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日本のGDP成長加速か 4-6月期3%超見通し 円安に影響は?

日本の4-6月期成長率が3.1%に拡大する見通し。輸出の寄与が見込まれ、円高ドル安要因として意識される可能性がある。

出所:ブルームバーグ

内閣府が15日に発表する日本の2023年4-6月期のGDP速報値は日本経済の好調さが感じられる結果になりそうだ。実質成長率は前期比年率換算で3.1%になると予想され、1-3月期の2.7%から成長が加速する見通し。輸出の増加などが成長率の押し上げ要因として見込まれており、ドル円相場では円高ドル安要因として意識される可能性がある。ただ、海外経済の先行き不透明感が増す中、輸出の増加がどこまで大きくなっているかは不確実で、相場への影響が注目される。

日本の4-6月期実質成長率は3.1%の見通し

内閣府は15日午前8時50分に4-6月期GDP速報値を発表する。ロイター通信のエコノミスト調査での実質成長率予想は3.1%で、2022年4-6月期(5.6%)以来の大きさになる見通し。また、日本経済が3四半期連続のプラス成長となれば、2019年1-3月期から7-9月期にかけて以来となる。新型コロナウイルス禍やロシアによるウクライナ侵攻といった歴史的な出来事に揺れてきた日本経済が堅調さを取り戻しつつあるとの期待も高まりそうだ。

日本の実質GDP成長率と寄与度の推移

成長率を押し上げる要因とみられているのが、自動車輸出や訪日外国人(インバウンド)需要の増加だ。大和総研は4-6月期の実質成長率について4.2%という高い伸びを予想。自動車産業で「半導体不足などの供給制約の影響の一段の緩和によって挽回生産が進展した」ことが輸出の増加につながったと分析する。また、節電の動きなどを背景にして石炭などの輸入が減っていることもあり、輸出から輸入を差し引いた純輸出が大幅に増え、成長率を押し上げたとみる。

輸出が増加すれば、日本の輸出企業は海外から受け取ったドルを売って円を買う必要性が増し、円高ドル安要因になるとされる。また輸入の減少も円高ドル安要因と位置付けられる。輸入が減れば日本企業がドルで代金を支払う必要性が薄れるため、手持ちの円を売ってドルを買う取引が減るためだ。このため4-6月期GDPで純輸出の大幅な増加が確認されれば、ドル円相場(USD/JPY)では円高ドル安が意識される可能性がある。

輸出の増加は「物足りない」可能性も

ただ、輸出の増加は期待ほどにはならないとの見方もある。みずほリサーチ・アンド・テクノロジーズは輸出の増加や輸入の減少を見込んではいるが、「海外経済の減速や世界的な半導体市況の低迷」がモノの輸出の逆風になっているとも指摘。1-3月期に輸出が大きく落ち込んでいたことも考えれば、「物足りない反発力」になると推計している。4-6月の実質成長率の見通しは2.5%と控えめだ。

また、4-6月期GDPが相場に与える影響の大きさは、ドル円相場でこのところ、円安ドル高の動きが強まっていることにも左右されそうだ。14日のドル円相場は一時、1ドル=145.20円をつけ、2022年11月9日以来9か月ぶりの高さとなっている。背景には米国の長期金利上昇があり、日本のGDPの結果が円高ドル安要因とみなされた場合でも、どこまで相場の流れを変えるかどうかは見通せない。

ドル円相場の推移と主な出来事

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