金価格の短期見通し。売り一服もFOMCが関門に。年内1回以上の利上げ観測が強まれば、米金利の上昇とドル高の要因に。金価格は急反落を警戒したい。
金価格(XAU/USD)の売りに一服感が漂っている。直近のトレンドを4時間足チャートで確認すると、3960ドルの水準でサポートされた後、短期レジスタンスラインを完全に上方ブレイクしている。半値戻し4162ドルを突破すれば、次の節目の4200ドルが視野に入る。
金価格4時間足チャート:6月以降
金ETFへの資金流入が反発の一因と見られる。ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめた週次の資金フローによれば、先週(20〜24日)は約15億ドルの流入超となり、4月第3週(約21億ドル)以来の高水準となった。
金ETF 週次資金フロー:2026年2月以降
簡単!3分で口座開設申込
最短1営業日で取引開始
しかし、金価格がこのまま強気相場へ回帰すると判断するのは早計だ。外為市場で米ドル高が再燃する可能性があるからだ。
今週、その最大の要因になり得るのが、米連邦公開市場委員会(FOMC、7月28〜29日)だ。現行の政策金利3.50〜3.75%は据え置きが見込まれている。
市場の関心は、その先に向いている。足元の翌日物金利スワップ(OIS)市場では、9月までに1回の利上げを織り込んでいる。
米政策金利と利上げの見通し
市場参加者は、ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見に注目するだろう。
ウォーシュ氏はフォワードガイダンス(先行きの指針)に難色を示し、市場は政策の方向感をつかみにくい。ゆえに、FOMC後の会見でインフレ抑制重視の姿勢が強調されれば、利上げ観測が一段と強まろう。フォワードガイダンスが乏しい分、会見のニュアンス一つで相場が振れやすい点に警戒したい。
今週の関門はFOMCだけではない。翌30日には、FRBが最重視する6月の個人消費支出(PCE)価格指数の発表がある。
ブルームバーグがまとめた市場予想では、前月比と前年同月比でいずれも5月から鈍化が見込まれている。ゆえに、予想外にインフレの粘着性が確認される場合は、利上げ観測が一段と勢いづく要因になり得る。
米PCE価格指数 月次:直近1年間
中東情勢も注視する必要がある。米国とイランの協議は二転三転している。掲載時点ではイラン攻撃の一服で懸念がやや和らいではいるが、先週はブレント原油先物が一時100ドル近辺まで急騰する場面があった。
原油高はインフレ懸念を強める要因であり、米10年債利回りは先週、一時4.7%台と昨年1月以来の高水準へ上昇した。
ブレント原油先物価格 日足:2026年2月以降
注目は米国の実質金利だ。足元での名目金利の上昇を受け、2年と10年の実質金利はいずれも2%を超える水準へ上昇している。この動きは、金利を生まない金にとっては逆風となる。
しかも米国の実質金利はドル指数と歩調をそろえている。米金利の上昇とドル高という二重苦が金相場の急反落を招く可能性を常に警戒しておきたい。
米実質金利とドル指数 日足:2026年以降
金価格(XAU/USD)は、6月30日につけた安値3942ドルを底に下げ止まり、反発ムードを強めている。今週もこのトレンドを維持する場合、目先の焦点は4160ドル台の攻防となろう。
4時間足の半値戻し(4162ドル)と日足のフィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し(4166ドル)が重なる4160ドル台の突破は、次の節目水準4200ドルをトライするサインとなろう。このラインは、4時間足のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準でもある。4200ドルはテクニカル面でもレジスタンスラインとして意識されやすい状況にある。
4月以降、レジスタンスラインとして金相場の反発を止めている50日線が4220ドル台へ低下している。前述の61.8%戻しと重なることも考えるならば、今週31日までの上限を4220ドルと予想する。
注目水準:レジスタンス
・4220ドル:上限予想、50日線(4226ドル)
・4214ドル:61.8%戻し(4時間足)
・4200ドル:節目水準
・4160ドル台:半値戻し(4時間足)、23.6%戻し(日足)
日足の一目均衡表・遅行線はローソク足の下で推移する状況が続いている。MACDはゼロライン以下が常態化している。50を下回るRSIのトレンドも考えるならば、テクニカル面で金相場は引き続き弱気地合いにあることが分かる。
FOMC声明、ウォーシュFRB議長の会見、そして6月PCE価格指数で利上げ観測が強まる場合は、米金利の上昇+ドル高による金相場の急反落を警戒したい。このケースでは、節目4000ドルの下方ブレイクと、冒頭で取り上げたサポートライン3960ドルの攻防が焦点となろう。
6月30日の安値3942ドルも下方ブレイクする場合は、節目水準3900ドルのトライが視野に入る。ボラティリティの拡大を警戒し、3900ドルを今週31日までの下限と予想する。
注目水準:サポート
・4000ドル:心理的節目のライン
・3960ドル:サポートライン
・3942ドル:6月30日安値
・3900ドル:下限予想
金価格 日足チャート:2026年1月以降
【再掲】金価格 4時間足チャート:6月以降
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。