日経平均株価は3日続落で3週間半ぶりの安値。AI株の不振が影響した。10日午後発表のTSMCの月次業績が次の難関になる可能性がある。
日経平均株価の下落が続いている。8日の終値は前日比1437.91円安。週初めからの3日続落で合計4%超安となり、3週間半ぶりの安値となる6万6000円台となった。前日の韓国サムスン電子の株価下落の余波が続く中、日経平均を牽引してきた人工知能(AI)株が急落。またホルムズ海峡をめぐるアメリカとイランの対立の再燃が原油価格を上昇させていることも投資家心理を冷やしている。一方、AI株の影響度が大きい日経平均が大きく値下がりする中でも、東京証券取引所全体の値動きを反映する東証株価指数(TOPIX)は堅調さを維持。日本株への期待が途絶えたわけではなさそうだ。ただ、AI株の見通しをめぐっては10日に発表される台湾積体電路製造(TSMC)の6月の業績が次の難関になる可能性があり、日経平均への下落圧力が改めて強まる展開も考えられる。
日経平均株価(N225)の8日の終値は6万6819.05円。ブルームバーグによると、3営業日続落の間に4.19%安となり、6月12日(6万6020.04円)以来の安値となった。6月25日の最高値(7万2366.34円)からは7.67%安の水準だ。前日の米国市場で、インテル(INTC)が前日比9.66%安、アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)が6.51%安になるなど、半導体株が急落したことが悪材料視された。米国の半導体株下落は、日本時間7日朝に発表されたサムスン電子の2026年4-6月期決算の速報値に対し、韓国の株式市場が厳しい反応を示したことが要因で、半導体株を舞台とした世界的な株価下落に歯止めがかからなくなっている。
また、日経平均にとっては7日以降の原油価格の上昇も悪材料だ。原油先物市場の指標価格であるWTI(8月渡し、WTI原油)は日本時間8日午後3時台に1バレル=72.93ドルまで上昇。6月24日(73.18ドル)以来の高値となった。6月中旬の米国とイランによる和平合意後に開放が進んだホルムズ海峡で7日、タンカー3隻がイランからとみられる攻撃を受けるとともに、米国軍がイランへの攻撃を始めたと発表し、緊張が再燃しているためだ。WTIは2日段階ではイラン戦争開始前の水準まで値下がりしていただけに、足元の反発は投資家の不安をかきたてる要因といえそうだ。
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一方、日経平均の不振とは裏腹に、TOPIXは堅調さを維持している。TOPIXの8日の終値は前日比1.37%安。日経平均が6月25日の最高値から7%以上値下がりするなかでも、同じ期間のTOPIXは0.25%安と健闘している。日経平均が続落した直近の3営業日の間の値動きでも、TPOIXの33業種別指数のうち23業種は値上がりしており、株式市場のムードが暗いとはいえない。割高感が目立っていたAI株から、その他の銘柄への資金移動が起きているとみることもできそうだ。
ただ、日経平均の今後の見通しについては、引き続きAI株の動向がカギを握りそうだ。日本時間10日午後2時半の発表が見込まれるTSMC(TSM)の6月の台湾ドルベースでの総収入が、サムスンの決算速報値と同様に投資家の厳しい視線にさらされれば、日経平均にとっての下落要因となる可能性がある。TSMCがすでに発表している4月と5月の総収入は、ドルベースに換算すると前年同期比22.9%増にあたる水準。一方、TSMCが4月16日の1-3月期決算発表に際して示した4-6月期の総収入の見通しは、前年同期比31.0%増にあたり、自ら設定した目標をクリアするためのハードルが高くなっているとみることもできる。
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