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JPモルガン、好決算で株価上昇 金利高が追い風 預金金利競争に不安

JPモルガンの2023年4-6月期決算は事前予想を超えた。米FRBの利上げが要因で、株価は0.6%高となった。

出所:ブルームバーグ

JPモルガン・チェースが14日に発表した2023年4-6月期決算は事前予想を上回る好決算だった。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが追い風となった形で、収益の見通しも上方修正するなど、経営の先行きに自信をみせている。JPモルガンの株価(JPM)の14日の終値は前日比0.6%高で、投資家からは前向きな評価を得られたようだ。ただし今後も高い金利水準が続けば、預金金利を引き上げる必要性が増す可能性もあり、いつまでも追い風が続くかどうかは不透明だ。

JPモルガンの2023年4-6月期決算は総収入が34%増

JPモルガンの4-6月期の総収入は424.0億ドルで、前年同期比34.1%増。1株当たり利益は72.1%増の4.75ドルだった。金融情報会社リフィニティブのデータによると、いずれも事前予想の389.6億ドルと4.05ドルを上回る好決算だった。また、5月に経営破綻したファースト・リパブリック銀行の買収による上積みを除いた場合、総収入は384億ドルとなり、前年同期比21.4%増。1株当たり利益は3.95ドルで、43.1%増だった。

JPモルガンの業績の推移(総収入、1株当たり利益)

総収入を押し上げた最大の要因は、金利収益が44.0%増の217.8億ドルと大幅に伸びたことだ。米FRBによる利上げで金融市場での金利水準が上がり、貸付の際の金利を高く設定することができた。1-3月期との比較では5.2%増で、事前予想の2%程度を大きく上回った。FRBの利上げはファースト・リパブリック銀などの経営破綻の要因となったが、JPモルガンにとっては経営環境が良くなる方向に働いたといえる。

JPモルガンの分野別収入の推移(金利収益、トレーディング収入、手数料収入など)

この結果、JPモルガンは今回の決算発表に際して、通年での金利収益が870億ドルになるとの見通しを発表。従来見通しの730億ドルから上方修正した。決算が発表されると、14日の株式市場ではJPモルガンの株価が上昇し、一時、2.6%高まで値上がり。終値では0.6%高の149.77ドルにとどまったものの、S&P500種株価指数(SPX)が0.1%安だったことも考慮すれば、投資家から高評価を得たといえる。

「預金金利競争」になれば金利収益を下押し

ただしJPモルガンへの追い風がいつまで続くかは分からない。市場金利が高くなっていことでJPモルガンは融資の際の金利を高くできているが、今後は預金金利を引き上げる必要も出てくる可能性がある。ジェレミー・バーナムCFOは決算会見で、4-6月期の預金金利引き上げは事前に想定していたよりも少なくて済んだと説明しつつ、将来的には「預金金利競争」が始まり、4-6月期のような金利収益を維持できなくなるとの見通しを示した。

一方、米国経済をめぐっては、6月の消費者物価指数(CPI)で物価上昇率の軟化が感じられたことから、FRBは7月で利上げを打ち止めにし、景気を冷やしすぎることなく物価上昇を沈静化させる「軟着陸(ソフトランディング)」に成功するとの見方も広がっている。これに対してジェイミー・ダイモンCEOは、個人消費の堅調さなどで米国経済の底堅さが示されていることを歓迎しつつ、ロシアによるウクライナ侵攻で始まった戦争の進展などの不確実要素を挙げ、米国経済の行く末が「軟着陸になるか、緩やかな景気後退になるか、厳しい景気後退になるかは分からない」とも指摘している。


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