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アルファベット、クラウドの成長が焦点 30日決算 上場来高値なるか

アルファベットが10-12月期決算を発表する。前回決算で株価下落を招いたクラウド事業の成長鈍化を解消できるかが焦点だ。

アルファベット、クラウドの成長が焦点 30日決算 上場来高値なるか 出所:ブルームバーグ

グーグルなどを傘下に持つIT大手のアルファベットが30日の取引時間終了後に発表する2023年10-12月期決算はクラウド事業の成長ペースが焦点だ。10月に発表した7-9月期決算はクラウド事業の成長鈍化が悪材料視されたが、今回の決算で投資家の信頼を取り戻せるかに注目が集まる。足元ではアルファベットの株価は約2年2か月ぶりの上場来高値が近づいており、今後、株価が上抜ける可能性もありそうだ。

アルファベットの10-12月期決算は総収入が12%増加の予想

アルファベットはアメリカ東部時間の30日午後4時30分(日本時間31日午前6時30分)から決算会見を開く。LSEGによると、アルファベットの10-12月期決算に関する事前予想は、総収入が前年同期比12.1%増の852.64億ドル、1株当たり利益(EPS)が51.4%増の1.59ドルになると見込まれている。予想通りになれば総収入の伸び率は2022年4-6月期(12.6%)以来6四半期ぶりの大きさだ。アルファベットは過去15回の四半期決算のうち、2022年の4回すべてで総収入が事前予想を下回った。1株当たり利益でも5回、事前予想のクリアに失敗している。

アルファベットの業績(総収入、1株当たり利益=EPS)の推移のグラフ

LSEGのデータによると、アルファベットの株価(GOOGL)は決算が不振だった2022年に4割近く下落。しかし株価が上昇基調になった2023年には58%上昇した。22日の終値は145.99ドルで、1月に入ってから4.5%増と好調だ。2021年11月18日につけた上場来高値(149.84ドル)の更新が視野に入っている。

LSEGによると、直近の株価と今後12か月の予想収益から算出される株価収益率(PER)は21.64倍。前回(7-9月期)決算前(21.27倍)と変わらない水準だ。同じハイテク大手のアマゾン・コム(41.86倍、AMZN)や、マイクロソフト(32.50倍、MSFT)よりも割安で、フェイスブックなどのSNSを展開するメタ・プラットフォームズ(21.56倍、META)とは同じ水準といえる。

アナリストが提示する目標株価の平均は154.48ドルで、現状よりも約6%高い。1月に入ってからは目標株価を170ドル台に引き上げる動きも出ている。51人のうち13人が強い買い、29人は買いを推奨。残りの9人は維持を勧めている。

株価の行方を握るのはクラウド事業の成長性か

アルファベットの10-12月期の総収入の伸びが加速するとみられているのは、総収入の約4分の3を稼ぎ出す広告事業が伸びるとみられているためだ。LSEGのデータでは前年同期比11.6%の増加が予想されており、2022年4-6月期(11.6%)以来の伸びになる見通し。米国経済をめぐっては、2023年秋ごろから米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げへの期待から先行きに楽観的な見方が強まっており、企業による広告出稿の意欲が増していると期待されている。

アルファベットの広告事業とクラウド事業の収入の推移のグラフ

ただ、前回の決算発表に際しては、広告事業の伸びが総収入や1株当たり利益を市場予想以上に押し上げたものの、アルファベット株は大幅な下落に見舞われた。人工知能(AI)サービスの基盤として成長が期待されているクラウド事業の収入の伸びが22.5%となり、4-6月期の28.0%から減速したことが悪材料とみなされたためだ。アルファベット株は決算発表直前の10月24日の終値では138.81ドルだったが、3営業日後の27日には約12%安の122.17ドルとなった。

アルファベット株はその後、アメリカの長期金利(10年物米国債利回り)の低下を背景にして再び上昇。上場来高値をうかがう水準となっている。アルファベットが中長期的な成長性のバロメーターといえるクラウド事業の伸びの加速を示すことができれば、株価に上昇圧力がかかる可能性もありそうだ。


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