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NY金の見通し(7/15):ドルに異変の兆し、米CPI警戒、予想レンジ3,290-3,400

NY金相場の見通し。「関税懸念→米ドル安」のトレンドに変化の兆しあり。米物価指数が上振れる場合は、「米ドル高→ゴールド売り」を警戒。スポット金価格の予想レンジは3,290-3,400ドル。目先の注目材料とチャート水準についてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・売り買い交錯の相場から脱することができないNY金
・「関税懸念→米ドル安」に変化の兆し
・6月の米CPIとPPIがドル高の要因となればゴールド売りを警戒したい
・金価格の予想レンジ(18日まで):3,290-3,400ドル



金価格、2週続伸も売り買い交錯が続く

7月に入りNY金相場は2週続伸した。しかし、第3週最初の取引となった14日の市場では先物価格が4営業日ぶりに反落。スポット価格も下落して終えた。NY金相場が上昇トレンドへ転じるムードはない。

スポット金価格 週間変動率:4月以降

スポット金価格 週間変動率:4月以降

ブルームバーグのデータで作成

日足チャートで金価格のトレンドを確認すると、先月29日に89日線でサポートされて以降下値の水準がジリジリと切り上がっている。直近では21日線を上方ブレイクしている。その一方で、日足の遅行スパンはローソク足を下抜ける状況にある。RSIは低下基調へ転じ50付近で推移している。

強弱のサインが入り乱れている状況を考えるならば、今週の金価格も売り買いが交錯するレンジ相場を想定したい。

スポット金価格のチャート:日足 4月以降

スポット金価格のチャート:日足 4月以降

出所:TradingView


「関税懸念→米ドル安」に異変の兆し、反発ムードのドル指数

今週の金価格は米ドル高を警戒したい。4月にトランプ米大統領が相互関税を発表して以降の「関税懸念→米ドル安」のトレンドに変化の兆しが見られるからだ。

トランプ氏は7日から、貿易相手国へ新たな関税率の適用を表明している。日本には25%、欧州連合(EU)とメキシコには30%、ブラジルには当初の5倍となる50%の関税を適用するとした。関税政策で攻勢を強めるトランプ米政権の姿勢は、これまでであれば米ドル安の要因だった。しかし、先週の米ドルは対G10通貨のほとんどで上昇した。

米ドル 週間変動率:7月7日-11日

米ドル 週間変動率:7月7日-11日

ブルームバーグのデータで作成

米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は7月以降底打ち感を強め、反発の基調にある。RSIは50を視野に上昇し、MACDはゴールデンクロスへ転じている。そして昨日は、4月21日の安値水準97.92レベルを完全に上方ブレイクしてきた。5月12日と6月23日にレジスタンスラインとして反発相場を止めた50日線を視野にドル高が進行する可能性が高まっている。

ドル指数のチャート:日足 2月以降

ドル指数のチャート:日足 2月以降

出所:TradingView


6月の米物価指数に注目、ドル高進行ならゴールド売りを警戒

今日以降の米ドルは、6月の物価指数で大きく動くことが予想される。15日に消費者物価指数(CPI)、16日に生産者物価指数(PPI)が発表される。ブルームバーグの市場予想によれば、CPIは前月比と前年同月比でともに5月から上昇することが見込まれている。PPIは前月比が5月から上昇する一方、前年同月比のインフレ率は鈍化が見込まれている。

米国物価指数の動向:過去1年間

米国物価指数の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで作成 /赤の棒グラフとドット:6月の市場予想

「関税懸念→インフレ再燃の可能性」が意識されるなかで物価指数がインフレの粘着性を示す場合は、米金利の上昇要因になり得る。この場合、注目すべきは米ドルの反応である。強い物価指数による金利の上昇を受けてもドル高となる場合は、関税問題が米ドル不信の材料として旬を過ぎているサインになり得る。

インフレはゴールドの買い要因である。しかし、4月22日に3,500ドルへ到達して以降レンジ相場が続いている状況を考えるならば、今はインフレよりもドル高の方が材料視されるだろう。米物価指数の上振れは、ゴールド売りの要因として警戒したい。


金価格の見通しとテクニカル分析

予想レンジの下限:3,290ドル
スポットの金価格(以下では金価格)は昨日、4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準で上昇が止められた。ストキャスティクスとRSIはともに買われ過ぎの水準へ到達した後デッドクロスへ転じ低下基調にある。冒頭で述べた一目遅行スパンとRSIのトレンドも考えるならば、上昇の局面ではゴールドの戻り売りを意識したい。

今晩の6月米CPIがインフレの粘着性を示唆すれば、金価格は以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。今週18日までの予想レンジの下限は3,290ドルを想定。この水準付近には、二度相場をサポートし下値支持線として意識されている89日線が推移している。21日線と日足の一目雲の下限が推移している3,313ドルの下方ブレイクは、89日線をトライするサインと捉えたい。

明日のPPIも含め米物価指数が予想を大きく上回る場合は、筆者の想定を超えるゴールド売りとなる可能性がある。この場合は89日線の下方ブレイクと日足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準3,247ドルを視野に金価格の下落幅が拡大する可能性を意識したい。

サポートライン
・3,330:21日線
・3,313:一目雲の下限
・3,294:89日線(7/15時点)
・3,247:フィボナッチ・リトレースメント61.8%

予想レンジの上限:3,400ドル
金価格は89日線がサポートラインとなり、上値の水準がジリジリと切り上がっている。節目の水準3,400ドルの突破と維持は、強気相場へ転換するサインとなろう。4時間チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準3,373ドルの突破は、3,400ドルをトライするサインと想定したい。このラインは6月17日以降、レジスタンスラインとして相場の上昇を止めている。米ドルが反発地合いにあることを考えるならば、3,400ドルを18日までの上限と想定したい。

一方、今週の米物価指数が市場予想を大きく下振れる場合は「米金利の低下→米ドル安」の展開が予想される。金価格は3,400ドルを突破する可能性がある。この場合の焦点は、3,400ドルのサポート転換となろう。この状況が確認される場合は、6月15日の高値3,451ドルを視野に上昇幅の拡大を予想する。一方、3,400ドルの維持に失敗する場合は、来週以降もレンジ相場を意識したい。

レジスタンスライン
・3,451:6月15日の高値水準
・3,400:予想レンジの上限、76.4%戻し、エクステンション100%(4時間足)
・3,373: 61.8%戻し(4時間足)

金価格のチャート

【再掲】日足:今年4月以降

金価格のチャート 日足:今年4月以降

出所:TradingView

4時間足:今年6月以降

金価格のチャート 4時間足:今年6月以降

出所:TradingView


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