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銀価格見通し(1/23):節目の100ドルが視野に、短期の過熱は否めず急反落警戒

IG証券のアナリストによる銀価格の短期見通し。96ドル台へ急騰し最高値を更新。心理的節目の100ドルが視野に入る。しかし短期の過熱感は否めず。急反落を警戒。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 22日の取引で銀価格が96ドル台へ急騰し最高値を更新。需給ひっ迫観測と「米ドル不信」が下支え
  • 強気相場維持なら、今月中に心理的節目100ドルの攻防が焦点に浮上しよう
  • 銀価格は年初来すでに35%高と急騰。過熱感否めず。銀リースレートの低下も考えるならば急反落を警戒したい


銀価格96ドル台へ急騰し最高値を更新

銀価格の上昇が止まらない。22日の取引で初の96ドル突破。一時96.59ドルへ上昇し最高値を更新した。

銀価格の4時間足チャート:年初来、1月22日まで

銀価格の4時間足チャート:年初来

出所:IGチャート


需給ひっ迫観測と米ドル不信が下支え

銀価格の上昇を支えているのが需給ひっ迫の観測だ。銀は太陽光発電パネル、電気自動車、AI・データセンターなどの分野で不可欠な素材であり、産業用の需要は構造的に拡大している。

The Silver Instituteによれば、銀市場は2021年から2025年まで5年連続で需要が供給を上回る状況が続いている。一方、供給面で銀は構造的な制約がある。銀の約75%は銅・亜鉛・鉛鉱山からの副産物として産出されるため、銀価格が上昇しても増産につながりにくい。鍵を握る鉱山生産もThe Silver Instituteによれば2026年にピークを迎え、その後は複数の鉱山が閉山し減少に転じると予想されている。※

こうした供給制約を背景に、2026年も需給ひっ迫の観測が銀価格の強力な下支え要因となろう。
※ The Silver Institute「World Silver Survey 2025」

今年の需給を一段と引き締める可能性があるのが、中国の輸出規制だ。中国商務部は2026年1月1日から、銀の輸出に2年間の特別政府ライセンスを義務付けた。この制度では、年間生産量80トン以上の実績を持つ大手企業のみが輸出を認められる。

注視すべきは今後の動きだ。中国はこれまで、資源の輸出規制を外交・産業政策の手段として用いてきた。国内の産業用需要を優先する観点から輸出規制の強化に踏み切る場合、2026年の需給ひっ迫観測は一段と強まる可能性がある。

「米ドル不信」を背景としたドル安も銀価格の支援材料となっている。

ドル指数(DXY)は2025年4月中旬以降、97.00〜101.00のレンジ相場が続いている。足元では26週線(98.58レベル)を再び下方ブレイクする状況にあり、急激なドル安局面は一服している。

しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ姿勢と独立性に対する懸念を背景に「米ドル不信」は根強く、ドル指数の上値は101.00水準で重い状態が続いている。この「ドル安バイアス」は、銀価格の下支え要因として機能しよう。

ドル指数の週足チャート:2025年以降

ドル指数の週足チャート:2025年以降

TradingView提供のチャート


年初来35%高、リースレート低下、過熱意識した急反落警戒

銀価格は強気相場にある。このトレンドを維持すれば、今月中に心理的節目の100ドルを視野に上昇拡大が予想される。

しかし、銀価格が100ドルの重要ラインを目指す過程では急反落を警戒したい。年初からの上昇拡大で、銀価格はすでに35%高の状況にある。上昇幅は25ドルと、昨年の42.76ドルの半分をすでに超えている。日足のRSIも買われ過ぎの水準で推移し続けており、短期的な相場の過熱感は否めない。

銀価格の年間変動率と幅:2000年以降

銀価格の年間変動率と幅:2000年以降

ブルームバーグの価格データを基に作成

また、銀の1ヶ月リースレートは1月上旬に9.85%のピークを付けた後、低下している。ブルームバーグが提供している直近の1ヶ月レートは4.4%台、3ヶ月は6.4%台にある。リースレートの低下は、過度な需給ひっ迫懸念がひとまず後退していることを示唆している。

銀リースレートの推移:1ヶ月 / 3ヶ月

銀リースレートの推移:1ヶ月 / 3ヶ月

ブルームバーグのデータを基に作成 / 1月15日時点


銀価格のテクニカル分析

銀価格は強気相場を維持している。レポート掲載時点では4時間足チャートのフィボナッチ・エクステンション100%水準97.14ドルを完全に突破し、98ドルの攻防にある。99ドル台へ上昇すれば、心理的節目100ドルのトライが視野に入ろう。

低下しているとはいえ、銀のリースレートは従来0%付近で推移する。現在の水準は、やはり需給ひっ迫を意識していると言える。国際政治の不透明感も重なり、貴金属市場に資金が流入している状況も考えるならば、今月中に節目水準100ドルのトライそして突破を想定する状況にある。実際に100ドル突破となれば、1ドル幅で新たな上値の水準を見極める展開となろう。103ドル台へ上昇する場合は、フィボナッチ・エクステンション161.8%の水準103.50のトライを意識したい。
チャートポイント:レジスタンス
・103.50:フィボナッチ・エクステンション161.8%
・103ドル:レジスタンスライン
・102ドル:レジスタンスライン
・101ドル:レジスタンスライン
・100ドル:心理的節目のライン
・99ドル:レジスタンスライン

一方、銀価格が反落する場合は、4時間足チャートにまとめたサポートライン、またはサポート転換の可能性がある水準の攻防に注目したい。最初の焦点は95.30ドルと92.50ドルだ。10日線(90.80ドル台)の下方ブレイクは、節目の90ドルをトライするサインとなろう。

「山高ければ谷深し」という相場格言がある。年初来で35%高と急騰している状況を考えるならば、急反落を警戒したい。このケースでは、20日線までの下落を想定したい。この移動平均線は現在、84ドル下で推移している。このラインはサポートラインに転換する可能性がある。先週サポートラインとして相場を支えた86.70ドルの下方ブレイクは、84ドルをトライするサインと考えたい。
チャートポイント:サポート
・95.30ドル:サポート転換の可能性あり
・92.50ドル:サポート転換の可能性あり
・90.80ドル:10日線
・90.00ドル:サポート転換の可能性あり
・86.70ドル:サポートライン
・84.00ドル:サポート転換の水準、下に20日線


銀価格の日足チャート:昨年12月以降

銀価格の日足チャート:昨年12月下旬以降

TradingView提供のチャート

銀価格の4時間足チャート:年初来

銀価格の4時間足チャート:年初来

TradingView提供のチャート


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