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【ドル円の週間展望】米中交渉の報道、日銀展望レポート、米雇用統計にらみ 反発局面では急反落を警戒

今週のドル円は、上下に振れる不安定な相場を想定したい。米中交渉の報道、日銀展望レポート、米雇用統計で大きく動くことが予想される。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事のサマリー

米中の貿易摩擦が緩和の方向に向かう観測が出ている。先週の外為市場では、関税リスクを意識した米ドル安・円高のトレンドが一服した。しかし、米中の通商交渉では紆余曲折があろう。今週のドル円は米中交渉に関する新たな報道で上下に振れる展開が予想される。日銀会合は円安の要因となる可能性がある。しかし今週の米経済指標、特に4月の雇用統計で労働市場の軟化が示される場合は、米ドル安の再燃によるドル円の反落を警戒したい。米中対立の根深さ伝える報道と景気不安を煽る米国の経済指標が重なれば、ドル円の「急反落」を警戒したい。週間の予想レンジ上限は、50日線が推移している147円ミドル(4/25時点)。予想レンジの下限は140.00レベル。


米中懸念の後退で米ドル安一服も関税報道にらみが続く

先週の外為市場は、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの観測が高まり、関税リスクを意識した米ドル安が一服した。特に日本円とスイスフランで米ドルのショートカバー(買い戻し)が入った。

しかし、今週も米ドル買いが続くかどうかは、米中の通商交渉に関する報道に左右されよう。22日に行われた米誌タイムによるトランプ大統領のインビューが25日に公開された。トランプ氏は、中国との通商交渉が進行していると述べた。一方、中国は関税について、いかなる協議や交渉も行っていないとし、トランプ氏の発言を否定した。その一方で中国は、米国製品に課している125%関税について、一部の製品で一時停止を検討しているとの報道も流れた。

一連の報道を見る限り、米中交渉では紆余曲折が予想される。今週もこの件に関する新たな報道が流れるだろう。内容次第で米ドルのトレンドが左右されよう。米中摩擦が緩和の方向に向かう可能性が意識される場合は、米ドルの買い戻しが続く展開を想定したい。一方、米中対立の根深さを伝える報道が続けば、米ドル安の再燃を警戒したい。

米ドル 週間の変動率:対G10通貨、4月21日~25日の週

米ドルの週間来変動率:4月21日~25日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成


今週の米経済指標、4月の雇用統計に注目

経済指標も米ドルの変動要因となろう。今週29日に4月消費者信頼感指数、30日に3月個人消費支出価格指数(PCEデフレーター)が発表される。5月1日に4月ISM製造業景気指数、2日に同月の雇用統計が発表される。いずれの指標も米金利の変動要因となろう。特に注目されるのが4月の米雇用統計となろう。経済指標で米金利が動けば、米ドルもその動きに連動することが予想される。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はトランプ関税の引き上げ幅が想定よりも大きいと指摘、トランプ関税の影響を見極める時間が必要とし、追加の利下げについて慎重に判断する姿勢を維持している。5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きが予想されている。

しかし短期金融市場では、今年12月の政策金利の予想水準が3.4%台にある(4月25日時点)。関税リスクが意識された今月8日には、3.2%台まで低下する局面が見られた。残り6回のFOMCで市場は3回、もしくは4回利下げの可能性を意識し始めている。

米FRBには「雇用の最大化」と「物価の安定」というデュアルマンデート(二つの使命)が課されている。インフレ再燃の抑止を重視しているため、パウエルFRB議長は利下げ判断で慎重姿勢にある。一方、短期金融市場の状況は、米国経済を支えている労働市場がトランプ関税の影響で縮小し経済の成長が鈍化する可能性があること、ゆえにパウエルFRBは利下げで対応せざるを得ない状況に陥る可能性を意識した動きと考えることができる。

米FRBの政策は経済指標に左右されるだろう。雇用統計で労働市場の軟化を示唆する内容が続けば、米利下げ期待を高める要因となろう。利下げ期待の高まりは米ドル安の要因となろう。この点は、他の雇用指標も同じである。

米国の雇用統計 各項目の動向:直近1年間の動向

米国の雇用統計 各項目の動向:直近1年間の動向

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:4月の予想


日銀会合の焦点は展望レポート、円安進行の要因となるか

4月30日~5月1日に日銀が金融政策決定会合を開く。今回の会合では、現行の金融政策を維持することが予想されている。

日銀の植田和男総裁は、基調的な物価上昇率の見通しが実現していけば金融緩和の度合いを調整していくという従来の姿勢を維持している。だが、トランプ米政権の相互関税が発表されて以降、参院財政金融委員会などで米国経済の不確実性に言及する場面が増えている。産経新聞社との単独インタビューでは、情勢の変化に応じて適切に判断するとした。(産経新聞電子版16日午前0時)。G20会議後の記者会見でも、関税政策の影響を見極める必要性に言及した。

今回は「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」が公表される。経済成長とコア消費者物価(CPI)の見通しが、前回1月から下方修正される可能性がある。また、新たに示される2027年度の見通しも焦点となろう。コアCPIの水準については、2%近辺が見込まれているとの一部報道がある。

先週の外為市場では米中対立の懸念が後退し、円安優勢の展開となった。今回の展望レポートで日銀の利上げ時期が後ずれするとの観測が高まれば、円安が進行する要因になり得る。

円相場 週間の変動率:対G10通貨、4月21日~25日の週

円相場の週間来変動率:4月21日~25日

ブルームバーグの為替データで筆者が作成


ドル円の週間見通しとテクニカルライン

焦点は戻り高値の水準、予想レンジの上限は50日線
先週の外為市場では、米ドル安・円高のトレンドが一服した。一方、通貨オプション市場では、1週間と1ヶ月のリスクリバーサルでドルプットの動きが一服している。同時に予想変動率は低下の基調にある。米中の貿易摩擦が緩和に向かう可能性が意識され始めている状況も考えるならば、今週のドル円(USD/JPY)は、戻り高値がどの水準となるのか?この点が焦点の一つとなろう。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 年初来

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:日足 年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 4月25日時点


今週もドル円が反発基調を維持する場合は、50日線をレンジの上限と想定したい。この移動平均線は先週25日時点で147.50台まで低下している。ドル円が50日線をトライするサインとして、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

最初の焦点は、レジスタンス転換の兆しが見られる144.00レベルである(日足チャートの黒矢印を参照)。この水準を突破しかつ維持する場合は、145円台の攻防を意識したい。テクニカルの面では、4月2日(米相互関税が発表される前)の高値と節目の140円割れが見られた先週22日安値の半値戻しの水準145.19レベルの攻防に注目したい。

ドル円が145.00レベルを突破した後、反落の局面でこの水準を維持する場合は反発地合いの強さを市場参加者に意識させよう。このケースでは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準146.44レベルのトライを意識したい。このテクニカルラインをも突破する場合は、147円台への上昇と50日線のトライを想定したい。

今のドル円は、変動幅が拡大しやすい状況にある。ゆえに円安と米ドルの買い戻しが重なる場合は、筆者の想定を超えて反発相場が進行する可能性がある。ドル円が50日線を突破する場合は、今月の第2週目に何度も相場の反発を止めた148.00レベルのトライを意識したい。

レジスタンスライン:日足
・148.00:レジスタンスライン
・147.56:予想レンジの上限、50日線(4/25時点)
・146.44:61.8%戻し
・145.19:半値戻し
・144.00:レジスタンスライン

米ドル安の再燃を警戒、予想レンジの下限は140.00レベル
日足チャートのMACDはゴールデンクロスへ転じている。しかし、ゼロラインを下回る状況が続いている。週足チャートでは13週線が26週線と52週線を下方ブレイクし、デッドクロスの状況にある。今週の日銀イベントは円安の要因になり得る。しかし、上で述べた雇用統計や他の重要指標で米国の景気不安が高まる場合は、米ドル安の再燃によるドル円(USD/JPY)の「急反落」を警戒したい。

週間の予想レンジ下限は、節目の140.00を想定したい。週足チャートでこのラインの攻防を振り返ると、3回サポートラインとして意識された経緯がある(週足チャートの黒矢印を参照)。日足の一目転換線の下方ブレイクは、先週23日の安値141.53レベルをトライするサインとなろう。141.53レベルをも下方ブレイクすれば140.00トライを想定したい。

米中対立の根深さを伝える報道とさえない米経済指標が重なり、筆者の想定を超える「急反落」となれば、以下で取り上げている2つの139円台のサポートポイントの攻防を意識したい。

サポートライン
・141.96:一目転換線(日足、4/25時点)
・141.53:4月23日の安値
・140.00:予想レンジの下限(週足)
・139.88:4月22日の安値(週足)
・139.58:昨年9月16日の安値(週足)


ドル円のチャート

日足:今年3月下旬以降

日足:今年3月下旬以降

出所:TradingView

週足:2022年11月以降

週足:2022年11月以降

出所:TradingView


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