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世界の原油産出国ランキング

投資先としても人気の原油。ここでは、どの国がどのくらい原油を産出しているのか、原油を取引するためにはどんな方法があるのかについて、詳しく解説します。

Source: Bloomberg

2020年の原油(石油)産出国トップ10

まずは、原油産出量の多いトップ10の国について見てみましょう。

  1. 米国:1951万バレル/日量
  2. サウジアラビア:1181万バレル/日量
  3. ロシア:1149万バレル/日量
  4. カナダ:550万バレル/日量
  5. 中国:489万バレル/日量
  6. イラク:474万バレル/日量
  7. アラブ首長国連邦(UAE):401万バレル/日量
  8. ブラジル:367万バレル/日量
  9. イラン:319万バレル/日量
  10. クウェート:294万バレル/日量

※出典:EIA / 2020年6月25日時点 / 国別生産量(1日当たりバレル数、bpd)
※政治や経済情勢により原油産出量は変化します

米国: 1,951 万バレル/日量

米国は2017年以降、世界の産油国の中でトップの地位を占めています。32の州とメキシコ湾岸地域で石油が生産されていますが、その多くはテキサス州で掘削されています(41%)。また、同国は最大の石油消費国でもあります。2019年には、合計74.7億バレルの石油を消費しています。

アメリカが原油産出量でトップに立っている大きな理由の1つは、新しい掘削方法を最初に開発し採用したことです。地下に眠る原油を取り出すための装置「リグ」が水平方向に掘削できるようになったことで、原油を産出する岩盤へ到達することが可能となりました。この新技術により、2018年から2019年にかけて米国の原油生産量は9%強増加しました。

サウジアラビア: 1,181万バレル/日量

米国が世界最大の原油生産国になる前は、サウジアラビアがトップの座にありました。同国は世界第6位の石油消費国です。日量で平均378万バレルを使用しています。

OPECの協調減産に伴い、サウジアラビアの原油生産量は2018年から2019年にかけて日量60.9万バレル減少しました。2020年には、新型コロナウイルスが世界中に広まったことで、原油の需要が急激に減りました。これを受け、同国の生産量はさらに日量330万バレル減少しました。サウジアラビアの原油生産量は国内総生産(GDP)の約42%を占めています。原油頼みの経済構造はサウジアラビアが克服すべき問題となっています。

ロシア:1,149万バレル/日量

ロシアはかつて世界有数の原油産出国でした。しかし、現在ではサウジアラビアと米国の後塵を拝しています。2018年から2019年にかけての生産量の伸びは、1%未満になりました。原油価格の下落によりOPECの加盟国とロシアが協調して生産量の減産に踏み切らざるを得なくなったからです。また、2020年のはじめに発生した「コロナパンデミック」の影響により、生産量は最大で20%減少しました。

ロシアの主な原油採掘地域は、西シベリアのプリオブスコエ油田とサモトロール油田です。2020年6月現在、ロシアは世界第5位の石油消費国(1日あたり331万バレル)です。これは、世界全体の約4%を占めています。

カナダ:550万バレル/日量

カナダは、主要な原油産出国としての地位が徐々に上がり、現在は世界第4位にランクアップしています。2050年までにカナダの生産量は120%以上増加するといわれています。これは、非OPEC諸国全体の生産量の伸びを上回ります。大幅な増産にはコストがかかる可能性があります。この問題についてカナダの石油企業は効率化とコスト削減で乗り切ろうとしています。ちなみに、カナダ産原油のほとんど(96%)はオイルサンド(石油成分を含む砂岩)から採掘されます。

カナダの石油消費量は日量240万バレル強です。この消費量が一定である場合、同国には180年以上分の原油が埋蔵されている計算になります。今後は、2022年12月までに締結が予定されている貿易協定に向けた生産量のさらなる拡大が予定されています。

中国:489 万バレル/日量

中国は世界第5位の原油生産国である一方、第2位の石油消費国でもあります。中国は、日量約1,400万バレルを消費しています。2020年のはじめは、新型コロナウイルスの広がりにより中国の原油需要は日量50万バレル以も落ち込む状況となりました。
中国の国内産原油のほとんどは、北東および北西の地域で採掘されています。中国の原油生産量は全体として徐々に減少しています。現在の生産量のレベルで考える場合、約5年分の原油量が埋蔵されていることが確認されています。

イラク:474万バレル/日量

イラクの原油生産量は、2018年から2019年にかけて2.6%増加しました。そして2020年の時点では、日量474万バレルに達しています。また、イラクは世界の石油埋蔵量の約9%にあたる1,400億バレル以上を有しているといわれています。
イラクは、主要な産油国のランキングでは第6位に過ぎません。しかし、OPEC加盟国の中では第2位となっています。また、世界第2位の石油輸出国でもあります。イラクの輸出量は2010年以降、日量200万バレルから400万バレルへと倍増しています。その多くは中国、インド、ヨーロッパ向けに供給されています。

UAE(アラブ首長国連邦):401万バレル/日量

OPEC加盟国の中でアラブ首長国連邦(UAE)は第3位となっています。2016年に日量400万バレルを超える生産をしていましたが、2017年には3.1%減少しました。

UAEの石油埋蔵量は980億バレルとみられます。そして埋蔵量については、1988年以降、ほぼ横ばいで推移しています。今後もUAEの生産量が一定と仮定すると、同国には約300年分の埋蔵量がある計算になります。

ブラジル:367万バレル/日量

ブラジルでは2018年から2019年にかけて原油の生産量が大幅に増加しました。2019年12月には前月から0.52%増、前年から15.44%増の1日あたり310万バレルを生産しました。増加傾向は2020年も続きました。

2020年のコロナパンデミックにより、他の産油国と同じくブラジルも世界的な原油需要の縮小を受けました。ブラジルの石油埋蔵量は世界の埋蔵量のうち1%未満しか有していません。今後もブラジルの生産量が一定と仮定すると、約15年分の埋蔵量がある計算になります。

イラン:319万バレル/日量

1970年代、イランは石油産業に大きな影響力を与えていました。当時は、1日あたり500万から600万バレルの原油を生産していました。多くの国が原油を生産し輸出するようになると、イラン産原油は急激に減少しました。その後、米国による制裁の影響もあり、イラン産原油の生産量は減少し続けました。
2020年、イランはコロナパンデミックが経済に与える影響を考慮し、原油の生産から得られ収入の予測を2019年時点のGDP比29%から同比9%へ下方に修正しました。
一方、イランは2025年までに石油産業に5,000億ドルの投資を行うことを目標にしています。

クウェート:294万バレル/日量

クウェートのGPDの約半分、および輸出収入の90%は石油およびガスの生産と輸出が占めています。2020年にクウェートは、原油の生産量を日量400万バレルに引き上げる計画でした。しかし、コロナパンデミックによりその計画は見直す必要に迫られました。

クウェートの経済は石油産業に大きく依存しています。このため、他の産業育成が同国の問題となっています。
2019年末時点で、クウェートの石油消費量は日量33.9万バレルです。2018年の消費量は45.1万バレルでしたので、前年比で33%減少したことになります

原油業界についての基礎知識

原油業界は、そのボラティリティの高さなどから世界で最も注目されているセクターの1つです。他の金融市場と同じく、原油価格を左右する最大の要因は需要と供給の関係です。

供給の要因としては、石油輸出国機構(OPEC)による生産量の決定、地政学的問題、異常気象などが挙げられます。OPECは定期的に会合を開き原油の産出量を調整します。そうすることで価格をコントロールしているのです。
一方、需要の要因としては原油輸入国の原油依存度、米ドルの価格、世界経済の動向などが挙げられます。

原油を産出するトップ10の国が、世界の原油の71%を供給しています。その量は、日量1億バレルを超えています。原油は主に輸送目的(ガソリンや軽油として)に使用されます。また、プラスチックや医薬品の生産にも使用されます。

世界で最も代表的な原油のベンチマークは、ブレント原油ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)です。これら指標の主な違いは、石油を抽出する場所と原油の組成、そして地政学的要因による影響です。

原油需給の変動要因・原油取引の仕組みについてはこちらをご覧ください。

トップ10原油生産国のシェア

国名 世界の産出量に占めるシェア
アメリカ合衆国 19%
サウジアラビア 12%
ロシア 11%
カナダ 5%
中国 5%
イラク 5%
アラブ首長国連邦(UAE) 4%
ブラジル 4%
イラン 3%
クウェート 3%

原油に投資する方法

IG証券で取引可能なCFDを利用した原油取引のほか、原油関連銘柄を含んだ上場投資信託(ETF)の金融商品に投資をすることでも、原油へ間接投資することができます。

原油価格の変動に対して取引を行う

IG証券が提供するCFDでは、現物を保有することなく差金決済で原油取引ができます。CFDのメリットの1つがレバレッジ取引です。レバレッジ取引では、比較的少額の証拠金でをおさめることで、大きな金額へのエクスポージャーを得ることができます。また、他の金融資産と組み合わせることで、ヘッジ手段としても用いることができるというメリットもあります。一方、レバレッジ取引のリスクは、実際の相場が予想とは逆のトレンドとなる場合、損失が拡大してしまうことです。

  • スポット価格で取引

スポット価格は、現時点で売買するための価格のことです。よって、原油をスポット価格で取引する場合は、現在提示されている価格で売買することになります。一般的にスポット価格のスプレッドは狭くなる傾向にあります。よって、短期間で売買を繰り返すトレーダーはスポット価格での取引を好みます。
しかし、オーバーナイトでポジションを保有するとファンディング・コストが発生します。

  • 先物価格で取引

特定の日に特定の価格で取引することを先物取引といいます。原油を取引する場合は、一般的に先物市場となります。先物は取引所で取引されます。先物取引の場合、ファンディング・コストを織り込んで価格が提示されます。このため、オーバーナイトでポジションを保有してもファンディング・コストはかかりません。一方、スポット価格と比べて、先物価格のスプレッドは広くなります。長期保有スタイルのトレーダーは、先物取引を好む傾向があります。

スポット価格、先物価格の違いについて詳しくはこちらをご覧ください。

原油関連銘柄を通じて間接投資する

原油の価格そのものではなく、原油を扱っている企業の株式や、これを組み込んでいるETFに投資することで、間接的に原油へ投資することも可能です。

  • 株式CFD

指数ではなく、個別の株式を買うことで間接的に原油へ投資する方法もあります。ここでいう個別の株式とは、原油価格との連動性が高い銘柄のことです。例えば、国際石油資本の、BPのようなエネルギー企業の株式は原油価格との連動性があります。また、米大手エネルギー企業のエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)の株式を買えば、間接的に原油を取引きする一方で、高い配当をもらえるというメリットがあります。

株式CFDについて詳しくはこちらをご覧ください。

  • ETF

ETFはExchange Traded Fundsの略で、「上場投資信託」と呼ばれています。ETFは指数と連動して価格が動くように設定された金融商品です。例えば原油ETFは、北海ブレント原油やWTIといった特定の指数に連動するよう設定されます。指数の動きのみに注目する投資家はETFの取引を好む傾向があります。

CFDでETFを取引する方法についてはこちらをご覧ください。

石油産業 今後の見通し

石油業界の今後は、COVID19の世界的な流行による長期的な影響、米国や中国などの経済成長、自然エネルギー(再生可能エネルギー)の見通しという3つの大きな要因に左右されます。

新型コロナウイルス問題により、原油市場の不確実性が増しました。パンデミックによる影響がどのくらい続くのか、確実に知る方法は残念ながらありません。ワクチンの普及や検疫体制の整備などにより、経済に回復基調が見られた国・地域もありますが、変異株の登場もあり依然として影響が長期化する可能性は残ります。

石油(原油)の生産量や消費量への影響は、石油産業を支えるためのさまざまな措置により多少軽減されるものの、やはり避けられないといえるでしょう。

また、石油の需要と供給の変化は、経済大国のGDP成長率に大きな打撃を及ぼす可能性があります。これらの国が減産にどのように対応するかはまだわかりませんが、石油市場の流動性やボラティリティーに持続的な影響を与える可能性があります。

米国エネルギー情報局(EIA)は、米国における伝統的なエネルギー利用(石油、石炭、ガス)の割合が今後数年間で減少し、2019年には17%、2020年には21%であったソーラー、風力、水力などの自然エネルギーの割合が、2050年には42%になると予測しています。1

しかし、世界経済の機能は依然として石油に大きく依存しており、石油は世界で最も貴重な資源の一つであることに変わりはありません。

石油産業への投資に興味がある場合には、最新のニュースをチェックし、リスク管理戦略を確実に実行することが重要です。

EIA「Annual Energy Outlook 2021」より


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

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