コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

【NY金の見通し】くすぶるドル安再燃、金価格はレンジ相場脱却なるか、パウエルFRB議長の会見にらみ

今週の金価格は、レンジ相場からの脱却が焦点となろう。FOMCとパウエルFRB議長の会見に対する米ドルの反応に注目したい。

Source: Adobe images Source: Adobe images

概要

現在の金価格は3200~3360ドルのレンジ相場にある。今週の焦点はレンジ相場からの脱却となろう。米金利が上昇しても米ドルの買い戻しは限定的である。金価格は上値の重い米ドルの動きを意識し、3200ドルで底固めのムードが漂う。米ドル安が再燃すれば、金価格の反発ムードが強まろう。一方、米ドルの買い戻しが再び進行すれば、金価格は3200ドルの下方ブレイクを警戒したい。今週6~7日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。利下げ見送りは確実視されている。パウエルFRB議長の会見で米ドルが上下に振れる展開を想定したい。



米金利反発も上値の重い米ドル、揺らぐ米ドルの信認

4日のIG週間為替レポートで述べたとおり、外為市場ではトランプ関税ショックによる米ドル安が一服している。しかし、買い戻しは限定的である。週明けのドル指数(DXY)は売り優勢でスタートした。21日線がレジスタンスラインとなり、節目の100ポイントを再び下抜ける状況は、米ドル安再燃の可能性を意識させる。

ドル指数のチャート:日足 2月以降

出所:TradingView

先週2日の4月雇用統計は米金利の上昇要因となった。本来であれば、米金利の上昇は米ドル高の要因である。しかし、トランプ米大統領が相互関税を発表して以降、米金利が上昇しても米ドルは上値が重い。この動きは、トランプ関税のショックから米ドルが完全に脱し切れていないこと、言いかえれば米ドルの信認が揺らいでいることを示唆している。


金価格の焦点はレンジ相場からの脱却

米金利が再び反発するなかでもスポット金価格(以下では金価格)は、3200ドル台で底固めのムードが漂い始めている。週明けは買いスタートとなった。米金利よりも米ドル安の方を意識する動きである。

だが、金の買い戻しは限定的である。金価格が上昇トレンドへ回帰したと判断する水準として注目したいのが3360ドルの水準である。4月16日以降、21日と22日を除きこの水準は、レジスタンスラインとして相場の上昇を止め続けている。3360ドルの突破、そしてこのラインのサポート転換は、金価格が再び3500ドルを目指すサインとなろう。

一方、金価格が3200ドルを下抜ける場合は、レンジ相場の下方ブレイクを意味する。このケースでは、4月上旬の高値水準3160ドルを視野に調整の反落相場が進行する展開を想定したい。3160ドルはトランプ関税ショックで揺れた4月高安の61.8%の水準にあたる。

金価格のチャート:日足 今年の2月下旬以降

金価格のチャート:日足 今年の2月下旬以降

出所:TradingView


米FOMCの焦点は今後の政策方針、パウエル会見と米ドルの反応は?

今週6~7日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。利下げの見送りは確実視されている。また、短期金融市場では現在、次回の利下げ時期が6月から7月に後ずれしている。ゆえに今回の焦点は、利下げ時期の見極めとなろう。この点について市場参加者は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見から、そのヒントを探ろうとするだろう。

米政策金利の予想推移

米政策金利の予想推移

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / OISに基づく予想 / 5日 午前11時時点

トランプ米大統領は早期の利下げを志向している。しかしパウエルFRB議長は、トランプ関税がインフレに与える影響を見極める必要性から、追加の利下げについては慎重な構えを見せている。定例会見ではインフレ抑制重視の姿勢を改めて示すことが予想される。このケースでは、利下げ時期が後ずれするとの思惑がさらに強まることが予想される。パウエルFRB議長の会見が米ドル買いの要因となれば、金価格はレンジの下限として意識されている3200ドルを下方ブレイクする展開を意識したい。

現在の米ドルは、米金利が上昇しても上値の重い状況にある。ゆえに、追加の利下げでパウエルFRBが慎重な姿勢を維持しても米ドル安で反応する可能性がある。タカ派のパウエル会見で米ドル安となれば、トランプ関税による米ドルの信認が揺らいでいることをさらに印象付けよう。このケースでは、レンジの上限として意識されている3360ドルを視野に金価格の反発相場を想定したい。


金価格 今週の見通しと注目のテクニカルライン

反発局面での焦点は3360ドルの突破
冒頭で述べたとおり、現在の金価格は3200~3360ドルのレンジ相場にある。今週の焦点は、このレンジ相場からの脱却となろう。米金利が反発しても米ドルの買い戻しが限定的となっている今の状況は、金価格の押し上げ要因となろう。FOMCとパウエル会見後も米ドル安が続く場合は、3360ドルを視野に入れた上昇相場を想定したい。

金価格が3360ドルをトライするサインとして、まずはフィボナッチ・リトレースメント23.6%戻しと半値戻しの攻防に注目したい。このテクニカルラインはレジスタンス転換の可能性がある。今日の午前中に23.6%戻しをトライする局面が見られた(1時間足の黒矢印を参照)。

日足の一目転換線の突破は、3300ドルを目指すサインとなろう。3300ドル台の攻防では、先月28日の上昇を止めた半値戻しの水準3350ドルの攻防が焦点となろう。3330ドルの突破は、半値戻しをトライするサインとなろう(いずれも1時間足の黒矢印を参照)。また半値戻しと3360ドルは、レジスタンスゾーンを形成する可能性がある。

米ドル安が進行すれば、金価格は3360ドルを突破する可能性がある。この水準がサポートラインへ転換すれば、3500ドルを視野に上昇幅が拡大するサインと捉えたい。

レジスタンスライン
・3360:レンジの上限(1時間足、日足)
・3351:半値戻し(1時間足)
・3330:レジスタンスライン(1時間足)
・3300:レジスタンスライン(日足)
・3282:一目転換線(日足)
・3272:23.6%戻し(1時間足)

3200ブレイクなら3160ドル台までの下落を想定
一方、FOMCとパウエル会見が米ドル買いの要因となれば、金価格の重石となろう。金価格の下落局面では、レンジの下限として意識されている3200ドルの維持が焦点となろう。このラインを目指すサインとして、3228ドルの攻防に注目したい。この水準は日足の半値戻しの水準であり、かつ現在は一目基準線が推移している。

金価格が3200ドルを完全に下方ブレイクする場合は、調整売りが進行するサインと捉えたい。このケースでは、日足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準3164ドルのトライを想定したい。このテクニカルラインは、4月2~3日の高値水準にあたる(日足チャートの黒矢印を参照)。サポートラインへ転換する可能性がある水準として注目したい。

サポートライン
・3228:一目基準線、半値戻し(日足)
・3200:レンジの下限(1時間足、日足)
・3164:61.8%戻し(日足)


金価格のチャート

【再掲】日足:今年の2月下旬以降

日足:今年の2月下旬以降

出所:TradingView

1時間足:4月下旬以降

1時間足:4月下旬以降

出所:TradingView


本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IG証券の商品(コモディティ)トレード

  • 約70種類の商品が取引可能
  • 原油や金など主要な商品の円建て銘柄
  • 金・銀、原油はバイナリーでも

リアルタイムレート

  • FX
  • 株式CFD
  • 株価指数CFD

※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。

モーニングメール

ストラテジストによる「本日の予想レンジとトレンド」を毎朝※無料でお届け中! ※メール送信は基本的に月~金の平日を予定しておりますが、ストラテジストの都合により予告なく送信を行わない日がございますので、予めご了承ください

弊社の個人情報保護方針・アクセスポリシーにご同意の上、申し込みください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。