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銅価格は1万ドル台乗せも 需給逼迫や過剰流動性支えに

昨年3月に約3年半ぶりの安値を付けた銅相場が、その後1年ほどで9年半ぶりの高値となった。各国政府の財政出動に伴う景気の押し上げで需給の逼迫が見込まれることに加え、中銀の金融緩和で生じた過剰流動性の下で商品相場に資金が流入していることが背景にある。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い昨年3月に約3年半ぶりの安値を付けた銅相場が、その後1年ほどで9年半ぶりの高値となった。各国政府の財政出動に伴う景気の押し上げで需給の逼迫が見込まれることに加え、中銀の金融緩和で生じた過剰流動性の下で商品相場に資金が流入していることが背景にある。

こうした状況は今後も継続し、LME銅3カ月物は1万ドル台に乗せ、過去最高値も更新するとの見方が出ている。

価格の推移

LME銅3カ月物はコロナ第1波の最中の昨年3月に1トン=4630ドルまで下落。約3年半ぶりの安値を付けた。

しかし、底打ちした後は速いペースで下値を切り上げた。今年2月22日に11年以降、初めて9000ドルを回復。25日に直近の高値となる9412.5ドルを付けた。

10日は8861.50ドルとなっている。

中国需要

経済協力開発機構(OECD)は9日、世界全体と国別の経済成長率について最新の見通しを発表。コロナワクチンの普及を受け、今年の世界経済成長率が5.6%になると予想した。昨年12月初旬時点では4.2%と見込んでいた。

国別では、コロナ禍をいち早く脱却した中国について今年7.8%の成長を予想した。昨年は2.3%の成長だった。

国際銅研究会(ICSG)が2月に発表した昨年1~11の世界の精錬銅の需給状況(暫定値)によると、銅市場は通年で約59万トンの不足が見込まれる。ICSGは不足の理由に中国の強い需要を挙げた。

銅の需要は増加が見込まれる一方、過去数年間の価格低迷で生産者は増産に向けた投資を控えており、供給は伸び余地が小さい。需給はひっ迫した状態が継続すると見込まれる。

ゴールドマン・サックスは、中国やその他の地域での銅需要の増加に供給が追い付いていないとし、今年の需給について過去10年で最大の不足に陥ると予想している。

米グリーン投資

バイデン米政権による総額1兆9000億ドル規模の経済対策法案が12日にも成立する見通しとなった。

政権は今後、環境・インフラ投資計画の実現に取り組む方針だ。この計画の規模は明らかになっていないが、バイデン氏は大統領選の公約として昨年7月、気候変動問題に対処するために4年間で総額2兆ドルのクリーンエネルギー・インフラ投資を行うと発表している。

計画の目玉になるとみられる再生可能エネルギーと電気自動車(EV)のインフラ構築には、とりわけ大量の銅を必要とする。

21年は中国による再生可能エネルギーへの投資の強化で、銅需要が数十万トン増加する可能性があるとの試算を一部の商社が発表している。米国の大型投資、さらには世界のあちこちでの投資計画がこれに加わることになる。

下押しリスク

銅価格にとっての最大の下押し要因は中国当局の引き締め政策だ。中国が今後、信用の伸びを積極的に抑える方針を採れば、景気が腰折れしかねず、銅の消費にも影響が及ぶ可能性がある。

また、各国で採用されている金融緩和がインフレの動向によって予想よりも早期に終了する可能性もある。これもまた、銅価格に負の影響を与え得る。

価格予想

ゴールドマン・サックスは3カ月後、半年後、1年後の銅価格をそれぞれ9200ドル、9800ドル、1万500ドルと予想している。

また、一部メディアによると、金属取引を行う英コンコード・リソーシズが最近、1年半後の銅価格を1万2000ドルと予想した。

予想が実現すれば、銅価格は11年に付けた過去最高値の1万190ドルを向こう1年で上回ることになる。


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