よく使われる10種類のテクニカルインジケーターを解説
チャート分析を好むトレーダーであれば、テクニカル分析指標-いわゆるテクニカルインジケーターを使ってマーケットの分析をするでしょう。テクニカルインジケーターによる分析手法を『テクニカル分析』といいます。ここでは、多くの投資家が使っている10種類のテクニカルインジケーターを解説します。
テクニカルインジケーターとは?
多くのトレーダーはFX取引、商品CFD、あるいは株CFDを取引するとき、テクニカル分析でマーケットの状況やトレンドを予測しようとします。
テクニカル分析をする前に、テクニカルインジケーターの計算方法や特徴、そしてどのような局面で使うのが適切なのか、といった基本的な知識を学ぶ必要があります。
先行指標と遅行指標
テクニカルインジケーターには、主に先行指標と遅行指標があります。先行指標は将来の動きを予測するときに使われます。一方、遅行指標は過去のトレンドからマーケットの勢いを分析するときに使われます。
おすすめインジケーター10種類
- 移動平均線(MA)
- 指数平滑移動平均線(EMA)
- ストキャスティクス・オシレーター
- 移動平均収束拡散法(MACD)
- ボリンジャーバンド
- 相対力指数(RSI)
- フィボナッチ・リトレースメント
- 一目均衡表
- 標準偏差
- 平均方向性指数
これら10種類のテクニカルインジケーターには、それぞれ使い方や特徴があります。お客様の取引スタイルや戦略に合わせて使い分けることをおすすめします。
移動平均線(MA)
移動平均線(MA)または単純移動平均線(SMA)は、多くのトレーダーに使われているテクニカルインジケーターです。MAは、ある一定期間の価格から平均値を算出して、チャート上に折れ線で表示されます。
例えば、200日MAを算出するときは、200日分のデータの平均値を計算します。MAを使うことで、支持線と抵抗線の水準や過去の相場の動きを確認することができます。そして、期間の異なるMAの水準を比べることで、トレンドを予測するトレーダーもいます。
指数平滑移動平均線(EMA)
EMAは他のテクニカルインジケーターと組み合わせることで、相場の状況やトレンドをより正確に把握することができます。
EMAは期間を設定する必要があります。12日、26日50日そして200日で設定するパターンが見られます。
ストキャスティクス
ストキャスティクスは、現在の相場が『買われすぎ』なのか『売られすぎ』なのかを分析するときに使われるテクニカルインジケーターです。多くの投資家が使うオシレーター系指標です。
ストキャスティクスの数値は、0から100までの範囲で動きます。見方はトレーダーによって異なりますが、一般的には数値が20以下の場合は『売られすぎ』と判断します。一方、80以上の場合は『買われすぎ』と判断します。しかし、実際の相場がこれらの数値を超える状況となっても、トレンドが転換するとは限りません。これはストキャスティクスに限らず、すべてのオシレーター系指標に言えることです。
移動平均収束拡散法(MACD)
移動平均収束拡散法(MACD)は、MACDラインとシグナルラインを比較することで、相場の勢いを分析するテクニカルインジケーターです。
MACDラインがシグナルラインを上抜ける場合は、買いのシグナルと判断します。また、MACDラインが0パーセントの水準を上回る場合も買いのシグナルと判断します。
一方、MACDラインがシグナルラインを下抜ける場合は、売りのシグナルと判断します。また、MACDラインが0パーセントの水準を下回る場合もうりのシグナルと判断します。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、ボラティリティの動向を分析するときに使用されるテクニカルインジケーターです。この指標はバンドの上限(アッパーバンド)、バンドの下限(ローワーバンド)、移動平均線で構成されています。バンドの幅はマーケットのボラティリティによって拡大したり縮小したりします。バンドの幅が縮小するほど、ボラティリティは低いと判断します。逆にバンドの幅が広ければ広いほど、ボラティリティは高いと判断します。
価格がアッパーバンド以上の水準へ上昇する場合、その銘柄は買われすぎの可能性を示していると考えます。逆に価格がローワーバンドを下回る場合は、その銘柄は売られすぎている可能性を示していると考えます。
相対力指数(RSI)
RSIは、『買われすぎ』や『売られ過ぎ』を判断するテクニカルインジケーターです。RSIの数値は、0~100のレンジで推移します。見方はトレーダーによって違いますが、一般的にはRSIの数値が70付近まで上昇する場合、買われすぎと判断します。逆にRSIの数値が30付近まで低下する場合、売られ過ぎと判断します。
RSIが買われ過ぎの水準まで上昇する場合、上昇トレンドから下落トレンドへ転換する可能性を示していると考えます。一方、RSIが売られ過ぎの水準まで低下する場合、下落トレンドから上昇トレンドへ転換する可能性を示していると考えます。
フィボナッチ・リトレースメント
フィボナッチ・リトレースメントは、価格の戻りの水準を分析するためのテクニカルインジケーターです。具体的には、ある一定期間の高安を設定し、高値から何パーセント、安値から何パーセント戻るのか?を予測するときに使われます。
主に38.20%、50.00%そして61.80%が重要な戻りの水準となります。これらの水準は相場をサポートするポイント、もしくは相場の上値を抑制するレジスタンスのポイントになる可能性があります。
一目均衡表
一目均衡表は、相場をサポートする水準や上昇を抑制する水準を分析するために使われるテクニカルインジケーターです。一目均衡表は転換線、基準線、2本の先行スパンそして遅行スパンで構成されています。また、2本の先行スパンの間を雲と言います。
基準線と転換線の関係や遅行線の水準で、トレンドを予測するトレーダーもいます。
標準偏差
標準偏差は、マーケット全体の状況を分析ときに使われるテクニカルインジケーターです。標準偏差が上昇の局面にある場合、マーケットは上下に振れやすい不安定な状況にあることを示しています。逆に標準偏差が低下の局面にある場合、マーケットが落ち着いた状況にあることを示しています。
標準偏差は過去の動きが重要となります。以下の例を見てみましょう。
例:
過去20年間のS&P500指数の標準偏差の動向を確認すると、標準偏差が20%前後まで低下した後に上昇するパターンが見られます。今後、S&P500指数の標準偏差が20%に近い水準まで低下する場合、上下どちらかに大きく動く可能性があります。
平均方向性指数(ADX)
平均方向性指数(ADX)は、価格の変動幅を指数化して、トレンドの方向性やその強さを分析するために使われるテクニカルインジケーターです。ADXは、0から100までのレンジで推移します。多くのトレーダーはパラメーターを14日間で設定します。ADXの値が25以上の場合は『強いトレンド』と判断します。逆にADXの値が25未満では『弱いトレンド』と判断します。このようにADXはトレンドの強弱を判断するためのテクニカルインジケーターであり、トレンドを予測する目的で使われることはありません。
テクニカルインジケーターを使うときの重要なポイント
テクニカルインジケーターを使って相場を分析するときに重要なポイントがいくつかあります。
一番重要なことは、ひとつのテクニカルインジケーターで相場を分析しようとしたり、一度に多くのテクニカルインジケーターを使ったりしないことです。
次に重要なことはご自身の取引プランを設定し、そのプランに合うテクニカルインジケーターを選択することです。
実際にテクニカルインジケーターを使うときは、短期、中期、長期と期間を分けて分析することをおすすめします。
実際にお取引をする前に、テクニカルインジケーターを使ってみたい方は、IG証券のデモアカウントをご利用ください。IG証券でお取引をご希望される方はライブアカウントを開設してください。
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