ドル円 週間見通し (8/11週):146.00~149.40予想、米インフレ指標に注目、上振れ警戒
ドル円の週間展望。今週も米ドル安と円安の交錯を想定。米インフレ指標に注目。予想外に上振れる場合は、突発的な米ドル買いの要因に。注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

要点
・米FRBの“連続”利下げ期待を受け、再び米ドル安優勢の状況にある
・今週も米ドル安と円安が交錯する展開を想定したい
・米CPIとPPIに注目、予想外の上振れは米ドル買いの要因に
・ドル円の週間予想レンジは146.00~149.40
"連続"利下げの期待で再び米ドル安優勢の状況に
8月に入り外為市場では、再び米ドル安優勢の状況へ転じている。この主因は、米連邦準備制度理事会(FRB)による”連続”利下げの期待が高まっていることにあると筆者は考えている。
米ドル相場の変動率:月初来

ブルームバーグのデータで作成
8月に入り、米国の景気懸念を意識させる経済指標が続いている。短期金融市場では、FRBがインフレよりも景気減速の対応に舵を切ることを予想し、9月以降の米連邦公開市場委員会(FOMC)で“連続”利下げに踏み切る可能性を意識する状況にある。
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FRBの人事を巡る報道も利下げ期待を高める要因となっている。7月のFOMCで利下げ支持に回ったウォラー理事は、次期FRB議長の候補の一人に挙がっているとの報道がある。また、トランプ米大統領は7日、自身の立場に近いスティーブン・ミラン大統領経済諮問委員会(CEA)委員長をFRB理事に指名すると発表した。
FRB高官の発言も注視したい。ウォラー理事と同じく7月のFOMCで利下げを支持したボウマン副議長(金融監督担当)は9日、直近に発表された弱い労働市場のデータに言及し、年内に3回の利下げを実施すべきとの見解を示した。今週はFRB高官の講演がいくつか予定されている。インフレ、雇用そして金融政策に言及がある場合、それらが利下げ期待を高める内容ならば、米ドル安継続の要因となろう。
米インフレ指標に注目、上振れはドル買い戻しの要因に
外為市場では、米ドル安優勢のトレンドが続いている。しかし、今週の米インフレ指標が予想外に上振れる場合は、突発的な米ドルの買い戻しを警戒したい。
12日に7月消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想によれば、インフレの粘着性を示す可能性がある。14日に発表される生産者物価指数(PPI)も総じて前月からインフレが加速する見通しにある。インフレ指標の上振れは、前述した“連続”利下げ期待の後退要因となろう。利下げ期待の後退は、米ドルの買い戻し要因となることが予想される。
米消費者物価指数(CPI)の推移:過去1年間

ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフ・ドット:7月予想、8月11日時点
米生産者物価指数(PPI)の推移:過去1年間

ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフ・ドット:7月予想、8月11日時点
ドル円の週間見通しとテクニカル分析
週間予想レンジの上限:149.40
ドル円(USD/JPY)も日足トレンドチャネルを確認すると、4月下旬以降、下落から上昇のトレンドへ転じていることが分かる。しかし現在は、146.70~147.90ゾーンで売り買いが交錯している(1時間足チャートを参照)。主因は米ドル安と円安が交錯していることにある。今週もこの攻防が続くことが予想される。
今週の予想レンジ上限を149.40レベルと想定したい。この水準は、IG為替レポートで注目している現時点での今年高安の半値戻しにあたる。また現在は、200日線が推移している。2つの重要なテクニカルラインが重なる149.40レベルは、強固な上値抵抗線となる可能性がある。
ドル円が149.40レベルをトライするサインとして、まずは今月以降、レジスタンスラインとして意識されている147.90レベルの攻防に注目したい。このラインを突破すれば、148円以上の攻防を想定したい。このケースでは、以下にまとめた2つのフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。今週、米ドル買いの要因として注目したいのが、前述した7月のインフレ指標である。
レジスタンスライン
・149.40:週間予想レンジの上限(日足)
・149.27:61.8%戻し(1時間足)
・148.76:半値戻し(1時間足)
・147.90:レジスタンスライン(1時間足)
週間予想レンジの下限:146.00
今週の米インフレ指標が市場予想を下回る場合は、「米利下げ期待→米ドル安」の展開が予想される。米ドル安を受けドル円(USD/JPY)が下値を目指す場合は、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい
今週の予想レンジ下限は146.00レベルを想定したい。7月以降、サポートラインへ転換している水準である。また現在は、50日線が146.10台まで上昇している。テクニカルの面でも146.00レベルは重要なサポートラインとして意識される可能性がある。
ドル円が146.00レベルを目指すサインとして、まずは先週サポートラインとして相場を支えた146.70レベルの攻防に注目したい(1時間足チャートを参照)。147.00の下方ブレイクは、146.70をトライするサインと捉えたい。
サポートライン
・147.00:サポートライン(1時間足)
・146.70:サポートライン(1時間足)
・146.12:50日線(日足)
・146.00:週間予想レンジの下限(日足)
ドル円のチャート:日足 昨年12月以降

出典:TradingView
ドル円のチャート:1時間足 7月31日以降

出典:TradingView
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