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米国株、スマホ除外でも関税不安 S&P500続伸 エヌビディアは反落

S&P500は約2週間ぶりの続伸。相互関税の対象縮小などが好材料となった。ただし発動済みの高関税の悪影響も懸念され、3月小売売上高も注目される。

米国株、スマホ除外でも関税不安 S&P500続伸 エヌビディアは反落 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で疑心暗鬼が続いている。S&P500種株価指数の14日の終値は前週末比0.79%高となり、2営業日続伸。ドナルド・トランプ政権がスマートフォンなどの電子機器を相互関税の対象から外していると明かしたことが好材料になった。一方、S&P500の水準はトランプ氏が相互関税を発表する前のレベルには戻っておらず、半導体大手NVIDIA(エヌビディア)の株価も14日は反落。投資家の不安心理は高まったままで、トランプ氏は混乱鎮静化を目指しているもようだ。しかし、すでに発動済みの高関税が米国の実体経済に悪影響を及ぼしているおそれは拭えず、S&P500の今後の見通しは16日に発表される3月小売売上高でも揺れ動く可能性がある。

【関連記事】米国株に重なる逆風 S&P500再急落 エヌビディアとパウエル発言で(2025年4月17日)

アメリカのS&P500は約2週間ぶり続伸 長期金利は6営業日ぶり低下

S&P500(SPX)の14日の終値は5405.97。2営業日続伸はトランプ氏が相互関税の内容を発表する直前に取引が終わった2日までに記録した3営業日続伸以来だ。また14日の金融市場では長期金利(10年物国債利回り)の上昇も6営業日ぶりにストップした。ブルームバーグによると、14日の長期金利の終値は前日よりも0.116%ポイント低い4.376%。これまでの長期金利の上昇は米国経済の見通しへの懸念が米国債売りにつながっていたともみられていただけに、14日の値動きには過度な不安の後退が感じられる。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

アップルの株価は2.21%高 相互関税からのスマホ除外を好感

S&P500にとって好材料となったのは、トランプ政権が11日夜に発表した文書で、スマホやパソコンなどの電子機器が、半導体関連製品と同様に、相互関税の対象から外れていることが明らかになったこと。相互関税などで145%の関税がかかっている中国製品でも、スマホなどの電子機器への課税は20%に抑えられることになる。14日の取引では、iPhone(アイフォン)を中国で生産しているアップルの株価(AAPL)が前日比2.21%高となった。トランプ氏は9日には中国を除く世界各国・地域からの輸入品にかける相互関税の上乗せ部分を90日間にわたって停止することを決めており、やはり最悪期は脱したとの見方も成り立ちそうだ。

マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、エヌビディア、アップル、アルファベット、テスラ、アマゾン・コムの株価の推移のグラフ

S&P500は相互関税発表前の水準には届かず エヌビディアは反落

一方、S&P500の値動きには投資家の不安の大きさも感じられる。S&P500の14日の終値は相互関税発表直前につけた2日の終値(5670.97)からは依然として4.67%安の水準。さらに2月19日につけた最高値(6144.15)との比較では12.01%安となっている。トランプ氏は相互関税以外にも、鉄鋼・アルミニウムや自動車の輸入に対する25%関税などを発動させており、企業のサプライチェーンに混乱が生じることは必至の情勢だ。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の14日の終値は30.89で、12営業日連続で20を上回る水準で推移している。

VIXとS&P500の推移のグラフ

また、株式市場での人工知能(AI)ブームを牽引してきたエヌビディアの株価(NVDA)は14日、前週末比0.20%安の反落。S&P500とは対照的な値動きをみせた。エヌビディア以外の半導体株でも、ブロードコム(AVGO)が1.97%安、半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ(AMAT)が0.28%安となっている。トランプ氏は半導体関連製品などに対する個別関税を近く発表するとしており、業績に悪影響が出るとの見通しは消えていない。

エヌビディア、ブロードコム、アーム・ホールディングスなどの株価の推移のグラフ

トランプ氏は自動車企業への配慮を示唆 エヌビディアは米国生産をアピール

こうした中、トランプ氏は自らが火をつけた混乱の鎮静化に乗り出しているようだ。米メディアによると、トランプ氏は14日、記者団に対して「自動車メーカーのいくつかを助けるための何等かの方策」を検討していると言及。自動車メーカーが米国内での生産を強化するために時間が必要であることに配慮する姿勢を示した。トランプ氏は「私は自分の考えは変えないが、柔軟性も持ち合わせている」としている。

また企業側もトランプ氏の呼びかけに応えようと懸命だ。エヌビディアは14日、「AIコンピューターを完全な米国製品として初めて生産する」と発表。エヌビディアはアリゾナ州の台湾積体電路製造(TSMC)の工場で最先端半導体システム「ブラックウェル」を生産しており、テキサス州では鴻海精密工業(フォックスコン)や緯創資通(ウィストロン)と共同でスーパーコンピューターの生産工場を建設中だという。ジェンスン・ファンCEOは「米国内での生産能力強化でAI向け半導体やスーパーコンピューターに対する信じられないほどの拡大需要に応えることができる」としている。

発動済みの高関税が米国経済を下押しか 3月小売売上高でS&P500に波乱も

しかしトランプ氏の高関税政策が米国経済にもたらした混乱はすでに実体経済に影響を与えていることも考えられる。米商務省が16日午前8時30分(日本時間16日午後9時30分)に発表する3月小売売上高が予想よりも下振れるなどした場合にはS&P500の今後の見通しに対する不安が高まりそうだ。ブルームバーグがまとめた市場予想では、3月小売売上高は前月比1.3%増となる見込みで、自動車と自動車部品を除いたベースでは0.4%増となると予想されている。

米国の小売売上高の伸び率の推移のグラフ

さらに17日に行われるTSMCの2025年1-3月期決算発表も半導体市場の見通しを大きく揺らしかねない。S&P500の本格的な反発への期待が高まるまでにはしばらく時間がかかることも考えられそうだ。


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