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ドル円週間見通し(9/8週):石破首相退陣、高まる米利下げ期待、変動幅拡大を警戒

9/8週のドル円展望。予想レンジは146.00~150.00円。石破首相退陣で高まる国内の政局不安。米利下げ期待との交錯で今週は変動幅の拡大を警戒。IG証券のアナリストが注目のチャート水準を詳細解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

・石破首相が退陣表明、国内の政局不安は円安の要因に
・米労働市場が減速、高まる連続利下げ期待は米ドル安の要因に
・今週のドル円は円安と米ドル安の交錯による変動幅の拡大を警戒
・ドル円の週間予想レンジは146.00~150.00円



石破首相退陣、高まる政局不安、ドル円は変動幅拡大を警戒

石破茂首相は7日夜、首相官邸で記者会見を開き、自民党総裁を辞任する意向を表明した。米国との関税交渉に「一つの区切りがついた」ことを主な理由として挙げた。

週明けのドル円(USD/JPY)は148.10-17と、5日終値の147.40レベルから米ドル高・円安でスタートした(IGレート)。主要なクロス円も円安でスタートした。

円相場の動きを考える上で、目先は国内金利の動向を注視したい。財政規律を重んじる石破首相の退陣を受け長期と超長期ゾーンの金利が上昇する場合は、財政拡張路線への転換と財政悪化を意識した動きと捉えることができる。財政懸念を意識した「悪い金利の上昇」は、円安の要因として警戒したい。

しかし、以下で詳述する米労働市場の減速と高まる利下げ期待、そして日米利回り格差の縮小は米ドル安・円高の要因である。したがって今週のドル円は、円安と米ドル安の交錯による変動幅の拡大を警戒したい。

ドル円の5分足チャート:5日NY市場以降、8日早朝から7時30分までの動き

ドル円の5分足チャート:5日NY市場以降、8日早朝から7時30分までの動き

出典:IGチャート


米労働市場の減速、高まるFRBの連続利下げ期待

米国の労働市場が減速している。米労働省が5日発表した8月の雇用統計によれば、非農業部門雇用者数変化は2.2万人増と、ブルームバーグがまとめた市場予想7.5万人増を大きく下回った。失業率は4.2%から4.3%へ上昇した。7月JOLTS求人件数、8月ADP雇用統計、8月ISMサービス業の雇用指数も市場予想を下回った。低迷する雇用指標は、米利下げ期待を急速に高めている。

OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)市場では、9月の利下げを完全に織り込んだ。IG為替レポートで注目している10月の利下げ確率は50%台から70%台へ急上昇している。12月の利下げも90%台の確率で織り込んでいることを考えるならば、連続利下げの可能性が意識される状況にある。

米FOMC 予想利下げ確率の推移:日次 6月以降

米FOMC 予想利下げ確率の推移:日次 6月以降

ブルームバーグのデータで作成 / OIS市場の予想確率(9月5日時点)

利下げ期待の高まりは、CMEのFedWatch ツールでも確認できる。現状、9月の0.25%利下げを織り込み、11%の確率で0.5%利下げの可能性を意識する状況にある。前述した10月利下げの可能性が高まっている状況も考えるならば、8月の米雇用統計は市場参加者の利下げ期待を大きく高めたと言える。

米FOMC 9月の利下げ確率

米FOMC 9月の利下げ確率

出所:CMEのFedWatchツール / 9月6日時点

5日の米債市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策方針を織り込んで動く2年債利回りが、一時3.46%台まで急低下した。ブルームバーグのデータによれば、トランプ関税ショックが意識された4月7日以来の低水準である。10年債利回りは4.07%まで低下し、節目の4.0%割れが視野に入る。OIS市場と同じく米債市場の参加者も米FRBが9月以降、連続して利下げに踏み切る可能性を強く意識している。

パウエルFRB議長が懸念していた労働市場の下振れが雇用指標で確認された以上、来週も米金利には低下の圧力がかかり、日米金利差の縮小傾向は続くと思われる。この動きは米ドル安・円高の要因となろう。

日米利回り格差の動向:日次 今年4月以降

日米利回り格差の動向:日次 今年4月以降

ブルームバーグのデータで作成 / 9月5日まで


ドル円の週間見通しとテクニカル分析

週間予想レンジの下限:146.00
現在の外為市場の焦点は、米FRBの利下げと米ドル安の進行にある。しかし、冒頭で述べた石破首相の退陣による国内政局の流動化は円安の要因になり得る。したがって今週のドル円(USD/JPY)は、上下に大きく振れる不安定な相場を警戒したい。

現在の外為市場は米ドル安を意識する状況にある。ドル円が下値をトライする局面では、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。週間の予想レンジの下限は146.00レベルを想定。テクニカルの面では、146.17レベルで推移している89日線の維持が焦点となろう。

ドル円が146.00を目指すサインとして注目したいのが、8月以降サポートラインとして機能し、かつ先週5日の下落を止めた半値戻しの水準146.80の攻防となろう(日足チャート、赤矢印を参照)。現在、147.30台で推移している50日線の下方ブレイクは、146.80のラインをトライするサインとなろう。

サポートライン:日足チャート
・147.33:50日線
・146.80:半値戻し
・146.17:89日線
・146.00:週間予想レンジの下限

週間予想レンジの上限:150.00
今週、国内の政局不安以外でドル円(USD/JPY)の上昇要因として注視したいのが、米インフレ指標である。

10日に8月生産者物価指数(PPI)、11日に同月消費者物価指数(CPI)が発表される。市場の注目度が高いのは米CPIだが、PPIも含めてインフレの粘着性が確認される場合は、米金利の短期的な反発と米ドルを買い戻す要因になり得る。

米国の消費者物価指数(CPI):過去1年間の動向

米国の消費者物価指数(CPI):過去1年間の動向

ブルームバーグのデータで作成 / 赤棒グラフとドット:8月予想(レポート掲載時点)

国内の政局不安による円安と米ドルの買い戻しが重なれば、ドル円の急伸を警戒したい。この場合は、149円台への上昇を予想する。ドル円が149円台で底堅さを維持すれば、節目のライン150.00が視野に入ろう。このラインを今週の予想レンジの上限と想定したい。

前述のとおり現在の外為市場は、労働市場の減速で米FRBの利下げ期待が急速に高まっている。利下げ期待の高まりは米ドル安の要因である。ゆえにドル円の上昇局面では、以下で取り上げたレジスタンスラインでの急反落を警戒したい。

最初の焦点は149.00と149.10レベルの攻防となろう。日足チャートでトレンドを確認すると、7月30~8月1日を除き、149.00がレジスタンスラインとして意識されていることが分かる。149.10レベルはフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準に当たる(4時間足の黒矢印を参照)。先週3日の上昇を止めた経緯もある。4時間足の半値戻し148.56の上方ブレイクは、149円を目指すサインと捉えたい。

ドル円が149円台へしっかりと上昇する場合は、フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しの149.80レベルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。このテクニカルラインの上方ブレイクは、予想レンジの上限150.00をトライするサインとなろう。

時間足のRSIとストキャスティクスで相場の過熱感を確認したい(レポートでは4時間足を採用)。ドル円がレジスタンスラインをトライする局面で、これらオシレーター指標がいずれも「買われ過ぎ」の水準にある場合は、反落を警戒したい。

レジスタンスライン
・150.00:週間予想レンジの上限(4時間足、日足)
・149.80:76.4%戻し(4時間足)
・149.12:61.8%戻し(4時間足)
・149.00:レジスタンスライン(日足)


ドル円の日足チャート:今年4月以降

ドル円の日足チャート:今年4月以降

出典:TradingView

ドル円の4時間足チャート:8月以降

ドル円の1時間足チャート:8月以降

出典:TradingView


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