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【外為市場 週間の展望】注目材料は米雇用関連の経済指標 / ドル円の展望とチャートポイント

外為市場では、米ドル安がじわりと進行している。今週は、11月の雇用統計をはじめとした雇用関連の経済指標が多く発表される。これらの経済指標で雇用市場の軟化が確認される場合は、米ドル安がさらに進行することが予想される。今週のドル円の展望は?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※今週のユーロドルの展望については、こちらのレポートをご覧ください


サマリー

・外為市場では米ドル安がじわりと進行する状況にある
・今週の注目材料は、米雇用関連の経済指標となろう
・雇用市場の軟化が示される場合は、米ドル安のさらなる進行を想定しておきたい
・ドル円、今週の展望と上下のチャートポイントについて


米ドル高のトレンド転換を意識する状況が続く

2つのテクニカルラインで反発が止められたドルインデックス
米ドル相場のトレンドを表すドルインデックス(DXY)の動向を日足チャートで確認すると、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準102.54レベルでサポートはされたものの、先週1日の市場では200日線(今日現在103.57レベル)とトレンドチャネルの上限で反発が止められた。

日足ローソク足で長い上ヒゲが示現しての陰線引けだったことも考えるならば、1日の動きは、米ドル相場の地合いの弱さを示唆している。

ドルインデックスのチャート:日足 23年5月以降

ドルインデックスのチャート:日足 23年5月以降 TradingViewが提供するチャートで作成


日足のストキャスティクスは、売られ過ぎの水準で推移している(上のチャート、赤矢印を参照)。ゆえに、上で述べた102.54レベルのサポート水準では短期的な反発相場が予想される。

だが、その局面(反発の局面)で200日線やトレンドチャネルの上限で戻りが止められる状況が続く場合は、米ドル相場の地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。

また、これらテクニカルラインの突破に成功しても、104.00レベルを視野に低下基調にある21日線(今日現在104.23レベル)がレジスタンスラインとして意識される可能性もある。

じわりと進行する米ドル安のトレンド
次に主要国の通貨別で米ドル相場の動向を確認すると、米金利の低下基調が鮮明となりはじめた11月以降、トルコリラ(TRY)と南アフリカランド(ZAR)を除く主要国の通貨で、じわりと米ドル安のトレンドが進行していることが分かる。

特に、オセアニア通貨での米ドル安進行は、外為市場でもリスク選好の姿勢が高まっていることを示唆している。

ドルインデックス(DXY)の反発が限定的である状況も考えるならば、今週の外為市場の焦点は、米ドル安がさらに進行するかどうか?この点を見極めることにあろう。

なお、上で述べたドルインデックスが、目先のサポート水準として意識されているフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準102.54レベルを完全に下方ブレイクする場合は、また一つ米ドル高のトレンドが転換するシグナルが点灯したと捉えたい。

米ドル相場の動向:11月以降

米ドル相場の動向:11月以降 ブルームバーグの為替データで作成 / 基準日:10月31日(12月1日までの動向)

パウエル発言を無視する市場

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先週1日の講演で、データ次第の姿勢をあらためて表明した。情勢次第での追加利上げの選択肢を残し、来年の利下げを織り込み始めている市場をけん制した。

しかし、短期金融市場ではパウエル発言を無視する状況にある(下のラインチャートを参照)。

直近の政策金利の予想推移を確認すると、早ければ来年3月にもパウエルFRBが利下げ政策へ転じる可能性を織り込み始めている。

先週は、3月または5月での利下げ転換を織り込む動きが見られた。その前は、第2四半期の間での利下げが予想されていた。利下げ予想が前倒しの傾向にあることは、米ドル相場の重石となろう。

なお、CMEグループが提供しているFEDウォッチツールでは、約55%の確率で3月の利下げを織り込み始めている(12月4日 7時時点)。

米政策金利の予想推移

米政策金利の予想推移 ブルームバーグのデータで作成 / OIS市場の織り込み状況(12月1日時点)


一方、米債市場では、金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りの低下幅が拡大した(下のチャート、赤ラインを参照)。

この動きは、パウエルFRBの表向きの姿勢とは裏腹に、近い将来、政策の転換(利下げ政策)がFOMC(連邦公開市場委員会)の議題にあがることを米債市場の参加者が意識していることを示唆している。

米金利の動向は、外為市場のトレンドを左右する重要な要因である。特に今後は、長期ゾーン利回り(以下では長期金利)の動向が、米ドル相場のトレンドを大きく左右するだろう。

下のチャートで米長期金利のトレンドを確認すると、11月以降、低下幅が拡大していることが分かる(黒/緑のラインを参照)。インフレが鈍化の傾向にあることが確認されたことに加えて、将来の景気減速を意識する動きである。

米金利のチャート:日足 年初来

米金利のチャート:日足 年初来 ブルームバーグのデータで作成 / 22年12月30日を100として指数化

今週の注目材料と米ドル相場の展望

焦点は11月の雇用統計
今週、米長期金利の低下トレンドがさらに進行するかどうか?この点を見極める上で重要となるのが、雇用関連の経済指標となろう。

今週は、10月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数や11月のADP雇用統計など、いくつかの指標が発表されるが、なかでも注目度が高いのが、11月の雇用統計となろう。現時点での市場予想は、以下のとおりである(赤バーチャートとドットを参照)。

10月は、全米自動車労組(UAW)による三大自動車メーカでのストライキが影響したこともあり、非農業部門雇用者数が前月比で15万人増と、市場の予想を下回った。9月の非農業部門雇用者数は、33万6,000人増から29万7,000人増に下方修正された。

一方、失業率は3.9%へ上昇し、賃金インフレも抑制の傾向にあることが確認された。

米ドル相場の展望
11月の雇用統計でも雇用市場の軟化が確認される場合は、米長期金利の低下要因となろう。米長期金利の低下幅がさらに拡大すれば、外為市場では米ドル安の圧力が高まるだろう。

一方、11月の雇用統計が予想以上に強い内容となる場合、米債市場では短期間で進行した米債買いを調整する展開が予想される。このケースでは、外為市場で米ドル相場が反発する展開を想定しておきたい。

しかし上で述べたとおり、短期金融市場と米債市場では、24年第1四半期の利下げを織り込む状況にある。ゆえに、今回の雇用統計が米ドルの買い戻し要因となっても、その動きは短期で終息すると予想する。

米国の雇用統計 各項目の動向:月次 23年11月以降

米国雇用統計 各項目の動向:月次 23年11月以降 ブルームバーグのデータで作成 / 赤バーチャートとドット:11月の市場予想

ドル円、今週の焦点とチャートポイント

焦点は新たなサポート水準の見極めで変わらず
上で述べたとおり、米利下げの予想が前倒しの傾向にある状況は、米ドル相場の重石となろう。

ゆえに、これまで米ドル高のトレンドにサポートされてきたドル円(USD/JPY)は、新たなサポート水準を見極めることが引き続き焦点となろう。

上の予想どおりに今週もドル円が下値をトライする局面では、IG為替レポートで何度か取り上げているフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準146.62レベルの攻防が焦点となろう。

先週1日の下落局面では、146.66レベルで相場がサポートされた。そして先月29日の下落局面では、146.67レベルで相場が反発した。これらの動きを考えるならば、今週も38.2%の水準(146.62レベル)がサポートポイントとして意識される可能性があろう。

146.62レベルは、目先の重要なサポートポイントである。それだけにドル円がこのテクニカルポイントを完全に下方ブレイクする場合は、下落幅が拡大するシグナルと想定しておきたい。

実際、ドル円がリトレースメント146.62レベルを完全に下方ブレイクすれば146円の維持が次の焦点となるだろう。しかし、10日線(今日現在148.18レベル)で戻りが止められた状況を考えるならば、ドル円の地合いは弱い。

ゆえに、ドル円がリトレースメント146.62レベルを下抜ける場合は、146円の下方ブレイクを想定しておきたい。

ドル円が146円以下の攻防となる場合、まずは145円の維持が焦点となろう。この水準は、7月28日安値と11月13日高値の半値戻しにあたる。テクニカルの面で145.00レベルは、次の重要サポート水準として意識される可能性がある。

ドル円が145円台をも下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準143.35レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。

ドル円のチャート:日足 23年7月以降

ドル円のチャート:日足 23年7月以降 TradingViewが提供するチャートで作成


反発局面での焦点は?
日足のストキャスティクスは、売られ過ぎの水準で推移している(上の日足チャート、赤矢印を参照)。

このタイミングで、上で述べた雇用関連の経済指標、特に11月の米雇用統計が米ドル相場の上昇要因となる場合は、ドル円(USD/JPY)の反発を予想する。

上のケースで最初に注目したいのが、100日線(今日現在147.20レベル)の攻防である(上の日足チャート、赤ラインを参照)。この移動平均線がサポートからレジスタンスのラインへ転換する場合は、ドル円の地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。

一方、ドル円が100日線を上方ブレイクする場合は、レジスタンスラインとして意識され始めている10日線(今日現在148.18レベル)まで反発する展開を想定しておきたい(上の日足チャート、青ラインを参照)。

これら2つの移動平均線をトライするシグナルとして、以下の1時間足チャートにプロットしたフィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい。

いずれの水準もローソク足の実体ベースまたはヒゲで一度意識された経緯がある。特に半値戻しの水準147.58レベルと61.8%の水準147.80レベルは、レジスタンスの水準へ転換する可能性がある。

ドル円のチャート:1時間足 11月30日以降

ドル円のチャート:1時間足 11月30日以降 TradingViewが提供するチャートで作成

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