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メタ、増収増益なるか 26日決算 株価上昇率S&P500内2位

メタの2023年4-6月期決算は7四半期ぶりの増収増益予想。今年2.6倍になっている株価はさらに勢いづくか。

出所:ブルームバーグ

フェイスブックなどのSNSを運営するメタ・プラットフォームズが26日の取引時間終了後に発表する2023年4-6月期決算は7四半期ぶりの増収増益を達成できるかが焦点だ。メタは1-3月期まで6四半期連続の減益。総収入は1-3月期に1年ぶりのプラス成長を実現したが、増収と増益の同時達成は4-6月期に持ち越されていた。メタは2023年の株価上昇率がS&P500種株価指数構成銘柄内で2位の勢いがある。ツイッターと競合する新SNSや、AIサービスの無料提供といった積極的な施策を打ち出しており、4-6月期の決算次第で株価がさらに伸びる可能性もありそうだ。

メタの2023年4-6月期決算は7四半期ぶり増収増益の予想

メタは26日午後5時(日本時間27日午前6時)に決算会見を開く。金融情報会社リフィニティブのデータによると、メタの4-6月期決算に関する事前予想は総収入が前年同期比7.9%増の310.87億ドル、1株当たり利益が17.5%増の2.89ドルと見込まれている。増収増益が実現すれば、2021年7-9月期以来7四半期ぶり。メタは過去13回の四半期決算のうち、3回で総収入が事前予想を下回った。また1株当たり利益では5回で事前予想を超えられなかった。

メタ・プラットフォームズの業績(総収入、1株当たり利益)の推移

メタの株価(META)は2022年の1年間で64%下落。約2割減だったS&P500(SPX)や、約3分の2になったナスダック総合指数よりも激しい値下がりだった。しかし2023年に入ってからは株価が上昇。18日の終値は312.05ドルで、2022年末比で2.6倍になっている。S&P500構成銘柄の中では、半導体大手のNVIDIA(エヌビディア、NVDA)の3.2倍に次ぐ勢いだ。

リフィニティブによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は23.0倍で、同じIT大手のアマゾン・コム(61.3倍、AMZN)よりは大きく割安。マイクロソフト(32.4倍、MSFT)よりも安い水準にある。また、グーグルなどを傘下に持つアルファベット(21.0倍、GOOGL)とはほぼ同じ水準だ。アナリストが提示する目標株価の平均は302.90ドルで、足元の株価よりも安い。このところは360ドルまで目標を引き上げるアナリストも出ている。59人のうち18人は強い買い、32人は買いを推奨。6人は維持、3人は売りを勧めている。

独自AIモデルの無料公開などの施策も

メタの株価上昇が勢いづいている背景には、1-3月期決算で総収入が事前予想を上回ったことがある。メタは2021年4月のアップルの個人情報保護強化の結果、利用者の消費行動などを把握しづらくなり、広告効果を出しづらくなっていた。しかし1-3月期決算では事前の減収予想を覆し、2.6%の増収を達成。マーク・ザッカーバーグCEOはAIを活用した広告効果の向上策が実を結んでいると手ごたえを示していた。

このためメタが4-6月期決算で事前予想を超える実績を示すことができれば、メタの成長性への期待はさらに高まりそうだ。メタは7月5日にツイッターとのライバル関係が予想される新SNS「スレッズ」を公開。さらに18日には、メタが開発した人工知能(AI)モデルの「Llama 2(ラーマ・ツー)」を、マイクロソフトのクラウドサービス「Azure(アジュール)」などを通じて無料で使えるようにすると発表した。

これらの新規事業が収益に貢献するのは先になるとみられる。しかし主力SNSのフェイスブックだけでも利用者数が20億人を超える規模があるだけに、将来への布石が結果につながれば効果は大きい。一方、4-6月期決算が事前予想を下回れば、投資家の期待が一気にしぼむ恐れもある。一時期の苦境から抜け出しつつあるメタにとって、4-6月期決算の重要性はことのほか高いといえそうだ。

フェイスブックの利用者数(デイリー・アクティブ・ユーザー=DAU)の推移

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