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原油価格、急騰加速 WTIが115ドル台 イラン戦争激化見通し強まる

WTI(5月渡し)は6日朝に急騰。トランプ氏が7日にイランへの攻撃を激化させると予告したことが材料視された。今後も波乱が想定される。

原油価格、急騰加速 WTIが115ドル台 イラン戦争激化見通し強まる 出所:Adobe Images

原油価格の急騰が加速した。原油先物市場の指標価格であるWTI(5月渡し)は日本時間6日朝の取引で一時、1バレル=115ドル台を記録。イランでの戦争開始後の高値にあたる119ドル台に再接近してきた。アメリカのドナルド・トランプ大統領は7日にイランの発電所などへの攻撃を行う可能性を示唆しており、戦争の激化が石油の重要通商ルートであるホルムズ海峡の封鎖解消を遠のかせるとの懸念が強まっている。一方、ホルムズ海峡をめぐっては、イランがイラクの船舶の通過を認めるなど、封鎖に例外扱いも出ているもよう。WTIの値動きからはホルムズ海峡の封鎖が秋には解消されるとの期待も感じられる。ただ、中東の産油国からはイラン戦争の激化は原油価格の急変動を招くとの懸念が示されており、WTIは今後も波乱含みの値動きが続きそうだ。

WTIは一時115.48ドル 急騰が加速

WTI(5月渡し、WTI原油)は日本時間6日午前11時4分段階で1バレル=111.92ドルで取引されている。ブルームバーグによると、午前7時9分には115.48ドルまで値上がりし、3月9日の高値(119.48ドル)へと向かう値動きもあった。WTIはニューヨーク市場の3連休前にあたる2日の終値で前日比11.41%高となっており、6日も急騰が加速した形だ。

WTIの推移と主な出来事のグラフ

トランプ氏が7日のイラン発電所への攻撃を示唆 6日午後1時から記者会見

原油価格の先高観を強めたのはトランプ氏の週末の情報発信だ。トランプ氏は米国東部時間5日午前8時台に自身のSNSトゥルースソーシャルに、火曜日(7日)はイランの発電所と橋にとっての記念日になるだろうと投稿。イランは「地獄」と化すとした。午後12時台には「火曜日午後8時。米国東部時間!」とも投稿している。トランプ氏が3月26日の投稿で示していた、イランの発電所などへの攻撃を猶予するための交渉期限である「米国東部時間4月6日午後8時」からは1日後ずれしたものの、改めて強硬姿勢を示した形だ。

また、トランプ氏は5日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)との8分間のインタビューでは、イランがホルムズ海峡封鎖を解除しないのであれば「イランはすべての発電所を失う」と述べている。ホワイトハウスによると、トランプ氏は米国東部時間6日午後1時に記者会見を行う予定だ。

イランのホルムズ海峡封鎖に軟化の兆しも 秋までの封鎖解除に期待

一方、ホルムズ海峡の封鎖をめぐるイランの態度には軟化の姿勢も感じられる。イランのタスニム通信のSNSのXのアカウントによると、イランは4日、イラクをホルムズ海峡に関する規制の例外扱いにすると発表した。規制は「敵国」のみを対象にしたものだと説明しているという。また、ブルームバーグは日本時間6日朝、イランの準国営ファルス通信を引用する形で、直近の24時間で15隻の船舶がイランの許可を得てホルムズ海峡を通過したと報じた。ファルス通信は、ホルムズ海峡を通過する船舶の数は、イスラエルと米国によるイラン攻撃前と比べて90%少なくなっていると分析しているという。

こうした中、原油価格の先高観には落ち着きも感じられる。WTIの価格を受け渡し期日別にみると、5月渡しが前日比11%超の値上がりをみせた2日の取引では、10月渡しの価格は1.34%高に留まっている。イランの外務省高官はロシアメディアとのインタビューで、戦争終結後、イランとオマーンが協調してホルムズ海峡の航行の安全を確保する方策を検討していると述べており、原油先物市場には秋までにはホルムズ海峡の封鎖が解消されるとの期待があるようだ。

WTIの期日別の価格の推移のグラフ

OPECプラスの増産表明もWTI下落には至らず 価格変動急変のリスクが継続

ただ、WTIの5月渡しの急騰は、投資家が短期的には原油価格の上昇を見込んでいることを意味する。トランプ氏が予告通りにイランへの攻撃を激化させ、ホルムズ海峡を通じた原油輸出の回復が遠のくとの懸念が強まっているといえそうだ。サウジアラビアやロシアなどOPECプラス内の8か国は5日、5月の日量ベースの生産量を前月比20.6万バレル引き上げるとしたが、原油価格の安定を目指す姿勢を示すだけの象徴的な増産表明とみなされ、WTIの下落にはつながらなかった。

OPECプラス内8か国の生産量の推移のグラフ

OPECプラスの合同閣僚監視委員会(JMMC)は5日の会合後の声明文で、イラン戦争で被害を受けたエネルギー関連設備の修復にはコストがかさむと同時に長い時間がかかるとして「全体的な供給能力に影響を与える」と指摘。インフラへの攻撃であっても国際航路の封鎖であってもエネルギー供給の安定を脅かす行為は「市場価格の変動を大きくする」結果を招くと警告した。WTIの今後の見通しをめぐっては、上昇がさらに加速する展開も考えられそうだ。


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