コム(AMZN)が2.62%安、メタが2.38%安となるなど、S&P500への影響度が大きい「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価がすべて下落した。

アルファベット、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、マイクロソフト、アップル、テスラの株価の推移のグラフ

こうした中、投資家の不安心理はますます強まっている。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の6日の終値は前日よりも24.17%高い29.49。ドナルド・トランプ大統領の相互関税やFRBのジェローム・パウエル議長に対する解任示唆が株式市場を揺らしていた2025年4月22日(30.57)以来の高水準となった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

2月CPIやGDP改定値でS&P500が急落の恐れ イラン情勢は週末の悪化リスクも

週明け9日以降のS&P500の見通しをめぐっても不安要素は山積している。11日には2月CPIが発表される予定で、物価上昇加速への懸念が強まれば、改めて最悪シナリオが意識されそうだ。また13日発表の2025年10-12月期GDP改定値が経済活動の弱さを示した場合も投資家の不安が高まることは避けられない。10-12月期の実質成長率は速報値段階では前期比年率1.4%で、7-9月期の4.4%から急減速している。

投資家にとって最大の不安要素である米国とイランの交戦は鎮静化の兆しがみえない。トランプ氏は6日、自身のSNSトゥルースソーシャルへの投稿で、イランとの協議について「無条件降伏以外にはありえない!」と宣言。一方、ブルームバーグは6日、イランのファルス通信を引用する形で、イランがホルムズ海峡で米国とイスラエルの関連船舶を攻撃すると表明したと報じた。このためイラン情勢は週末のうちに大きく悪化する可能性があり、S&P500の値動きは今後も波乱が大きくなる可能性がありそうだ。


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