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金価格見通し:反発維持の関門はFOMC、ウォーシュ会見“タカ派”なら急反落も

金価格の短期見通し。売り一服もFOMCが関門に。年内1回以上の利上げ観測が強まれば、米金利の上昇とドル高の要因に。金価格は急反落を警戒したい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

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石川 順一

石川 順一

シニアマーケットアナリスト/Senior Market Analyst

作成日

要点

  • 金価格は3960ドル付近でサポートされ反発。金ETFにも約15億ドルの資金が流入。4月第3週以来の高水準となり、売りムードに一服感が漂っている
  • だが今週も反発基調を維持するには、FOMCという関門を突破する必要がある。ウォーシュFRB議長の会見が“タカ派”と受け止められる場合は、年内1回以上の利上げ観測が強まる可能性がある。この場合は、金価格の急反落を警戒したい
  • 金価格、今週31日までの想定レンジは3900〜4220ドル

金売りに一服感、ETFに買い戻し

金価格(XAU/USD)の売りに一服感が漂っている。直近のトレンドを4時間足チャートで確認すると、3960ドルの水準でサポートされた後、短期レジスタンスラインを完全に上方ブレイクしている。半値戻し4162ドルを突破すれば、次の節目の4200ドルが視野に入る。

金価格4時間足チャート:6月以降

金価格4時間足チャート:6月以降 TradingView提供のチャート

金ETFへの資金流入が反発の一因と見られる。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた週次の資金フローによれば、先週(20〜24日)は約15億ドルの流入超となり、4月第3週(約21億ドル)以来の高水準となった。

金ETF 週次資金フロー:2026年2月以降

金ETF 週次資金フロー:2026年2月以降 出所:ブルームバーグ・インテリジェンスのデータ / 7月20~24日週まで

反発維持の関門はFOMC、米ドル高再燃なら急反落も

しかし、金価格がこのまま強気相場へ回帰すると判断するのは早計だ。外為市場で米ドル高が再燃する可能性があるからだ。

今週、その最大の要因になり得るのが、米連邦公開市場委員会(FOMC、7月28〜29日)だ。現行の政策金利3.50〜3.75%は据え置きが見込まれている。

市場の関心は、その先に向いている。足元の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、9月までに1回の利上げを織り込んでいる。

米政策金利と利上げの見通し

米政策金利と利上げの見通し ブルームバーグのデータで作成 / 9時時点

市場参加者は、ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見に注目するだろう。

ウォーシュ氏はフォワードガイダンス(先行きの指針)に難色を示し、市場は政策の方向感をつかみにくい。ゆえに、FOMC後の会見でインフレ抑制重視の姿勢が強調されれば、利上げ観測が一段と強まろう。フォワードガイダンスが乏しい分、会見のニュアンス一つで相場が振れやすい点に警戒したい。

米PCE価格指数と中東情勢も焦点に

今週の関門はFOMCだけではない。翌30日には、FRBが最重視する6月の個人消費支出(PCE)価格指数の発表がある。

ブルームバーグがまとめた市場予想では、前月比と前年同月比でいずれも5月から鈍化が見込まれている。ゆえに、予想外にインフレの粘着性が確認される場合は、利上げ観測が一段と勢いづく要因になり得る。

米PCE価格指数 月次:直近1年間

米PCE価格指数 月次:直近1年間 ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフ・ドット:6月予想

中東情勢も注視する必要がある。米国とイランの協議は二転三転している。掲載時点ではイラン攻撃の一服で懸念がやや和らいではいるが、先週はブレント原油先物が一時100ドル近辺まで急騰する場面があった。

原油高はインフレ懸念を強める要因であり、米10年債利回りは先週、一時4.7%台と昨年1月以来の高水準へ上昇した。

ブレント原油先物価格 日足:2026年2月以降

ブレント原油先物価格 日足:2026年2月以降 ブルームバーグのデータで作成

注目は米国の実質金利だ。足元での名目金利の上昇を受け、2年と10年の実質金利はいずれも2%を超える水準へ上昇している。この動きは、金利を生まない金にとっては逆風となる。

しかも米国の実質金利はドル指数と歩調をそろえている。米金利の上昇とドル高という二重苦が金相場の急反落を招く可能性を常に警戒しておきたい。

米実質金利とドル指数 日足:2026年以降

米実質金利とドル指数 日足:2026年以降 ブルームバーグのデータで作成

金価格のチャート分析、週間想定レンジ3900〜4220ドル

金価格(XAU/USD)は、6月30日につけた安値3942ドルを底に下げ止まり、反発ムードを強めている。今週もこのトレンドを維持する場合、目先の焦点は4160ドル台の攻防となろう。

4時間足の半値戻し(4162ドル)と日足のフィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し(4166ドル)が重なる4160ドル台の突破は、次の節目水準4200ドルをトライするサインとなろう。このラインは、4時間足のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準でもある。4200ドルはテクニカル面でもレジスタンスラインとして意識されやすい状況にある。

4月以降、レジスタンスラインとして金相場の反発を止めている50日線が4220ドル台へ低下している。前述の61.8%戻しと重なることも考えるならば、今週31日までの上限を4220ドルと予想する。

注目水準:レジスタンス
・4220ドル:上限予想、50日線(4226ドル)
・4214ドル:61.8%戻し(4時間足)
・4200ドル:節目水準
・4160ドル台:半値戻し(4時間足)、23.6%戻し(日足)

日足の一目均衡表・遅行線はローソク足の下で推移する状況が続いている。MACDはゼロライン以下が常態化している。50を下回るRSIのトレンドも考えるならば、テクニカル面で金相場は引き続き弱気地合いにあることが分かる。

FOMC声明、ウォーシュFRB議長の会見、そして6月PCE価格指数で利上げ観測が強まる場合は、米金利の上昇+ドル高による金相場の急反落を警戒したい。このケースでは、節目4000ドルの下方ブレイクと、冒頭で取り上げたサポートライン3960ドルの攻防が焦点となろう。

6月30日の安値3942ドルも下方ブレイクする場合は、節目水準3900ドルのトライが視野に入る。ボラティリティの拡大を警戒し、3900ドルを今週31日までの下限と予想する。

注目水準:サポート
・4000ドル:心理的節目のライン
・3960ドル:サポートライン
・3942ドル:6月30日安値
・3900ドル:下限予想

金価格 日足チャート:2026年1月以降

金価格 日足チャート:2026年4月以降 TradingView提供のチャート

【再掲】金価格 4時間足チャート:6月以降

【再掲】金価格 4時間足チャート:6月以降 TradingView提供のチャート

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