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ファースト・リパブリック銀経営破綻か 救済策1日発表目指す 米で3行目

米ファースト・リパブリック銀行の救済策が検討されている。公的管理下に入れば米国では3月以降3つ目の大規模銀行の経営破綻。

出所:ブルームバーグ

米国で預金流出にさらされていたファースト・リパブリック銀行の救済策の策定が大詰めを迎えている。海外メディアによると、米当局は5月1日のファースト・リパブリック銀行の営業開始前の決着を目指しているという。ファースト・リパブリック銀は3月の預金流出の規模が1000億ドル規模に達していたことが分かり、経営不安が再燃していた。米当局にとって大規模な銀行の経営破綻は3月以降で3行目。今回の救済策で金融システムへの不安の拡大を食い止めたい考えだが、具体的な内容が問われる局面となっている。

ファースト・リパブリック銀の公的管理を検討

海外メディアによると、米連邦預金保険公社(FDIC)はファースト・リパブリック銀を公的管理に置く方針。さらに大手銀行に対して、ファースト・リパブリック銀への支援策の検討を要請している。これまでにJPモルガン・チェース、PNCフィナンシャル・サービシズ、シチズンズ・ファイナンシャル・グループなどが提案を出しており、FDICが支援策の詳細を確認しているという。また、米ウォールストリート・ジャーナルは関係者の話として、FDICが1日のファースト・リパブリック銀の営業開始前までに支援銀行を発表するとの見通しを報じた。これまでは4月30日中に発表が行われると報じられてきた。

ファースト・リパブリック銀は4月24日の2023年1-3月期決算発表で3月末の預金額が3か月前から約720億ドル減少したと公表した。預金減少のきっかけは3月10日にシリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻した後、経営が不安視される事態に至ったことだ。JPモルガンやバンク・オブ・アメリカ、PNCなど大手銀行11行は支援策としてファースト・リパブリック銀に総額300億ドルを預金していたが、それにも関わらず700億ドルを超える預金減少に見舞われたことから、3月の預金の引き出し額は1000億ドル規模だったとみられている。

ファースト・リパブリック銀の株価(チャート)はSVBの経営破綻後、2営業日で約3分の1に下落。欧州でクレディ・スイスの救済が決まってからは10ドル台前半で推移していたが、4月24日の決算発表後にさらに値下がりし、27日の終値は3.51ドルだった。

不安解消につながるかは不透明さも

米国ではSVBのほかニューヨークを拠点とするシグネチャー銀行も経営破綻している。今回、ファースト・リパブリック銀が救済されれば、金融システムが抱える不安がひとつ解消されることになる。ただし新たな銀行が救済に追い込まれたという意味では、「次に救済が必要になる銀行」への不安が高まる展開も考えられ、問題が完全になくなるかどうかは見通せない。ファースト・リパブリック銀の預金がどのように保護されるのかなど、救済策全体への評価が今後の不安の行方を左右しそうだ。


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