コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

銀価格予想(12/16):年末までの予想レンジ60~66ドル、急騰は急反落の要因に

IG証券のアナリストによる銀価格の展望(年末まで)。高値警戒感を意識した突発的な下落を警戒も、需給ひっ迫の思惑で強気相場維持か。注目のチャート水準について。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 銀価格が年初来121%高と急騰。金価格の上昇率(64%高)をはるかに上回る状況は、高値警戒感を意識させる
  • 産業用需要の拡大に伴う需給ひっ迫の思惑が年末まで銀価格の強気相場を牽引しよう
  • 年末までの予想レンジは60ドル〜66ドル。強気相場の維持を予想するが、上昇の局面では高値警戒感を意識した突発的な急反落を警戒したい


銀急騰、年初来121%高

銀価格が急騰している。レポート掲載時点で年初来の上昇率は121%に達し、金価格の上昇率(64%高)を大きく上回っている。銀価格急騰の背景にあるのが、需給ひっ迫への思惑だ。

銀価格と金価格の年間変動率:2000年以降

銀価格と金価格の年間変動率:2000年以降

ブルームバーグの価格データで作成


需給ひっ迫による銀の先高観

産業用需要の拡大で供給追い付かず
銀価格急騰の背景にあるのが、産業用需要の拡大だ。

The Silver Instituteの調査によれば、2021年以降、5年連続で銀の総需要が総供給を上回る見通しであり、2025年の供給不足は約117.7 Moz(百万オンス)と予測されている。

銀の需給動向

銀の需給動向

出所:The Silver Institute「World Silver Survey 2025」
※Moz:100万オンス

またThe Silver Instituteは、銀が持つ電気と熱の伝導性が技術革新に不可欠な素材となっており、今後5年間で太陽光発電、EV・関連インフラ、データセンター・AI分野の需要拡大に伴い、産業用需要がさらに高まると予想している。

例えば、EV市場は2025〜2031年の生産台数のCAGRが13%と予想され、2027年にはEVが自動車産業における銀の主要な需要源になるという。充電インフラ整備や安全機能・自動運転技術の進化も銀需要を押し上げると見込まれている。

今年の太陽光発電の需要は、技術的なスリフティング(銀使用量の削減)により一時的な減少が予想されているが、長期的にはこの分野での成長が継続すると見られている。AI・データセンター需要拡大も見込まれている。

銀の供給問題も需給ひっ迫の見通しを強めている。銀の約7割は銅・鉛・亜鉛などの副産物として生産されるため、構造的に供給が増えにくい。鉱山生産は頭打ちが続いており、将来に稼働する新規プロジェクトも少ないという。

出所
・The Silver Institute「SILVER, THE NEXT GENERATION METAL」DECEMBER 2025
・The Silver Institute「World Silver Survey 2025」

高止まりするリースレート
ロンドン市場で銀を借り入れる際の年間コストを示すリースレートの動きにも注目したい。

通常リースレートはゼロ近辺で推移する。しかしブルームバーグのデータによれば、11月末時点で1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月のリースレートはいずれも6%台に急上昇した。ブルームバーグのデータによれば、レポート掲載時点で1ヶ月のリースレートは7%台にある。2022年のスパイク時(約3%)を大きく上回る状況は、現物市場のひっ迫と銀の先高観を示唆している。

銀のリースレート:2020年以降

銀のリースレート:2020年以降

ブルームバーグのデータで作成 / 2025年11月末時点の動向


銀価格 年末までの展望とチャート分析

年末までの展望
コモディティの価格は需給見通しに大きな影響を受ける。前述した銀の需給ひっ迫見通しを考えるならば、年末までの銀価格は強気相場の維持を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ姿勢も銀価格の押し上げ要因となろう。ただし、現在の銀価格は投機熱を帯び高値警戒感が意識されやすい状況にある。高値警戒感による突発的な下落には警戒が必要だ。年末までの上限を66ドル、下限予想を60ドルと予想する。

上限予想:66ドル
年末に向けて銀価格が強気相場を維持する場合、注目すべきは65ドルの突破だ。12日高値の64.65ドルのブレイクアウトは、65ドルをトライするサインとなろう。テクニカル面ではフィボナッチ・エクステンション100%の水準65.34ドルの攻防が焦点となる。このラインを突破すれば、各節目の水準の攻防に注視しながら新たな上値水準を見極める展開となろう。

ただし、12月の銀価格はすでに7ドル高にある。11月も7.8ドル高と、月間の上げ幅としては今年最大だった。冒頭で述べたとおり年初来では121%高にあり、高値警戒感が意識されやすい状況だ。65.34ドルを突破しても、年末に向けては66ドルまでの上昇が限界と予想する。

筆者の想定を超える上昇で銀価格が66ドルを突破する場合は、フィボナッチ・エクステンション161.8%の水準68ドルをターゲットに上昇拡大を想定したい。しかし、この展開は高値警戒感をより高めるだろう。上昇拡大の局面では急反落を警戒したい。

チャートポイント
・68.00ドル:フィボナッチ・エクステンション161.8%
・67.00ドル:レジスタンスライン
・66.00ドル:年末までの上限予想
・65.34ドル:フィボナッチ・エクステンション100%
・64.65ドル:12月12日の高値
※フィボナッチ・エクステンションは1時間足チャートを参照

下限予想:60ドル
銀価格は短期的な過熱感(買われ過ぎ)が意識されやすい状況にある。調整の下落局面では、以下にまとめた水準の攻防に注目したい。

最初の焦点は63ドルの維持だ。この水準を下方ブレイクすれば、62ドルの攻防を意識したい。この水準は直下の61.60ドルとサポートゾーンを形成している。

銀価格が61.60ドルを下方ブレイクする場合は、日足チャートのフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準60.87ドルの攻防に注目したい。このラインも下抜ける場合は、節目の60ドルをトライする展開を予想する。60.10台には現在10日線が推移している。テクニカル面でも意識されやすい60ドルを年末までの下限と予想する。

想定を超える調整売りに直面し、銀価格が60ドルを下方ブレイクする場合は、59ドルまでの下落を想定したい。この水準はサポートラインに転換する可能性がある。

チャートポイント
・63.00ドル:サポート転換の可能性あり(1時間足チャート)
・62.00ドル:サポート転換の可能性あり(1時間足チャート)
・61.60ドル:サポート転換の可能性あり((1時間足チャート)
・60.87ドル:23.6%戻し(日足チャート)
・60.00ドル:サポートライン、10日線(1時間足と日足チャート)
・59.00ドル:サポート転換の可能性あり(日足チャート)


銀価格の日足チャート:今年11月以降

銀価格の日足チャート:今年11月以降

TradingView提供のチャート

銀価格の1時間足チャート:12月9日以降

銀価格の1時間足チャート:12月9日以降

TradingView提供のチャート


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券の商品(コモディティ)トレード

  • 約70種類の商品が取引可能
  • 原油や金など主要な商品の円建て銘柄
  • 金・銀、原油はバイナリーでも

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! デモ口座のみお持ちのお客さまには、2週間の期間限定での配信となります。受信を継続するにはライブ口座の開設をお願いいたします。 ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。