ケルトナーチャネルの使い方をわかりやすく解説

ケルトナーチャネルは、3本のラインで構成されたトレンドフォロー系のテクニカル指標です。この記事では、ケルトナーチャネルとは何か?そして具体的な使い方について説明します。

ケルトナーチャネルとは

ケルトナーチャネルは、チェスター・W・ケルトナー(Chester W. Keltner)氏が開発したテクニカル指標です。ケルトナーチャネルは、ボリンジャーバンドのように3本のラインで構成されています。
株価や為替レートが上限のラインを突破する場合、上昇トレンドが続くシグナルと判断します。このケースでは中間線をサポートラインと想定し、上昇トレンドをフォローする取引を考えます。
逆に株価や為替レートが下限のラインを突破する場合は、下落トレンドが続くシグナルと判断します。このケースでは中間線をレジスタンスラインと想定し、下落トレンドをフォローする取引を考えます。
なお、サポートラインとは相場を下支えするラインのことです。一方、レジスタンスラインとは相場の上値を抑制するラインのことです。

サポートとレジスタンスの水準の詳細についてはこちらをご覧ください

ケルトナーチャネルを構成する3つのラインとは

ケルトナーチャネルを構成している3つのラインについて説明します。
まず、上限と下限の間で推移している『中間線』は、EMA(指数平滑移動平均線)となります。IGチャートでは、20日間がEMAの基本パラメータとなります。
中間線を挟んで上下に展開している2本のラインは、過去の値動きのATR(アベレージ・トゥルー・レンジとなります。株価や為替レートが上限のライン(アッパーバンド)を上抜ける場合は、相場が上昇トレンドにあると判断します。一方、株価や為替レートが下限のライン(ローワーバンド)を下抜ける場合は、相場が下落トレンドにあると判断します。

ケルトナーチャネルの計算方法

次にケルトナーチャネルの計算方法について説明します。

ケルトナーチャネルを計算するためには、最初に指数平滑移動平均線(EMA)を計算する必要があります。EMAは単純な移動平均線(SMA)と違い、直近の価格をより重視した移動平均線となります。また、EMAの計測期間は、20日間で設定するケースが多くみられます。

EMAの計算方法:

  1. SMAを計算する
  2. EMAの加重係数を計算する
  3. 現在のEMAを計算する

EMAを計算するためには、最初にSMAを計算する必要があります。SMAは計測期間の終値を足し、その値を計測期間で割って計算されます。例えば、14日のSMAは14日間のすべての終値の単純合計を14日の期間で割って計算されます。

SMAを計算したら、次は指数を平滑化するための『係数』を計算します。係数を計算するための公式は以下となります。

例えば14日EMAでは、分子の2を分母の(14 + 1)で割ります。その後に100を掛けます。係数は『13.33%』となります。
10日EMAでは、2を(10+1)で割ります。その後に100を掛けます。係数は『18.18%』となります。

係数を計算したら、最後はEMAを計算します。
EMAは以下の公式で計算されます。

例えば今日のポンドドルの終値が1.4560で前期のEMA1.4558とします。係数は18.18%と想定します。
上の条件で当日のEMAを計算すると

となります。

EMAの次は、アッパーバンドとローワーバンドを計算します。
アッパーバンドは、20日EMAのATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)に乗数2を掛けた値を足して計算します。一方、ローワーバンドは、20日EMAのATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)に乗数2を掛けた値を引いて計算します。

ここでは簡単にATRについて説明します。
ATRとはアベレージ・トゥルー・レンジの略で、特定の期間の価格の変動幅(ボラティリティ)を確認するときに使うテクニカル指標です。
ATRを計算するためには、まず以下の式で計算される最も大きい値『トゥルー・レンジ』を計算する必要があります。詳細は上記のリンク先をご覧ください。

  • 当日の高値ー前日の終値
  • 当日の安値ー前日の終値
  • 当日の高値ー当日の安値

ケルトナーチャネルの見方

冒頭で述べたように、ケルトナーチャネルはトレンドフォローのテクニカル指標です。
また、トレンド反転を考える際にも使われます。例えば下のグラフを見ると、上昇トレンドにあった価格が反転したタイミングは、ケルトナーチャネルのアッパーバンドを突破した後です。その後、アッパーバンドだけでなくサポートラインとして意識されるはずの中間線(EMA)も下抜けています。これらの動向は、トレンドが転換したシグナルと判断します。

トレンドの転換を確認したら、次はそのトレンドが加速するかどうか?この点を考えます。トレンドの加速を判断する上で重要なことは、価格とローワーバンドの関係です。価格がローワーバンドを下方にブレイクする場合、下落のトレンドが加速していると判断します。そしてトレンドフォローに従って、売りの戦略を考えます。

ケルトナーチャネルは他のテクニカル指標と合わせて使おう

ケルトナーチャネルを使う際は、相対力指数指数(RSI)ボリンジャーバンドといった他のテクニカル指標と併用しましょう。そうすることで、より正確にトレンドの反転やトレンドの加速に関する情報を得ることができます。

ケルトナーチャネルの注意点

すべてのテクニカル指標に言えることですが、ケルトナーチャネルもマーケットの動向を完全に反映しているわけではありません。このテクニカル指標は、過去の動きに基づいてトレンドの反転、加速、継続についての可能性を示しますが、アッパーバンドを上抜けてもすぐに価格が反転する可能性があります。逆にローワーバンドを下抜けてもすぐに価格が反発する可能性もあります。これらはテクニカル分析の世界で『だまし』と言われています。
だましの可能性を見抜くために必要なことは、上でも述べたとおりケルトナーチャネルと他のテクニカル指標を合わせて使うことです。この方法を用いても完璧にだましを見抜くことは難しいですが、見抜く可能性を高めることはできます。

ケルトナーチャネル vs ボリンジャーバンド

ケルトナーチャネルとボリンジャーバンドには類似性があります。しかし、いくつかの違いもあります。
例えば、ケルトナーチャネルは中間線に『指数移動平均(EMA)』、上下のバンドには『ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)』をそれぞれ採用しています。
一方、ボリンジャーバンドの中間線は『単純移動平均(SMA)』となります。また、上下のバンドの幅は、ある一定期間の平均価格からどれだけ乖離しているのかを示す『標準偏差』を採用しています。

ケルトナーチャネルのバンドはATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)がベースとなっているため、緩やかな曲線を描きます。このため大まかなマーケットのトレンドを把握するのに役立ちます。また、ケルトナーチャネルの中間線として採用されている指数移動平均線(SMA)は他の単純移動平均線と違い、市場の動きにすばやく反応する特徴があります。
その一方で、ケルトナーチャネルにはボリンジャーバンドのように明らかな「スクイーズ(バンドの幅が狭くなりレンジを形成する相場のこと)」や「バウンス(価格が上下どちらかのバンドに到達すると移動平均線へ跳ね返る相場のこと)」といった現象は考えません。

ケルトナーチャネルのまとめ

  • ケルトナーチャネル(Keltner Channel)は、開発者であるチェスター・W・ケルトナー氏の名前にちなんだテクニカル指標である
  • ケルトナーチャネルは過去の動きに基づいてトレンドの反転、加速、継続についての可能性を示す
  • ケルトナーチャネルは3本のラインで構成されている。中間線には指数移動平均(EMA)を採用する。中間線の上下に推移するラインはATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)を採用する
  • ケルトナーチャネルの計測期間(パラメータ)は、20日EMAを採用することが多い
  • 他のテクニカル指標と同じくケルトナーチャネルも完全にマーケットの状況を把握できるわけではない。『だまし』の可能性を見抜くために、他のテクニカル指標と合わせて使う

作成日 : 2021-03-18T02:11:00+0000


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