ドル円、為替介入で円高急進 一時155円台 大型連休中の追加介入も
ドル円相場は為替介入とみられる値動きで一時155円。一方、円安圧力は根強く、大型連休中の再介入の可能性も考えられる。
ドル円相場で円高が急進した。ドル円相場は日本時間1日昼の取引で1ドル=157円台前半で推移。4月30日夜には一時155円台半ばをつけ、5時間あまりで5円超の円高が進む場面もあった。日本政府による為替介入があったと報じられている。また、30日にはアメリカの経済成長の弱さを示す指標も発表され、円高圧力が働いた側面もありそうだ。ただ、金融市場で米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利下げへの期待が後退していることは依然として円安材料。またイランでの戦争がもたらす原油高が物価上昇圧力として働く中でも、日本銀行が利上げをためらっているとの見方も根強く、やはり円安材料となっている。こうした中、日本政府は1日にもFX市場の動向を注視する姿勢を強調しており、2年前同様の追加介入が行われる可能性がある。ゴールディンウィーク中のドル円相場が再び波乱に見舞われる展開も考えらえそうだ。
ドル円相場は5円超の円高進行で一時155.57円 為替介入との報道
ドル円相場(USD/JPY)は1日午後2時32分段階で1ドル=157.28円で取引されている。ブルームバーグによると、ドル円相場は30日午後8時44分には155.57円を記録。午後7時26分段階での159.22円から、1時間あまりで3.65円の円高が進んだ。午後3時13分につけていた160.72円との比較では、5時間半で5.15円もの円高が進む値動きだった。
日本経済新聞などは、匿名の政府関係者が為替介入の実施を認めたと報じている。片山さつき財務相は円高急進前の30日夕方、記者団に対して「断固たる措置をとるタイミングが近づいている」と発言。その後、三村淳財務官も「これは最後の退避勧告」と述べて、為替介入の可能性を示唆していた。ドル円相場では3月12日から4月30日までの1か月半にわたって、取引時間中に1ドル=159円を超える円安を記録しており、片山氏らはこれまでも介入の可能性を示唆してきた。
アメリカの1-3月期の成長率に弱さ 円以外の通貨もドルに対して値上がり
ドル円相場の円高への修正を狙う日本政府にとっては、米国で発表された経済指標も追い風になった側面がある。米商務省が30日に発表した2026年1-3月期GDP速報値では実質成長率が前期比年率2.0%となり、ブルームバーグがまとめた市場予想の2.3%を下回った。政府機関閉鎖で成長率が0.5%にまで下押しされた10-12月期からの再加速は弱めだったことになる。なかでも個人消費の伸び率が1.6%となり、10-12月期の1.9%から減速していることは米国経済の低調さを印象づけ、米国金利の先安観につながる円高要因だ。
FRBの利下げ見通しは縮小 ホルムズ海峡封鎖で物価上昇が過熱
ただ、金融市場でFRBが年内に利下げを決めるとの期待がしぼんでいることはドル円相場での円安要因だ。ブルームバーグによると、30日の金融市場で見込まれている12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.619%で、前日から0.051%ポイント低下したものの、現行の政策金利(3.50-3.75%、中間値3.625%)とほぼ同水準だ。FRBが29日までのFOMC後に発表した声明文では、利上げの可能性を見据えた文言の修正の是非が議論されていたことも明らかになっている。
米国での利下げ見通しが縮小している要因は、イラン戦争に伴うホルムズ海峡封鎖が原油価格を上昇させる中、FRBが利下げに踏み切れば、物価上昇圧力を高めかねないという事情だ。イランが米国との停戦を受けてホルムズ海峡の開放を発表した17日には利下げへの期待が再燃する場面もあったが、ホルムズ海峡は再び封鎖され、先行きへの楽観は後退している。30日に発表された3月の個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率は、前年同月比3.5%で、前月(2月)の2.8%から大きく高まった。食品とエネルギーを除いたコア指数の伸び率は3.2%となり、2023年11月(3.3%)以来、2年4か月ぶりの高水準だ。
日銀の利上げへの期待は高まらず ホルムズ海峡封鎖は日本経済への大打撃も
一方、日銀の金融政策をめぐっては、原油高が物価上昇を招く中でも、利上げに踏み切るとの期待は盛り上がっていない。ブルームバーグによると、1日午後2時32分段階の金融市場で見込まれている日銀の6月の金融政策決定会合後の政策金利の水準は0.892%で、2月9日の0.997%をピークとした下落傾向が続いている。ホルムズ海峡の封鎖は日本経済に大きな打撃を与える可能性があり、日銀の利上げには経済活動を冷やしすぎるリスクがつきまとう。植田和男総裁は28日の金融政策決定会合後の記者会見で利上げ姿勢を強調しつつも、日銀の見通しに沿って経済や物価が推移する確度が低下しているとも述べ、ドル円相場で円安が進むきかっけとなった。
日本政府は再度の為替介入の可能性も示唆 大型連休中に大きな値動きも
ドル円相場での円安材料が消えない中、日本政府は円安進行への警戒姿勢を維持している。三村氏は1日朝、記者団に対して為替介入の有無についてのコメントを避けつつ、「大型連休はまだ序盤」とも言及し、市場参加者が少なくなる中で円安が進んだ場合には、追加介入を行う可能性を感じさせた。日本政府は2年前にあたる2024年4月末から5月初め、2度にわたって為替介入を行ったとみられている。
ドル円相場は米国東部時間1日午前10時(日本時間1日午後11時)に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する4月の製造業景況感指数(PMI)でも大きく動く可能性がある。また日本の休日にあたる5日には3月の雇用動態調査(JOLTS)、6日には民間雇用サービス会社ADPによる4月の全米雇用リポートの発表も予定されており、ドル円相場の値動きが大きくなる可能性がありそうだ。
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 外国為替取引業者との主要取引関係数による(Investment Trends UK レバレッジ取引レポート、2024年7月発表)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。