ドル円見通し(9/26):150円突破と151円トライの可能性、米PCE価格指数に注目
ドル円は149円の重要レジスタンスを突破し、節目の150円ブレイクをも想定する状況にある。本日発表の米PCE価格指数次第では151円への上昇が視野に入る。今日の予想レンジは149.00~151.00円。

要点
ドル円は149円の重要ラインを大陽線で突破。米連続利下げの思惑と日銀の利上げ姿勢維持にもかかわらず上昇幅が拡大する現状は、強い上昇モメンタムを示唆している。米金利が反発基調にあるなかで、本日発表の8月米PCE価格指数がインフレ粘着性を示唆すれば、150円台への上昇と151円トライが現実味を帯びる。一方、調整相場では149円のサポート転換が重要な焦点となろう。
ドル円(USD/JPY):今日の見通しと注目のチャート水準
米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれた9月17日以降、ドル円(USD/JPY)は反発基調へ転じている。24日の市場でトライアングルの上限を突破。そして昨日は、IG為替レポートで注目しているレジスタンスライン149.00をも大陽線で上方ブレイクした。MACDはゴールデンクロスへ転じた後、上昇基調を維持している。RSIでは「買われ過ぎ」の水準が目前に迫っているが、短期的な過熱感を示唆するサインはまだ点灯していない。
今日のドル円は、節目の150.00のトライおよび上方ブレイクが焦点となろう。完全に150円台へ上昇する場合は、151.00のラインを視野に上昇幅の拡大を想定したい。
一方、反落の局面では、149.00レベルがレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうかが重要な焦点となろう。
ドル円の日足チャート:2025年4月以降

TradingView提供のチャート
焦点は米金利とPCE価格指数
先週17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の後、米金利の反発が続いている。金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りは昨日、3.66%台まで反発する局面が見られた。インフレなど景気動向を織り込んで動く10年債利回りは、4.2%を視野に反発基調にある。
米連邦準備制度理事会(FRB)による年内2回の追加利下げの可能性が高まっているにもかかわらず、米金利が反発している理由として、以下のことに注目したい。
米金利反発の理由
・10月と12月の連続利下げの織り込みが進んでいる
・インフレ再燃を意識
OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、9月FOMC前から10月と12月の利下げを織り込む動きが見られていた。今後も米金利の反発が続く場合は、その織り込みが米債市場でも進んでいるサインとなろう。
利下げは基本的に米金利の低下、または上昇の抑制要因である。ゆえに、米金利が上昇基調へ回帰する可能性は現時点では低い。しかし、米金利の低下も限られるだろう。米金利の反発、または低下してもその幅が限定的となれば、急速に進行してきた米ドルの買い戻しがしばらく続く展開を想定したい。
米金利の1時間足チャート:米FOMC以降の動向

TradingView提供のチャート
経済指標も米金利の変動要因となろう。昨日は、市場予想を下回った週間の米新規失業保険申請件数と改定値から上方修正された4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値の結果を受け、米金利が上昇した。
25日の米経済指標
・週間の米新規失業保険申請件数:21万8000件と、ブルームバーグがまとめた市場予想(23万3000件)を下回り労働市場に対する懸念が後退
・4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値:前期比年率3.8%増と改定値の3.3%増から上方修正。GDPの7割を占める個人消費が改定値の1.6%増から2.5%増へ上方修正されたことが押し上げ要因に。コアPCE価格指数も改定値の2.5%から2.6%へ上方修正された
今日は米FRBが注視するインフレ指標、8月個人消費支出(PCE)価格指数がある。ブルームバーグがまとめた市場予想では、前月比のコア指数以外、インフレの粘着性が示される可能性がある。4-6月期コアPCE価格指数が上方修正された状況で、今晩の8月PCE価格指数も予想外に上振れる場合は、インフレ再燃の思惑が米債売り(米金利の上昇)を促す要因になり得る。インフレ懸念は米連続利下げの期待を後退させる要因である。結果次第で、米ドル高がさらに進行する可能性があろう。
米PCE価格指数の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで作成 / 赤の棒グラフ・ドット:8月の市場予想
ドル円のテクニカル分析
予想レンジの上限:151.00
日銀は25日、金融政策決定会合議事要旨(7月30、31日開催分)を公表した。利上げについては「可能なタイミング」、「過度に慎重になって、利上げのタイミングを逸することにならないよう、留意する必要がある」、「適時に利上げを進めることが、中央銀行のリスク・マネジメント上、重要」と、利上げに前向きな見解が見られた。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では10月の利上げを意識し始めている。しかしドル円は現在、節目の150.00ラインをトライする状況にある。
ドル円のリスクリバーサル(1週間・1ヶ月)が上向き方向にあることも考えるならば、節目の150円トライそして上方ブレイクが今日の焦点となろう。
ドル円のリスクリバーサル:日足 2025年3月以降

ブルームバーグのデータで作成
ドル円が150円を完全に突破する場合は、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。
注目すべきは、151.00のトライである。8月1日の市場ではこの水準の手前で急反落した経緯がある。この時の高値は150.92レベル。この水準の上方ブレイクは、151.00をトライするサインとなろう。151.00ラインを今日の上限と想定したい。
ドル円が150.92レベルをトライするサインとして、「日足チャート2」の150.76レベル攻防に注目したい。この水準は、2024年7月高値と9月安値の半値戻しにあたる。150.50の突破は、150.76レベルをトライするサインと考えたい。
レジスタンスライン
・151.00:予想レンジの上限
・150.92:8月1日の高値水準
・150.76:半値戻し
・150.50:レジスタンスライン
・150.00:心理的節目、エクステンション100%
予想レンジの下限:149.00
1時間足のRSIとストキャスティクスはともに「買われ過ぎ」の水準へ到達し、低下へ転じるムードにある。今晩の8月米PCE価格指数でインフレ懸念が後退する場合は、短期的な相場の過熱感を意識した米ドル売り・円の買い戻しを想定したい。
このケースでのドル円(USD/JPY)は、149.00がレジスタンスラインからサポートラインへ転換するかどうかが重要な焦点となろう。昨日のNY時間にサポートラインとして意識された149.70レベルの下方ブレイクとレジスタンスラインへの転換は、149.00ラインをトライするサインと考えたい。
短期間で上昇幅が拡大した反動で調整相場(米ドル売り・円の買い戻し)が進行し、ドル円が149.00ラインを一気に下方ブレイクする場合は、同じくサポートラインへの転換が焦点となる148.50レベルまでの反落を警戒したい。
サポートライン:1時間足
・149.70:サポートライン
・149.00:予想レンジの下限
・148.50:サポート転換の可能性あり
ドル円の日足チャート1:2025年4月以降

TradingView提供のチャート
ドル円の日足チャート2:2024年6月以降

TradingView提供のチャート
ドル円の1時間足チャート:9月17日以降

TradingView提供のチャート
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。