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ドル円 週間見通し(11/10週):高値圏でレンジ取引か、152円~155円の攻防

ドル円の週間展望。今週は高値圏でのレンジ相場を想定。注目のチャート水準をIG証券のアナリストが詳細解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • 11月に入り「高市トレード」の円安と米ドル高がともに一服。今週のドル円は高値圏でのレンジ相場を予想する。円高の余地は限定的と見るが、米ドルは調整売りをこなしながら底堅さを維持する見通し
  • 注意すべきは円安加速の局面である。過度な円安は政治的な問題として捉えられ、突発的な円高の要因となり得る
  • 今週の想定レンジは152.00-155.00。下限の152.00は半値戻しの水準と重なる。円安主導で上限155.00を突破する場合は、政府・日銀からのけん制発言に要警戒


「高市トレード」の円安一服

10月4日の自民党総裁選で高市早苗氏が勝利すると、積極財政への期待と日銀利上げ観測の後退から、円は主要通貨に対して全面安となった。「高市トレード」の円安が10月の円相場を主導した。

円相場の動向:10月6日~31日

円相場の動向:10月6日~31日

ブルームバーグの為替データを基に作成

しかし、11月に入りその円安が一服している。先週の日米株式は調整売りに直面した。株安がリスク回避の円買いを促した側面もあるが、筆者は円安が政治問題になりつつある状況に注目している。

円相場の動向:11月3日~7日

円相場の動向:11月3日~7日

ベッセント米財務長官は10月29日、日本政府が日本銀行による政策の裁量を認める姿勢は、インフレ期待の定着と過度な為替レートの変動を回避する上で重要とXに投稿した。一方、片山さつき財務相は同月31日、閣議後の記者会見で、足元の為替には一方的な動きが見られており、ファンダメンタルズを反映した安定的な推移が重要であると述べた。また、政府として為替市場における過度な変動や無秩序な動きについて高い緊張感をもって見極めるとした。

両氏が為替について言及してきたことは、重要な「政治のシグナル」と筆者は捉えている。今週以降、再び円安が加速する場合は、政治サイドからの突発的なけん制発言を警戒したい。


米ドルの買い戻しも一服

円安と同時に、米ドルの買い戻しも一服している。米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は3回の米ドル安局面を経て、反発基調へ転じている。

先週は、200日線をトライする局面が見られた(下のチャート、緑矢印を参照)。この移動平均線がレジスタンスラインとして意識され、6日と7日に連日で陰線引けとなった。しかし、9月下旬から続く米ドルの買い戻しは、ドル指数のトレンドが転換しつつあることを示唆している。

「高市トレード」の円安、ユーロとポンドの下落、米利下げの不透明感そして米中懸念の後退が重なったことで、現在のトレンドが形成されたと筆者は考えている。

ドル指数の日足チャート:2025年3月以降

ドル指数の日足チャート:2025年3月以降

TradingView提供のチャート

経済指標延期なら米ドルは反発維持か

前述の米ドル高要因の中で、目先注目したいのが短期の変動要因である利下げの見通しである。

市場参加者の利下げ見通しは経済指標に左右されよう。米再就職支援会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによる労働市場調査が雇用の減速を示したことを受け、6日の米債市場で金利が低下。米金利の低下は米ドル安を促した。

今週は10月消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の発表が予定されている。いずれもインフレの抑制を示す内容となれば、米ドル安の要因になり得る。しかし、政府機関の閉鎖が最長を更新し続けている。米ブルームバーグは、上院共和党トップのスーン院内総務が事態打開に向けた合意が「まとまりつつある」と述べたと報じたが、民主党が応じるかどうかは不透明である。経済指標の発表が延期される場合、米ドルは調整売りをこなしながら反発基調を維持する公算が大きい。

9月下旬以降、ドル指数は21日線でサポートされる状況が見られる(上の日足チャートを参照)。今週米ドル安へ振れる局面では、この移動平均線の維持が焦点となろう。21日線の維持は、地合いの強さを市場参加者に印象付けるだろう。


ドル円の週間展望とチャート分析

今週の展望
米ドル高は一服ムードにある。しかし、目下のところ米ドル安へ回帰する材料は見当たらない。円安にも一服感が見られる。しかし、高市首相の政策姿勢と日銀の利上げ見通しに不透明感が漂う状況を考えるならば円高トレンドへ転じる可能性は低い。これらの状況を踏まえ、今週のドル円(USD/JPY)は高値圏でのレンジ相場を予想する。

予想レンジの上限:155.00
ドル円(USD/JPY)の上昇局面では、以下にまとめた上値水準の攻防に注目したい。焦点は、先週4日の高値水準154.48レベルの攻防となろう。この水準を突破する場合は、次の節目水準155.00が視野に入る。このラインを今週の上限と想定したい。

ドル円が154.48レベルを目指すサインとして、30分足のフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。いずれの水準もレジスタンスラインに転換する可能性がある。76.4%戻しを突破すれば154円台の攻防を意識したい。全戻しの水準154.35の上方ブレイクは、154.48をトライするサインとなろう。

なお、円安主導で155円を突破する場合は、政治的な円安のけん制と突発的な円高を警戒したい。

今週の上値水準
・155.00:予想レンジの上限(日足)
・154.48:11月4日高値(日足)
・154.35:全戻し(30分足)
・154.00:76.4%戻し(30分足)
・153.76:61.8%戻し(30分足)
・153.58:半値戻し(30分足)

予想レンジの下限:152.00
日足のMACDはデッドクロスに転じ、強気地合いが後退しつつある状況を示唆している。今週、ドル円(USD/JPY)が下値を試す局面では、以下にまとめた水準の攻防に注目したい。

最初の焦点は、先週5日以降、ドル円をサポートする場面が見られる153.00レベルの攻防となろう(30分足、青矢印を参照)。直下の152.80レベルは、二度ドル円をサポートした経緯がある。152.80-153.00をサポートゾーンと想定したい。

ドル円が152.80レベルを下方ブレイクする場合、次の焦点は152.50台に上昇している21日線、そして9月安値と11月4日高値のフィボナッチ・リトレースメント23.6%戻し152.36レベルの攻防に注目したい。これらテクニカルラインを一気に下方ブレイクする場合は、152.00を視野に下落拡大を想定したい。直下の151.93レベルは半値戻しにあたる。テクニカルの面でも152.00は、サポートラインとして意識されやすい状況にある。このラインを今週の下限と想定したい。

今週の下値水準
・153.00:サポートライン(30分足)
・152.80:サポートライン(30分足)
・152.54:21日線(日足)
・152.36:23.6%戻し(日足)
・152.00:今週の下限、半値戻しの水準(151.93、日足)


ドル円の30分足チャート:11月5日以降

ドル円の30分足チャート:11月5日以降

TradingView提供のチャート

ドル円の日足チャート:2025年9月以降

ドル円の日足チャート:2025年9月以降

TradingView提供のチャート


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