【ドル円 (USDJPY)】今日の見通しとチャートポイント
外為市場で進行する米ドル安を受け、ドル円は147円台へ下落している。そして株高局面のなかでも円相場が円高優勢の状況にある。これらの状況を考えるならば、ドル円は引き続き下値のトライを意識したい。今日の見通しとチャートポイントは？詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・米金利は低下基調を維持し、外為市場では米ドル安のトレンドがさらに進行している
・リスク選好相場は円安の要因だが、今週の円相場は円高優勢の状況にある
・下落トレンドを維持するドル円は、147円の維持が焦点として浮上してきた
・ドル円が反発しても、現在の地合いを考えるならばその幅は限定的となろう
加速する米ドル安
外為市場では米ドル安が進行している。
米ドル相場の大まかなトレンドを表すドルインデックス（DXY）の動向を日足チャートで確認すると、21日線と50日線でデッドクロスの状況となり下落幅が拡大している。
現在は200日線だけでなく、7月安値と10月高値の半値戻しの水準を完全に下方ブレイクし、フィボナッチ・リトレースメント61.8％戻しの水準102.54レベルを視野に入れる状況にある。
ドルインデックスのチャート：日足 23年5月以降
次に主要通貨別の動向を確認すると、インフレが抑制の傾向にあることを示唆した10月の消費者物価指数（CPI）や7か月ぶりに減少した小売売上高が確認された後に、米ドル安トレンドが進行していることが分かる。
特に、対オセアニア通貨で米ドル安が進行している状況は、株式市場だけでなく外為市場でもリスク選好姿勢へ傾いていることを示唆している。
米ドル相場の動向：月初来
ドル円、今日の見通しとチャートポイント
焦点はクロス円の動向
上で述べたとおり、現在の外為市場では米金利の低下とリスク選好相場による米ドル安が進行している。
リスク選好相場の進行は円安の要因でもある。しかし、今週の円相場の動向を確認すると、対米ドルのみならず、主要なクロス円でも円高優勢となっている。
現時点では、円安トレンドが転換の方向に向かっていると判断することはできない。しかし、米ドル安の進行でユーロドル（EUR/USD）やポンドドル（GBP/USD）の上昇幅が拡大するなか、ユーロ円（EURJPY）やポンド円（GBP/JPY）などの主要なクロス円で円高優勢の状況が続く場合は、ドル円（USD/JPY）の下落幅が拡大することになろう。
円相場 今週の動向
下落の局面では147円の攻防が焦点に
ドル円（USD/JPY）は昨日、148円をあっさりと下方ブレイクし、安値147.32レベルまで下落する局面が見られた。そして今日の早朝に、147.00を視野に下落幅が拡大する局面が見られた。
上で述べた状況（米金利の低下に加えて、クロス円でも円高優勢の状況）が続く場合は、ドル円のさらなる下値トライを想定しておきたい。
ドル円が下落基調を維持する場合、目先の焦点はIG為替レポートで何度も取り上げてきた147.00レベルの維持となろう。
この水準は、10月3日の円高と11月中旬に発生した下落相場を止めた経緯がある。また今日現在、100日線が146.94レベルまで上昇している（下のチャート、赤ラインを参照）。テクニカルの面でも147円の維持は、ドル円がさらに下値をトライするかどうか？この点を見極める重要な攻防となろう。
ドル円が100日線をも一気に下方ブレイクする場合、次の焦点は7月28日安値と11月13日高値のリトレースメント38.2%の水準146.62レベルの攻防となろう。
ドル円のチャート：日足 23年7月以降
反発局面での焦点は？
日足のストキャスティクスは、売られ過ぎの水準にある。ドル円（USD/JPY）が下落トレンドを維持しても、短期的な売りの過熱感が示唆されている状況を考えるならば、147.00レベル（100日線）で一度相場が反発する展開を想定しておきたい。
ドル円の反発局面では、フィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい（下のチャートを参照）。
目先は、相場の戻りを止めた経緯のある23.6％の水準147.64レベルまで反発するかどうか？この点に注目したい。
フィボナッチ・リトレースメント以外では、レジスタンスの水準へ転換する可能性のある148.00レベルの攻防に注目したい。この水準（148.00）を難なく突破できるかどうか？は、新たなレジスタンスの水準を探るうえで重要な焦点となろう。なお、148.02レベルはフィボナッチ・リトレースメント38.2％の水準にあたる。
日足と同様、1時間足のストキャスティクスも売られ過ぎの水準で推移している。RSIも同じ状況にある。
短期的な売りの過熱感が意識され、ドル円が148円台へしっかりと上昇してくる場合は、明日以降、調整の反発相場が進行する状況を想定しておきたい。
このケースでは、リトレースメント61.8％の水準148.66レベルの攻防となるかどうか？この点に注目したい。この水準は、サポートからレジスタンスへの転換が確認されている。
ドル円のチャート：1時間足 11月21日以降
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