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NY金予想(9/11):米利下げ期待と地政学リスクで3700ドル視野、焦点は米CPI

金価格が節目の3700ドルに接近。米FRBの利下げ期待と欧州・中東の地政学リスクが下支え。今晩の米CPI後の動きに注目。IG証券のアナリストが注目のレジスタンス・サポートラインを分かりやすく解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・NY金相場は調整売りを挟みながら強気相場を維持するだろう
・米利下げ期待の他、欧州・中東の地政学リスクも相場の下支え要因に
・金価格は3700ドルが視野に、反落は押し目買いの好機



調整売りも地合いの強さを維持

10日のNY金先物価格(12月物)は4営業日ぶりに反落した。前日に初の3700ドル台へ上昇したこともあり、この日は利益確定売り優勢となった。

スポット価格(以下、金価格)も3650ドル付近で調整売りに直面。テクニカルの面では、IGコモディティレポートで注目しているフィボナッチ・エクステンション261.8%の水準3680ドルを意識する状況にある。しかし昨日の小幅な下落は、金価格の地合いの強さを示唆した。

スポット金価格の日足チャート:2025年4月以降

スポット金価格の日足チャート:2025年4月以降

出所:IG/TradingView


米利下げ期待、欧州・中東の地政学リスク、高まる金の投資妙味

NY金相場は短期的な過熱感が意識されやすい状況にある。しかし、筆者は調整の反落を挟みながら強気相場が続くと予想している。そう考える理由の一つが、9日のIGコモディティレポートで指摘した米連邦準備制度理事会(FRB)の連続利下げ期待の高まりである。

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先週の米債市場では、FRBの金融政策の方向性を織り込んで動く2年債利回りが一時3.5%の水準を割り込んだ。ブルームバーグのデータによれば、9月5日の市場では3.46%台と、4月7日以来の水準まで低下する局面があった。

一方、10日の市場では予想外に鈍化した8月生産者物価指数(PPI)と堅調な需要が見られた10年債入札を受け、10年債利回りが4.02%台まで低下。節目の4.0%割れが視野に入る。

連続利下げ期待の高まりと米金利の低下は、米ドル安の要因である。米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)のトレンドを日足チャートで確認するとRSIは50のライン、MACDはゼロラインを下回る状況にある。89日線が米ドルの買い戻しを抑制している状況も考えるならば、97.00ポイントや7月1日の安値96.37ポイントを視野に弱気地合いが続くことが予想される。

米利下げを意識したこれら市場の動きは、NY金相場の押し上げ要因となろう。

ドル指数の日足チャート:2025年5月以降

ドル指数の日足チャート:2025年5月以降

出所:TradingView

NY金相場の上昇要因として、もう一つ注目したいのが、欧州と中東の地政学リスクである。

ポーランド国防省は10日、領空侵犯した複数のロシア無人機(ドローン)を撃墜したと発表した。ポーランドのドナルド・トゥスク首相は同日、NATO=北大西洋条約機構に大西洋条約第4条の発動を要請したことも明らかにした。発動される場合は、NATOとしての軍事的対応が協議される。
ロシアの国防省は同日の声明で、ポーランド国内の標的を攻撃する計画はなかったと主張し、ポーランドとの協議に応じる姿勢を見せた。ポーランド、NATO、ロシアの三者間では冷静な対応と協議で問題解決に動くことが予想される。しかし、米主導で進むウクライナ停戦協議のさなかに起きたポーランド領空侵犯は、欧州のロシア不信を高め、地政学リスクの不透明感を増大させたと言える。

中東の地政学リスクも再燃している。イスラエル軍は9日、カタールでイスラム組織ハマスの幹部を標的に攻撃を行ったと発表。米国が主導する停戦協議が進行する中、イスラエルがハマス掃討作戦を仲介国のカタールにまで拡大したことで、中東情勢の混迷は深まる一方だ。

これら国際情勢の先行き不透明感は、安全資産としての金(ゴールド)の投資妙味を高める要因である。


金価格の見通しと注目のチャート水準

3700ドルが視野に、米CPI後の動きに注目
9日のIGコモディティレポートでは、今週12日までの金価格(スポット)の予想レンジ上限を3700ドルとした。すでに先物価格(12月物)がこのラインへ到達したこと、そして前述した米FRBによる連続利下げ観測の高まりと地政学リスクも考えるならば、3700ドルのトライが現実味を帯びてきた。

今晩、8月の米消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグがまとめた市場予想では、インフレの粘着性が示される可能性がある。しかし、8月の生産者物価指数(PPI)に続き、予想外にインフレが抑制されていることが示される場合は、「米金利の低下→米ドル安→金価格の上昇」を想定したい。

米国の消費者物価指数(CPI):過去1年間の動向

米国の消費者物価指数(CPI):過去1年間の動向

ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフとドット:8月予想

金価格が3700ドルを目指すサインとして注目したいのが、冒頭で述べたフィボナッチ・エクステンション261.8%の水準3680ドルの攻防である(日足チャート参照)。このテクニカルラインの上方ブレイクは、3700ドルをトライするサインと捉えたい。

今週、金価格が3700ドルを突破する場合は、1時間足チャートのフィボナッチ・エクステンション161.8%の水準3740ドルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。同じフィボナッチ・エクステンション100%の水準がレジスタンスラインとして意識されている状況を考えるならば、161.8%の水準も相場の上昇を一度止める可能性がある。

また、調整売りの局面で3700ドルが下値支持線へ転換するかどうか?この点も重要な焦点となろう。

レジスタンスライン
・3740ドル:フィボナッチ・エクステンション161.8%(1時間足)
・3700ドル:予想レンジの上限、節目のライン(1時間足、日足)
・3680ドル:フィボナッチ・エクステンション261.8%(日足)

4つのサポートライン
日足チャートのRSIは金価格が「買われ過ぎ」であることを示唆している。今月に入ってすでに5.3%上昇している状況も考えるならば(IGレート、レポート掲載時点の上昇率)、過熱感が意識されやすい状況にある。8月米CPIが「米金利の反発→米ドル買い」の要因となれば、金価格の調整売りを予想する。

しかし、9日のIGコモディティレポートで指摘したとおり、金価格の反落局面は押し目買いの好機と捉えたい。前回のレポートでは3つのラインを示したが、今回のレポートでは新たに3625ドルのラインを追加した。この水準は今週、サポートラインとして相場を下支えしている。

「山高ければ谷深し」-変動幅の拡大を警戒し、予想レンジの下限は3560ドルを維持する。

サポートライン
・3625ドル:サポートライン
・3600ドル:心理的節目のライン
・3580ドル:サポートライン
・3560ドル:予想レンジの下限


【再掲】金価格の日足チャート:今年4月以降

【再掲】金価格の日足チャート:今年4月以降

出典:IG / TradingView

金価格の1時間足チャート:今年9月以降

金価格の1時間足チャート:今年9月以降

出典:IG / TradingView


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