コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

米国株、ショック克服 S&P500が6連騰 FRB利下げ見通しに期待

S&P500は19日に0.09%高。米国格下げのショックを乗り越えた。今後はFRBの利下げ見通しの確度が株価を左右することも考えられる。

米国株、ショック克服 S&P500が6連騰 FRB利下げ見通しに期待 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場が粘り強さをみせた。S&P500種株価指数の19日の終値は前週末比0.09%高で、小幅ながらも6営業日続伸。16日の取引時間終了後にムーディーズ・レーティングスが発表した米国格下げがもたらしたショックを乗り越えた。格下げは長期金利(10年物国債利回り)の大きな上昇にはつながっておらず、半導体大手NVIDIA(エヌビディア)など大手ハイテク株も堅調な値動きとなっている。米国格下げが冷静に受け止められた背景には、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待がありそうだ。直近の経済指標では物価上昇の減速が進んでおり、ドナルド・トランプ大統領の高関税が物価を押し上げたとしても、FRBが一時的な現象だと判断すれば利下げの道筋は崩れないとの見方も成り立つ。このためS&P500の今後の見通しをめぐっては、FRBの利下げをめぐる思惑で、値動きが左右されることも考えられる。

アメリカのS&P500は0.09%高 米国格下げのショックを乗り越え、6連騰

S&P500(SPX)の19日の終値は5963.60。19日は取引開始直後に前週末比1.00%安まで値下がりしたものの、その後は下げ幅を縮め、終値までにプラス圏に回復した。6営業日続伸での上昇率は合計5.37%高。ムーディーズが16日に発表した米国の格下げはS&P500の先物商品を急落させるショックを呼んでいたが、19日のS&P500の取引では大きな余波は生じなかったといえる。

S&P500の5月19日の値動きのグラフ

長期金利は高まらず エヌビディアなど大手ハイテク株は堅調

米国格下げは長期金利の上昇にもつながらなかった。ブルームバーグによると、長期金利の19日のニューヨーク債券市場での終値は4.450%で、前週末から0.030%ポイント低下。15日以降、3営業日連続で4.4%台での値動きが続いている。2023年8月1日にフィッチ・レーティングスが米国債を格下げした際には、10月に長期金利が終値で5%目前まで上昇する背景となったが、長期金利の19日の値動きからは、同様のショックが起こる兆しは出なかったことになる。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

こうした中、S&P500への影響度が大きい大手ハイテク株の19日の値動きも堅調だった。エヌビディアの株価(NVDA)の19日の終値は前週末比0.13%高。マイクロソフト(MSFT)は1.01%高の458.87ドルとなり、年初来高値を更新した。このほかアマゾン・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)も値上がりしている。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、アルファベット、マイクロソフト、アップル、テスラの株価の推移のグラフ

FRBの利下げ見通しがS&P500を下支えか トランプ関税の効果は一時的?

ムーディーズによる米国格下げが大きな波乱を呼ばなかった要因には、2023年8月の米国債格下げ時とは異なり、FRBの利下げへの期待が大きいことがありそうだ。ブルームバーグによると、金融市場で想定されている12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は19日時点で3.799%。現在の水準(4.250-4.500%、中間値4.375%)から、0.25%利下げが2回以上行われることが想定されている。FRBが物価動向の指標として重視する個人消費支出(PCE)物価指数の総合指数の伸び率は、3月のデータで前年同月比2.3%となり、FRBが目標とする2%に近づいていることなどが利下げ期待を支えているもようだ。

金融市場で見込まれている12月段階での政策金利の水準のグラフ

米国経済をめぐっては、ドナルド・トランプ大統領の高関税が物価上昇につながる懸念は強いものの、FRBが一時的な現象だと判断すれば、利下げの障害にはならないことも考えられる。ブルームバーグによると、FRBのフィリップ・ジェファーソン副議長は19日、フロリダ州での経済イベントで、「金融政策にとって重要なのは、物価水準の上昇が持続的な物価上昇につながらないことだ」と述べた。

2023年の米国債格下げ時は物価上昇懸念が重荷 S&P500反転は利上げ警戒後退後

これに対して2023年8月の米国債格下げは、FRBが7月26日に政策金利を5.25-5.50%まで引き上げた直後のタイミングで発表された。当時のPCE物価指数の伸び率は3%台で推移しており、ジェローム・パウエル議長も物価上昇への警戒を保っていた。金利の先高観はS&P500にとっての重荷となり、10月27日には格下げ前々日につけた当時の最高値から10.28%安まで下落している。その後、S&P500が回復に転じたのは、物価上昇の落ち着きや個人消費の強さに加え、FRB幹部から長期金利の上昇の結果として利上げを行う必要性が薄れているとの発言が相次ぎ、投資家の警戒感が薄れていったことなどが要因となった。

2023年以降の米国の経済指標の推移のグラフ

S&P500はFRBの利下げをめぐる思惑で左右か 投資家不安は落ち着き切らず

このためS&P500の今後の見通しは、FRBの動向をめぐる思惑に左右される度合いが大きくなる可能性がある。トランプ氏の高関税による物価上昇にも関わらず、消費の強さなどが感じられた場合には、FRBの利下げへの期待が遠のくことがS&P500を下押しするおそれも否定できない。逆に、経済指標から消費の弱さが感じられた場合は、利下げ期待の高まりがS&P500を下支えすることも考えられる。

19日の金融市場では米国格下げのショックは拡大しなかったものの、投資家心理が完全に落ち着いているわけではない。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の19日の終値は前週末よりも5.22%高い18.14。VIX指数はS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒が高いことを示すだけに、VIXの上昇は投資家の不安がくすぶり続けていることの現れとみることもできそうだ。

VIXとS&P500の推移のグラフ

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券の株価指数CFD

  • 主要指数の24時間取引が可能
  • 世界約30銘柄の株価指数を提供
  • 株価指数をバイナリーオプションで取引

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。