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ドル円予想(6/12):143.00-145.00レンジ、5月PPIも鈍化ならドル安警戒

IG証券のアナリストによる12日のドル円展望。米ドル安と円安が交錯し、ドル円は売り買いが交錯。5月の米消費者物価指数(CPI)は予想を下回った。今日の5月生産者物価指数(PPI)も予想以下となれば、米ドル安の進行を警戒したい。ドル円の予想レンジは143.00-145.00。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の要点

・米中合意に対するドル買いは限定的、先行きの不透明感を意識
・今日の注目材料は5月米PPI、CPIに続き予想を下回ればドル安進行か
・現在の外為市場は、ドル安と円安がぶつかり合う状況にある
・ドル円、今日の予想レンジは143.00-145.00



米中合意のドル買いは限定的、先行き不透明感を意識か

米国と中国は10日、5月のジュネーブ協議で合意した履行することで一致した。だが、先行き不透明感は残る。

ラトニック米商務長官は、中国によるレアアースの輸出規制問題の解決に期待感を示したが、中国側からは輸出規制の見直しについての具体的な説明がない。今後、米国の出方次第ではレアアースの輸出規制を交渉カードに使う可能性が残る。グリア米通商代表部(USTR)代表が優先事項としている合成麻薬フェンタニルの問題、米中の首脳がロンドン協議の内容に合意し、かつ実際に履行されるのかという問題も残る。

11日の外為市場では、G10通貨で米ドル安優勢となった。米中のロンドン協議よりも予想を下回った5月の米消費者物価指数(CPI)の方が材料視された。米中合意に対するこのドル買いが限定的だった状況は、冒頭で述べた先行きの不透明感を市場参加者が意識していることを示唆している。

米ドルの変動率:6月11日

米ドルの変動率:6月11日

トランプ氏が一方的に関税率設定、ベッセント氏は猶予期間の延長示唆

米ブルームバーグによれば、トランプ米大統領は11日(日本時間午前)、ワシントンのケネディ・センターで記者団に対し、一方的な関税率の設定と今後1週間半から2週間以内に各国・地域に書簡を送付すると述べた。

トランプ氏特有のディールの一環と捉えることができる。だが、相互関税(上乗せ関税)の猶予期間が切れる7月9日より前のこのような言動は、上で述べた先行き不透明を市場参加者に意識させよう。12日午前の外為市場は米ドル安優勢で推移している。

一方、ベッセント米財務長官は相互関税について、誠意を持って交渉をしていることを条件とし、一部の国や地域に対して90日間の猶予期間を延長する可能性について言及した。

しかし米ドル安トレンドは続いている。また、昨日の米国株の上値が重くかつアジア時間で米株価指数先物が下落している状況も考えるならば、期間延長の動きは逆にトランプ米政権の方針のブレとして市場参加者の警戒心を高める要因になり得る。


米インフレ指標にらみ続く、5月米生産者物価指数に注目

今日は5月の米生産者物価指数(PPI)がある。ブルームバーグがまとめた市場予想では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数(前年同月比)以外、4月から伸びが加速する見込みにある。

だが、5月のCPIは総じて予想を下回った。PPIも予想外に下振れする場合は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待を高める要因となろう。米中のロンドン協議に対するドルの買い戻しが限定的だったことも考えるならば、PPI の鈍化は米ドル安進行の要因として警戒したい。

米国 生産者物価指数(PPI):過去1年間

米国 生産者物価指数(PPI):過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤の棒グラフとドット:5月予想


ドル円の見通しとテクニカル分析

予想レンジの下限:143.00
外為市場は現在、米ドル安と円安がぶつかり合う状況にある。円安の圧力が若干優勢のため、ドル円(USD/JPY)は142円がサポートラインとなり、145円ミドルまで反発する局面が見られた(下のチャートの矢印を参照)。しかし、ロンドン協議での米中合意に対するドルの買い戻しは一過性に終わった。上で述べた5月米PPIがCPIに続き市場予想を下回る場合は、一転して米ドル安の進行を警戒したい。

米ドルと日本円の変動率:月初来

米ドルと日本円の変動率:月初来

ブルームバーグの為替データで筆者が作成

今日のドル円の予想レンジ下限を143.00レベルと想定したい。今日現在、4月22日の安値を基点としたトライアングルの下限が143.00レベルで推移する。サポートラインでもあるこのテクニカルラインを維持すれば、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。明日以降も下で取り上げるレジスタンスラインの攻防を意識したい。

144.00レベルを挟んで50日線と10日線が展開している。現在はこれら移動平均線の攻防にある。かろうじてサポートラインとして意識されているが、完全に下方ブレイクする場合は、6月6日の安値143.45のトライを想定したい。この安値水準をも下方ブレイクする場合は、トライアングルの下限を目指す展開を想定したい。

サポートライン
・144.00:50日線、10日線
・143.45:6月6日の安値
・143.00:予想レンジの下限、トライアングルの下限、短期サポートライン

予想レンジの上限:145.00
一方、今日の予想レンジの上限については145.00レベルを想定したい。今月6日以降、日足ローソク足の実体ベースで、このラインを突破できずにいる。現時点での本日高値の水準144.53レベルの上方ブレイクは、145.00をトライするサインと捉えたい。

トランプ米大統領の一方的な関税設定もドルの重石となろう。5月の米PPIが予想を上振れて米金利が反発しても、米ドルの買い戻しは限定的と予想する。

筆者の予想に反してドル円が145.00を突破しても、3月高値と4月安値の半値戻しの水準145.55手前で反落する展開を想定したい。

レジスタンスライン
・145.55:半値戻し
・145.00:予想レンジの上限
・144.53:本日の高値水準(レポート掲載時点)


ドル円のチャート

日足:今年3月以降

日足:今年3月以降

出所:TradingView


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