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金価格見通し:米利上げ観測後退、CPI鈍化なら4500ドル視野に上昇拡大も

7月の雇用統計を受け米利上げ観測が後退。外為市場では米ドル安が進行。金価格は反発地合いにある。今週も金価格が上値をトライするかどうかは、7月の米物価指標次第となろう。週間想定レンジは4200-4500ドル。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

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石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

  • 7月雇用統計で早期の米利上げ観測が後退。外為市場では米ドル安が進行している。先週の金価格は7.3%高と、1月中旬以来の大幅上昇で終えた
  • 今週も金価格が反発地合いを維持できるかは、7月の米物価指標次第となろう。12日にCPI、13日にPPIが発表される。内容次第で金価格はさらなる上値トライも急反落もあり得る
  • 週間想定レンジは4200-4500ドル。米物価指標がドル安の要因となれば、4500ドルを視野に反発地合いの加速を想定したい。一方、米ドル高の要因となれば、4200ドルの維持が焦点となろう

早期の米利上げ観測後退、今週の金価格は新たな高値の見極めが焦点に

金価格(XAU/USD)の弱気地合いが後退している。ブルームバーグのデータによれば、先週は7.3%高と、1月19〜23日週の8.5%高以来となる大幅上昇で終えた。

金価格 週次パフォーマンス:2026年以降

金価格 週次パフォーマンス:2026年以降  ブルームバーグの価格データを基に作成

7月雇用統計で早期の米利上げ観測が後退したことが、金相場の押し上げ要因となった。

非農業部門雇用者数は2万3000人の減少と、ブルームバーグがまとめた市場予想の8万人増を大きく下回った。5月と6月の増加数も合計10万3000人下方修正された。これを受け、一時6割程度まで織り込み度合いが進んだ9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は、4割台へ低下した。

早期利上げ観測の後退を受け、外為市場では米ドル安が進行している。米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は現在、6月下旬以来となる99.50レベルの攻防にある。テクニカル面では、今年の米ドル高を象徴するサポートラインの維持が焦点に浮上している。このラインを下抜ければ、すぐ下の200日線のトライが視野に入る状況だ。ドル指数はテクニカル面で分岐点にある。

ドル指数 日足チャート:2026年1月以降

ドル指数 日足チャート:2026年1月以降 TradingView提供のチャート

米利上げ観測の後退に伴う米ドル安を受け、金価格は現在、日足の一目均衡表・雲の上限と89日線をトライする状況にある。これらテクニカルラインの突破は、さらなる上値トライのサインとなる。

ゆえに今週の金価格の焦点は、新たな高値水準の見極めとなろう。カタリストは、次のセクションでまとめた7月の米物価指標だ。

金価格 日足チャート:2026年3月以降

金価格 日足チャート:2026年3月以降 TradingView提供のチャート

強気維持は米物価指標次第、12日にCPI、13日にPPI

9月の米利上げ観測は後退している。しかし年内の利上げ観測が後退したわけではない。この点はインフレ抑制重視の姿勢を米連邦準備制度理事会(FRB)が維持することを意識した動きと言えよう。ゆえに早期の利上げ観測が再燃する可能性はくすぶる。

今週その鍵を握るのが7月の物価指標だ。12日に消費者物価指数、13日に生産者物価指数が発表される。

米消費者物価指数(CPI)の動向:過去1年間

米消費者物価指数(CPI)の動向:過去1年間 ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:市場予想

米生産者物価指数(PPI)の動向:過去1年間

米生産者物価指数(PPI)の動向:過去1年間 ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:市場予想

トレンドを示す前年同月比は、CPIとPPIでいずれも6月から鈍化の見通しにある。ゆえに、予想外にインフレの粘着性を示す結果となれば、早期利上げ観測の再燃による米ドルの買い戻しが予想される。このケースでは、金価格の急反落を警戒したい。

一方、7月雇用統計で労働市場の減速が示唆された状況で、7月の物価指標が前月比も含めてインフレの鈍化を示す場合、ドル指数は前述のテクニカルラインを下方ブレイクする可能性がある。米ドル安の進行は金相場のさらなる押し上げ要因となろう。

金価格の見通しとテクニカル分析

ブルームバーグ・インテリジェンスによれば、主要な金ETFへ資金が戻り始めている。先週は16億ドル超と、4月13~17日週以来の大幅な流入超となり2週間前の15.5億ドルをわずかだが上回った。前述の米物価指標でインフレ鈍化が示される場合は、米ドルの先安観を意識した持続的な金ETF買いが予想される。

金ETF 週次資金フローの動向:2026年以降

金ETF 週次資金フローの動向:2026年2月以降 ブルームバーグ・インテリジェンスのデータで作成

金価格(XAU/USD)のトレンドを日足チャートで確認すると、一目均衡表・遅行スパンがローソク足の実体より上の水準にある。MACDも久々にゼロラインを上回っている。いずれの動きも金相場の反発地合いの強さを示唆している。

RSIに買いの過熱シグナルが点灯していない状況も考えるならば、上値を伸ばす余地はある。目先の焦点は、冒頭で取り上げた89日線の突破と4400ドル台への上昇だ。

金価格が4400ドル台の攻防となる場合は、日足の半値戻し4416ドルと200日線が推移している4482ドルの攻防に注目したい。200日線の突破は、4500ドルのトライを見極める重要なテクニカルラインとなろう。

38.2%戻しにもあたる4500ドルはテクニカル面でレジスタンスとして意識されやすい状況にある。今週の上限と想定したい。想定を超える反発で4500ドルを突破する場合は、61.8%戻しにあたる4530ドルの攻防が焦点に浮上しよう。

注目のチャート水準:レジスタンス
・4530ドル:日足61.8%戻し(4529ドル)
・4500ドル:上限予想、日足38.2%戻し(4506ドル)
・4482ドル:200日線
・4416ドル:日足半値戻し
・4379ドル:89日線

一方、今週の米物価指標でインフレ懸念を強める内容が続けば、金価格の急反落を警戒したい。

金価格が再び下値を目指す場合は、サポートラインへの転換が焦点となる4200ドルを下限に、1時間足チャートにまとめたサポート水準の攻防に注目したい。1時間足の半値戻しの水準は4200ドルにあたる。テクニカル面でも4200ドルは重要ラインとして意識されやすい状況にある。

サポート転換の可能性がある4225ドルの下方ブレイクは、4200ドルをトライするサインとなろう。

注目のチャート水準:サポート
・4300ドル:サポート転換の可能性あり
・4288ドル:1時間足23.6%戻し
・4225ドル:サポート転換の可能性あり
・4200ドル:下限予想、1時間足半値戻し(4195ドル)

【再掲】金価格 日足チャート:2026年3月以降

【再掲】金価格 日足チャート:2026年3月以降 TradingView提供のチャート

金価格 1時間足チャート:8月以降

金価格 1時間足チャート:8月以降 TradingView提供のチャート

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