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NY金見通し 7/8:3,247-3,365レンジ、トランプ関税の不透明感再燃、米国株に注目

現在のNY金相場は上昇と下落の要因が意識され、売り買いが交錯するレンジ相場の状況にある。目先の予想レンジは3,247-3,365ドル。米ドルだけでなく米国株の動きも金価格のトレンドを左右するだろう。目先の見通しについてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・現在のNY金相場は上昇と下落、両方の要因に挟まれレンジ相場にある
・今週は米ドルだけでなく米国株の動きにも注目したい
・スポット金価格の予想レンジは3,247-3,365ドル(7月11日まで)



金価格、今週もレンジ相場を予想

日足チャートでスポット価格(以下金価格)のトレンドを確認すると、3,300ドルを中心に売り買いが交錯するレンジ相場にある。 昨日は小幅に反発して終えた。

スポット金価格のチャート:日足 今年2月以降

スポット金価格のチャート:日足 今年2月以降

出所:IGチャート


上昇と下落、両方の要因に挟まれる金価格

現在の金価格は上昇と下落、両方の要因に挟まれている。上昇要因の一つが米ドル安である。4月2日(日本時間3日早朝)にトランプ米大統領が相互関税を発表して以降、米ドル相場のトレンドを示すドル指数(DXY)は下落の一途にある。

米ドル安の局面では金価格が上昇する逆相関の動きが確認できる。しかし、直近ではその関係が崩れる状況も見られる(4時間足チャート、赤ゾーンを参照)。この動きは、下で述べる金価格の下落要因が大きく影響していると筆者は考えている。

金価格とドル指数のチャート:4時間足 3月下旬以降

金価格とドル指数のチャート:4時間足 3月以降

出所:TradingView

米国との関税交渉における不透明感が増している。トランプ米大統領は米東部時間7日正午(日本時間8日午前1時)から、新たな関税率についての書簡を貿易相手国に通告した。日本に対しては8月1日から25%の関税を賦課することを通告した。トランプ氏は自身のSNSに、セクター別の関税については25%関税とは別になると投稿した。

また、トランプ氏は6日、主要な新興国で構成するBRICSの反米政策に同調する国に例外なく10%の追加関税を課すと、自身のSNSに投稿した。4月以降のドル指数の動きを考えるならば、関税政策で各国へ圧力をかけるトランプ米政権の動きは、米ドル安がさらに進行する要因である。

また、関税交渉の不透明感はリスク回避の要因でもある。したがって今週は、米国株の動きも金価格のトレンドを考える上で重要な材料となろう。


米国株の動きも注視

筆者は金価格の下落要因として、2つの点に注目している。一つが、1日のIGコモディティレポートで指摘した上昇の過熱感である。先週、スポット価格の年初来上昇率が28%に達し、昨年の上昇率を上回る局面が見られた。

7日時点の上昇率は27%で、2024年の上昇率と同じ水準にある。金価格の高値警戒感が意識されやすい状況が続いている。

金価格の年間変動率:2015年以降

金価格の年間変動率:2015年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 7日時点

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もう一つの下落要因が米株高、つまり投資家のリスク選好姿勢である。7月相場入りした先週の米株式市場で、S&P500とナスダック総合指数が最高値を更新した。安全資産よりもリスク資産を選好する動きが続いている。しかし、週明けの米株式市場では主要指数が下落して終えた。6日のIG米国レポートで指摘したとおり、関税リスクが米国株の調整売りを促した。

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米株安を受け金価格が小幅ながらも反発した事実は、米ドルだけでなく米国株の動きもまた金価格のトレンドに大きな影響を与えていることを示唆した。

昨日の外為市場では米ドル高優勢の展開となった。米金利の上昇がドル高を促した。しかし、米株安は関税交渉の不透明感による「悪い米金利の上昇」を意識した動きと言える。悪い金利の上昇は、本来であれば米ドル安の要因である。したがって米ドル高の局面が見られても、一過性の動きに終わることが予想される。

関税リスクでは米ドルが「リスク資産」として意識されることは、安全資産としての地位が高まっているスイスフラン買いの進行が示唆している。対米ドルでは2015年以来の米ドル安・スイスフラン高の水準にある。米ドル安と米株安が同時に発生すれば、金価格は以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

スイスフラン 対米ドルのレートのチャート:4時間足 3月以降

スイスフラン(対米ドルのレート):4時間足 3月以降

出所:TradingView


金価格の見通しとテクニカル分析

予想レンジの上限:3,365ドル
今日以降も関税交渉の不透明感が米株安の要因となれば、金価格の上昇を想定したい。だが、高値警戒感はそう簡単には後退しないだろう。したがって、レジスタンスラインへ転換する兆しが見られる3,365ドルを今週11日までの予想レンジの上限と想定したい。

金価格が3,365ドルを目指すサインとして、3,350ドルの攻防に注目したい。このライン付近には、7月以降相場の上昇を止め続けている21日線が推移している(日足チャート参照)。また、この上限のラインは6月高値と安値の半値戻しの水準でもある。短期レジスタンスラインも交錯している(4時間足チャート参照)。

筆者の想定を超える上昇により3,365ドルを突破する場合は、3,400ドルのトライが視野に入ろう。このラインは、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる(4時間足チャート参照)。

レジスタンスライン
・3,400:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(4時間足)
・3,365:予想レンジの上限(日足)
・3,350:21日線(日足)、半値戻し(4時間足)

予想レンジの下限:3,247ドル
金価格の高値警戒感が意識されるなか、関税リスクを受けても米国株が強気相場を維持する場合は、金価格の下値トライを想定したい。だが米ドル安が相場の下支え要因となり、下落幅は限定的となることが予想される。

週間の予想レンジ下限は3,247ドル。このラインは5月安値と6月高値のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる(日足チャート参照)。また5月以降、2度相場をサポートした経緯もある重要水準である。先月29日に相場を下支えした89日線の下方ブレイクは、3,247ドルをトライするサインと想定したい。この移動平均線は今日現在、3,276ドル付近で推移している。3,300ドルの下方ブレイクは、89日線をトライするサインと捉えたい。

筆者の予想を超えて金価格が3,247ドルを下方ブレイクする場合は、3,200ドルの維持が焦点に浮上しよう。この水準は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準にあたる(日足チャート参照)。

サポートライン
・3,300:サポートライン(4時間足)
・3,276:89日線(日足)
・3,247:予想レンジの下限、61.8%戻し(日足)
・3,200:フィボナッチ・リトレースメント76.4%(日足)


金価格のチャート

日足:4月以降

金価格のチャート 日足:4月以降

出所:TradingView

4時間足:6月以降

金価格のチャート 4時間足:6月以降

出所:TradingView


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