ドル円(USD/JPY)見通し:158円が射程に、日米財務相 為替政策で連携確認 米PPI警戒
円安再燃のムード。ドル円は政府・日銀の為替介入後も底堅さを維持し、重要水準158円を視野にじわり上昇。日米は為替政策の連携を確認。4月PPIが米ドル高の要因となれば158円の突破が予想される。上昇加速の局面では、介入絡みの突発的な円高も警戒する必要があろう。
要点
- 政府・日銀の為替介入を受けてもドル円(USD/JPY)は底堅さを維持し、再び短期サポートラインを形成。重要水準158.00円が射程に入る
- ベッセント米財務長官と片山財務相は為替動向を巡る連携を確認した。円安再燃ならば、市場の警戒も含めた介入絡みの突発的な円高リスクが高まろう
- ドル円は158.00円の攻防が焦点に。今日発表の4月米PPIが上振れ、米ドル高と円安が重なれば158.00円突破→158円ミドルのトライが予想される。同時に為替介入絡みの突発的な円高(急反落)を警戒する必要もあろう
ドル円じわり上昇、重要水準158.00円が射程に
ドル円(USD/JPY)のトレンドを1時間足チャートで確認すると、再び短期サポートラインを形成し、じわりと上昇ムードが高まっている。注目は158.00円の攻防だ。この水準は6日急落時の高値水準であり、この急落は政府・日銀の為替介入によるものとの報道がある。
日銀が7日公表した当座預金残高の見通しでは、為替介入の動向を示す「財政等要因」の減少額が4兆5100億円だった。市場の事前予測は横ばい(ゼロ)から5000億円程度の増加で、5月1日と4日の下落も為替介入によるものならば、この差額から5月1〜6日の介入規模は4〜5兆円程度と推計される。実際の規模は財務省が5月29日に公表する。
ポイントは、1日と4日の急落局面を経てもなお短期サポートラインが形成され上昇したことだ。現在、同じトレンドが再燃している。158.00円は単なるレジスタンス水準ではない。5月1日・4日・6日と、この水準に接近するたびに急落が発生しており、政府・日銀の介入警戒ラインとして市場に強く意識されやすい状況にある。
ドル円 1時間足チャート:4月下旬以降
TradingView提供のチャート
日米、為替政策で連携確認 円安再燃と急反落を警戒
問題は、円安がドル円(USD/JPY)の上昇を支えている状況にある。政府・日銀は4月30日、推計5兆円規模の円買い・米ドル売り介入に踏み切ったが、5月以降の対主要通貨(G10通貨)のパフォーマンスを確認すると、カナダドル以外で円安に振れている。対米ドルでも再び円安ムードが高まっている(赤ライン参照)。
為替介入が警戒される中で円安が進むほど、次の介入リスクもまた積み上がる。158.00円を前にした攻防は、円安と介入リスクが交錯する神経戦の様相を呈することが予想される。
円相場の動向:5月1日~12日
ブルームバーグの為替データを基に作成
片山さつき財務相は12日、ベッセント米財務長官と都内で会談し、為替市場の動向を巡る日米の連携を確認した。片山氏は会談後の記者会見で「足元の為替動向について日米でよく連携できていることを確認した」と述べた。ベッセント氏もXで「為替市場での望ましくない過度な変動への対応において、日米当局間では常に強固な連携を維持している※」と投稿し、日米連携の継続を確認した。両国は2025年9月の日米財務相共同声明——投機などによる「無秩序な動き」への対応として介入を容認しうると規定した枠組みに沿って行動していることを改めて確認したかたちだ。
※ベッセント米財務長官 X原文投稿
「The level of communication and coordination between our teams in addressing undesirable, excess volatility in currency markets continues to be constant and robust.」
日米の連携が確認される中で円安が再燃する局面では、市場参加者の介入警戒も再び高まりやすい。5月1日・4日・6日と158.00円に接近するたびに突発的な円高が発生してきた経緯がある。円安が進むほど次の介入リスクも積み上がる構図であり、5月連休中のような急反落には引き続き警戒が必要だ。
強まる米インフレ再燃の懸念、今日の焦点は米PPI
米ドルの動向も注視する必要がある。米労働省が12日発表した4月の消費者物価指数(CPI)では総合の前年同月比の伸びが+3.8%と、前月+3.3%からインフレが加速した。ガソリン価格の他、食品、家賃そして航空券などが押し上げ要因となった。コア指数でも前月比+0.4%(前月+0.2%)、前年同月比+2.8%(前月+2.6%)とインフレ加速が示された。
インフレ再燃の懸念が強まり、翌日物金利スワップ(OIS)市場では年内利下げ見送りの観測が急浮上するだけでなく、来年の利上げの可能性を早くも意識する状況に転じている。インフレ再燃の懸念と米利下げ観測の後退を受け、米債市場では金利に上昇圧力が高まっている。これら市場動向は米ドルを支えた。
米政策金利の見通し
ブルームバーグのデータで作成 / 5月13日 午前9時点
今日は4月の米生産者物価指数(PPI)が発表される。CPIに続きPPIでもインフレ懸念を強める内容となれば、米ドル高の進行が予想される。円安再燃に米ドル高が重なれば、ドル円は前述の重要水準158.00円を突破する展開が予想される。
米生産者物価指数(PPI)の動向:過去1年間
ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフ・ドット:4月の市場予想(5月13日時点)
ドル円のテクニカル分析、158円突破も、介入絡みの円高警戒
ドル円(USD/JPY)の1時間足チャートでトレンドを確認すると、前述の通り短期サポートラインを再び形成し、警戒水準の158.00円が射程に入る。157.00円がサポート転換し、89日線を上方ブレイクした状況もまた、テクニカル面での上値トライを意識させる。日足チャートの半値戻し157.88円の突破は158.00円をトライするサインとなろう。
本日の4月米PPIも市場予想を上振れすれば米ドル高も重なり、158.00円の突破が予想される。このケースでは、10日のIG為替レポートで取り上げた21日線とフィボナッチ・リトレースメント61.8%のトライが焦点に浮上しよう。
注目の水準:レジスタンス
・158.55:61.8%戻し
・158.23:21日線
・158.00:10日IG為替レポートの上限予想
・157.88:半値戻し
4月米PPIが予想外に下振れ米ドル安の要因となれば、89日線と157.00のサポート転換が焦点となろう。
警戒すべきは、市場の警戒も含めた為替介入絡みの突発的な円高だ。円安再燃でドル円が158.00円を一気に上方ブレイクする場合は、急反落(円高)のリスクを高める。介入絡みと思われる円の急伸が発生する場合は、155円台までの下落を想定しておきたい。156円台の攻防では、半値戻し156.50レベルと節目水準156.00円の攻防に注目したい。
注目の水準:サポート
・157.45:89日線
・157.00:サポート転換の水準
・156.50:半値戻し
・156.00:節目水準
・155.50:61.8%戻し
・155.00:5月6日の急落を止めた水準
【再掲】ドル円 1時間足チャート:4月下旬以降
TradingView提供のチャート
ドル円 日足チャート:2月以降
TradingView提供のチャート
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