ストキャスティクス・インジケーターとは?計算方法や使い方を解説

ストキャスティクス・インジケーター(以下ではストキャスティクスと表記)は、一定の期間で直近の価格が相対的に「買われすぎ」なのか?それとも「売られすぎ」なのか?を判別するために開発されたテクニカル指標のひとつです。 ここでは、ストキャスティクスとは何か?そして押さえておくべきポイントについて解説します。

ストキャスティクスとは?

ストキャスティクスとは、一定の期間で直近の価格が相対的に「買われすぎ」なのか?それとも「売られすぎ」なのか?を判別するために開発されたテクニカル指標のひとつです。このような指標をテクニカル分析の用語では「オシレーター系」と呼んでいます。ストキャスティクス以外の代表的なオシレーター系の指標として「RSI」があります。

ストキャスティクスは価格や出来高を追うのではなく、マーケットのスピードやモメンタムを追う点に特徴があります。

ストキャスティクスは、1950年代後半にジョージ・C・レーン氏によって開発されました。この指標は、マーケットのモメンタムは、出来高や価格の上昇よりもはるかに早く方向転換するという彼の理論が土台となっています。そのためストキャスティクスは先行指標と考えられており、値動きを予測するために用いられます。

ストキャスティクスの計算方法

ストキャスティクスはインジケーターライン(%K)とシグナルライン(%D)という二本の線で構成されています。

インジケーターライン(%K)は、直近の終値から期間中の最安値を引いた値と期間中の最高値から最安値を差し引いた値を割ります。その後100を掛けて計算します。
式にすると以下のようになります。

シグナルライン(%D)は、インジケーターライン(%K)の3日間の単純移動平均線(SMA)となります。

また、ストキャスティクスのラインは、通常14日の期間でプロットされます。

下のチャートを見ると、14日間の安値は50ドル、高値は80ドルです。そして直近の株価は78ドルと、期間中の高値付近で引けました。したがって、インジケーターライン(%K)は次のように計算されることになります。
・計算式:[(78-50)/(80-50) x 100] = 93.3%

計算された数値は、終値が14日間の取引レンジの頂点に近い位置にあることを示しています。これが何を意味するのかについては、後ほど説明します。

ストキャスティクスの使い方

ストキャスティクスを使用するために、まずは上で計算された数値が何を示しているのかを正確に理解することが必要です。

ストキャスティクスの数値は、0%から100%の範囲内(レンジ)で推移します。このレンジは、14日間の取引幅全体を表します。上の計算式で算出された値は、直近の終値がレンジ内のどの水準に位置するのかを示しています。これにより、「買われすぎ」や「売られすぎ」のシグナルを簡単に判別することができます。価格の変動の速さや、出来高の量に関わらず、ストキャスティクスの数値は常にこの範囲で推移します。

数値が80%を超える場合は「買われすぎ」と判断します。一方、数値が20%を下回る場合は「売られすぎ」と判断します。

引き続き上の例で考えてみましょう。
93.3%という数値は、14日の期間中で考えると、明らかに買われ過ぎていると判断できます。ストキャスティクスの理論に従えば、相場の反落が差し迫っているシグナルとして捉えることができます。特に数値が90以上の場合は、反落のリスクが極めて高いと判断できます。そのように考える投資家は保有するポジションの売り決済を考えます。または売り建てを仕掛ける投資家もいます。

すでに説明したとおり、ストキャスティクスはインジケーターライン(%K、下のチャートの黒い線)とシグナルライン(%D、下のチャートの赤い点線)の二本の線で構成されています。この2本の線が交差する時、トレンドの転換が近づいているサインとなります。
インジケーターライン(%K)がシグナルライン(%D)よりも上昇しても、数値が80%を超えていない限り、買いのシグナルとなります。一方、インジケーターライン(%K)がシグナルライン(%D)より下回っても数値が20%以下にならない限り、売りシグナルとみなされます。

ブル(強気)とベア(弱気)の乖離

ここでは、ストキャスティクスの一般的な見方を説明します。
ストキャスティクスは、ブル(強気)とベア(弱気)の乖離、具体的にはストキャスティクスのトレンドと実際の価格のトレンドが異なっているかどうかを見ます。このシグナルが点灯する場合、相場の反転もしくは反落が差し迫っていると考えます。
ブル(強気)の乖離とは、価格が安値を更新する一方、ストキャスティクスの水準が切り上がる現象のことをいいます。これは、下落のモメンタムが弱く、相場がブル(強気)へ転換する可能性を示していると考えます。
一方、ベア(弱気)の乖離とは、価格が高値を更新する一方、ストキャスティクスの高値が切り下がっている現象のことをいいます。これは、上昇のモメンタムが弱くなり、先々相場がベア(弱気)へ転じる可能性を示していると考えます。

ストキャスティクスは先行指標として多くの投資家が使用するオシレーター系指標のひとつです。しかし、「買われすぎ」や「売られすぎ」を示す数値は、相場の反落や反転を完璧に示すわけではありません。ストキャスティクスが「買われすぎ」のシグナルを発しても市場での買い圧力が根強ければ、実際の相場は上昇トレンドを維持する可能性があります。これは、マーケットのバブル期によく見られる現象です。バブル期には投機的な取引が増加し、株価が一貫して高値を更新する特徴があります。

よって、ストキャスティクスを使用する際は、他のテクニカル指標も併用して、色々な観点から相場を見ることが重要です。

ブル(強気)/ ベア(弱気)セットアップ

ストキャスティクスを考案したジョージ・レーン氏によれば、ストキャスティクスと実際の価格との乖離は、トレンドの予測に役立つといいます。レーン氏は、ストキャスティクスによる予測の手法をブル(強気)セットアップまたはベア(弱気)セットアップと呼んでいます。
ブル(強気)セットアップとは、価格が安値を更新する一方、ストキャスティクスの安値が切り上がっている状態をいいます。ブルセットアップは、将来価格が上昇へ転じるシグナルと捉えます。

一方、ベア(弱気)セットアップとは、価格が高値を更新する一方、ストキャスティクスの高値が切り下がっている状態をいいます。ベアセットアップは、将来価格が下落へ転じるシグナルと捉えます。

ストキャスティクス vs RSI(相対力指数)

ストキャスティクスとRSI(相対力指数)は、どちらもオシレーター系のテクニカル指標であり、「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を判断するために使用されます。

これら2つの指標の使われ方は同じですが、異なる理論に基づき価格の動向を判別します。ストキャスティクスは、上でも述べたように期間中の高値、安値そして直近の終値を用いて相場の過熱感を判別します。

一方RSIは、トレンドの速度を追跡するという特徴があります。

どちらの指標も0%から100%の範囲で推移します。しかしシグナルが異なります。RSIでは、数値が70%以上の水準に達した場合に、「買われ過ぎ」のシグナルと捉えます。一方、ストキャスティクスでは80%以上の水準を「買われすぎ」のシグナルとして捉えるのが一般的です。
またRSIでは、30%以下で「売られすぎ」と判断しますが、ストキャスティクスでは20%以下で「売られすぎ」と判断します。

ストキャスティクスのまとめ

ストキャスティクスをどのように使用するかは、個人的な好み、取引スタイル、達成したい目標により異なります。しかし、ストキャスティクスを使うトレーダーなら誰もが知っておくべきポイントがありますので、ここでおさらいしましょう。

  • ストキャスティクスは、過去の一定期間における直近の終値の相対的な比較を行うモメンタム指標です。
  • ストキャスティクスは先行指標です。トレンドが変化するのは、出来高や価格よりも速いという考えに基づいています。
  • ストキャスティクスはインジケータライン(%K)とシグナルライン(%D)という二本の線で構成されています。
  • ストキャスティクスは0%から100%までの範囲で推移します。数値が80%以上の場合は「買われすぎ」と判断します。一方、20%以下の場合は「売られすぎ」と判断します。
  • 実際の価格とストキャスティクスのトレンドが乖離する場合、将来トレンドが転換するシグナルと捉えます。
  • トレンドの乖離にはブル(強気)とベア(弱気)のセットアップがあります。詳細については上で述べた「ブル(強気)/ ベア(弱気)セットアップ」をご覧ください。
  • RSIというストキャスティクスに似たテクニカル指標があります。ストキャスティクスとは違いRSIは過去の価格ではなく、価格の変動の速さが基準となります。

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