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NY金見通し (9/16):3550~3750ドル予想、反落は買いの好機

金価格の週間見通し。短期的な過熱感を意識した反落警戒。米FOMCの0.25ポイント(25bp)利下げは織り込み済み。米ドルの買い戻しに要注意。中長期の強気シナリオは不変。週間の予想レンジは3,550~3,750ドル。IG証券のアナリストが注目のチャート水準を詳細解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

強気相場を維持する金価格だが、今週は調整売りによる反落を警戒したい。現在の上昇トレンドが始まった8月20日以降、金価格はすでに11%上昇している。短期的な過熱感を意識した調整売りを警戒したい。

今週最大の焦点は16~17日の米FOMC。市場は0.25ポイント(25bp)利下げを完全に織り込み済み。思惑先行で米ドル安が進行している。FOMC後は米ドルの買い戻しに要注意。米ドル高は金価格の重石となろう。

しかし、中長期の強気シナリオは不変。下落相場は押し目買いの好機と考えたい。週間の予想レンジは3,550~3,750ドル。



金価格の週間見通しと予想レンジ

週明け15日のNY金相場は上昇スタートとなった。先物価格(12月物)は一時3,724.9ドルまで上昇し最高値を付けた。スポット価格(以下、金価格)も3,685.70ドルまで上昇し最高値を更新(IGレート)。強気相場を維持した。

上昇トレンドにある金価格だが、今週は過熱感を意識した調整の反落相場を警戒したい。しかし、中長期スパンでは強気見通しを維持する。よって、反落は押し目買いの好機と捉えたい。

週間の予想レンジ下限は、現在20日線が推移している3,550ドル。一方、予想レンジの上限は3,750ドルを想定。

金価格の日足チャート:2025年7月下旬以降

金価格の日足チャート:2025年7月下旬以降

出典:IG / TradingView


短期間で上昇拡大、過熱感否めず

今週、金価格の調整売りを警戒する理由が2つある。ひとつが相場の過熱感である。

上の日足チャートで金価格のトレンドを確認すると、8月20日以降、上昇幅が急拡大していることが分かる。ブルームバーグのデータ(週間ベース)によれば、終値ベースで約11%上昇している(9月15日時点)。RSIとストキャスティクスがともに「買われ過ぎ」の水準にあることも考えるならば、今週は過熱感を意識した調整の金(ゴールド)売りを警戒したい。

ブルームバーグ・インテリジェンスがまとめたゴールドETF「SPDR Gold Shares※」の資金フローデータによれば、2週連続で流入額が減少した。先週は約8億ドルの流出超となった。過熱感を意識した動きの一つと考えることができる。

金ETFの資金フロー:2025年以降

金ETFの資金フロー:2025年以降

ブルームバーグ・インテリジェンスのデータで作成 / 週間の資金フロー(9月12日時点)
※時価総額が最も大きいゴールドETF


米FOMC、利下げ織り込み済み、米ドル買い戻しも

16~17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。雇用関連の経済指標で労働市場の軟化を示唆する内容が相次いだことで、0.25ポイント(25bp)の利下げは完全に織り込み済み。市場参加者は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見で、“連続”利下げの可能性を探ろうとするだろう。

しかし、市場ではこの点についての織り込みも進んでいる。OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では10月の利下げ確率が9月以降、80%前後で推移している。一方、12月の利下げ確率は90%台にある。CMEのFedWatchツールでも、10月と12月の利下げを織り込む動きが見られる。

米FOMC 利下げ確率の推移:2025年6月以降

米FOMC 利下げ確率の推移:2025年6月以降

ブルームバーグのデータで作成 / OIS市場の予想確率(9月15日 午前7時30分時点)

高まる米利下げ期待を受け、8月以降の外為市場では思惑先行の米ドル安が進行している。米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は89日線と一目基準線で戻りが止められ、テクニカルの面でも地合いの弱さが確認できる。

ドル指数の日足チャート:2025年5月以降

出典:TradingView

先週11日の米債市場で、10年債利回りが節目の4.0%を割る場面が見られた状況も考えるならば、今週は思惑先行で進行してきた調整相場-米ドルの買い戻しと米債売り(金利上昇)を警戒したい。高値警戒感のなかで米ドル高となれば、金価格は下値をトライするだろう。以下で取り上げたサポートラインの攻防に注目したい。


金価格 注目のチャート水準

予想レンジの下限:3,550ドル
前述のとおり、金価格の日足RSIとストキャスティクスはいずれも短期的な過熱感を示唆する状況にある。また、現在はフィボナッチ・エクステンション261.8%の水準3,680レベルの攻防にある(下の日足チャート、黒矢印を参照)。筆者の予想通り金価格が調整売りに直面する場合、今週は以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。

変動幅の拡大を警戒し、20日線が推移している3,550ドルを今週の下限と想定したい。金価格が反落する場合、まずは1時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。青と赤で示した2つのフィボナッチ・リトレースメントのうち、先週11日の調整売りを止めた赤フィボナッチ・リトレースメントの38.2%戻し3,618ドル以外は、総じて重なっている。

節目の3,600ラインには、青の38.2%戻しと赤の半値戻しが重なっている。金価格が3,600ドルの維持に成功すれば、地合いの強さを市場参加者に印象付けるだろう。一方、金価格が3,600ドルを完全に下方ブレイクすれば、予想レンジの下限3,550ドルのトライを想定したい。このラインは、青の61.8%戻しと赤の76.4%戻しが重なる水準でもある。テクニカルの面で強固なサポートラインとなる可能性がある。なお、現在の金価格は強気相場にある。高値を更新する場合は、その都度フィボナッチ・リトレースメントの水準を確認したい。

冒頭で述べたとおり、中長期では金価格の強気見通しを維持する。よって、反落相場は押し目買いの好機と考えたい。

サポートライン
・3,618ドル:38.2%戻し(赤、1時間足)
・3,600ドル:38.2%戻し、半値戻し(青/赤、1時間足)
・3,577ドル:半値戻し、61.8%戻し(青/赤、1時間足)
・3,550ドル:予想レンジの下限、61.8%戻しと76.4%戻し(1時間足)、20日線(日足)

予想レンジの上限:3,750ドル
筆者の予想とは逆に、今週も金価格が強気相場を維持する場合は、先週11日のIGコモディティレポートで指摘した次の心理的節目3,700ドルのトライが最大の焦点となろう。

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フィボナッチ・エクステンション261.8%の水準3,680レベルと9月15日の高値3,685ドルを完全に突破する場合は、3,700ドルのトライを想定したい。

筆者の想定を超える上昇で金価格が3,700ドルを突破すれば、さらなる上値のトライが予想される。3,700ドルがサポートラインに転換する場合は、その可能性がさらに高まろう。先週12日の終値3,643ドル(IGレート)から約100ドル上の水準3,750ドルの攻防に注目したい。このラインを週間予想レンジの上限と想定したい。

レジスタンスライン
・3,750ドル:予想レンジの上限
・3,700ドル:心理的節目
・3,685ドル:9月15日の高値
・3,680ドル:フィボナッチ・エクステンション261.8%


金価格の日足チャート:2025年4月以降

金価格の日足チャート:2025年4月以降

出典:IG / TradingView

金価格の1時間足チャート:9月以降

金価格の1時間足チャート:9月以降

出典:IG / TradingView


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