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ドル円週間予想(6/2-6):142.00-146.15レンジ、ドル安警戒、ISMと雇用統計に注目

外為市場では米ドル安のトレンドが続いている。今週のドル円は142.00-146.15レンジを予想。5月の経済指標でトランプ関税の影響を見極めたい。今週の注目指標はISM指数と雇用統計。予想を下回る内容が続けばドル安継続を想定。トランプ関税の不透明感はリスク回避の円高要因として警戒したい。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の要点

・ドル指数の動きは、現在の米ドルの地合いの弱さを示唆している
・今週の米金利と米ドルは、ISM指数と雇用統計で大きく動く可能性がある
・トランプ関税の不透明感はリスク回避の円高要因として警戒したい
・ドル円の週間予想レンジは142.00-146.15



ドル指数が示唆する根強い米ドル安圧力

外為市場では米ドル安のトレンドが続いている。先週は米ドルを買い戻す動きが見られた。しかし、米ドルのトレンドを示すドル指数(DXY)は、短期レジスタンスラインと日足の一目雲の下限で反落した。この時の日足ローソク足は大陰線となった。ゼロラインを下回るMACDと50を下回るRSIの動向も考えるならば、米ドルの地合いは弱い。下で述べる経済指標の内容次第では、今週も米ドル安を警戒したい。

ドル指数のチャート:日足 年初来

ドル指数のチャート:日足 年初来

出所:TradingView


米金利の上昇一服、日米利回り格差がじわりと縮小、5月の米経済指標にらみ

米債市場では金利の上昇が一服している。一時4.6%へ上昇した10年債利回りは現在、4.4%台まで低下している。ブルームバーグのデータによれば、先月30日の市場では4.38%台へ低下する局面が見られた。一方、20年債と30年債の超長期ゾーン金利の上昇も一服している。

米金利のチャート:日足 年初来

米金利のチャート:日足 年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成

米国の(超)長期ゾーン利回りの低下を受け、2年債と5年債の利回りも低下基調にある。米金利の低下を受け、レンジが続いていた日米の利回り格差がじわりと縮小の傾向へ転じるムードにある。

日米利回り格差のチャート:日足 年初来

日米利回り格差のチャート:日足 年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成

今月から5月の米経済指標が相次ぐ。トランプ関税の影響が出始める5月の指標は米ドルと米金利の変動要因となろう。

今週は5月のISM指数と雇用統計が発表される。ブルームバーグがまとめた予想によれば、2日のISM製造業景気指数と4日のISM非製造業景気指数はともに4月から改善の見通しにある。5月の米消費者信頼感指数は98.0と、前月の85.7から急回復した。相互関税の上乗せ分の90日間停止が消費者マインドの改善に寄与したとの見方がある。ISM指数が予想以上に企業マインドの改善を示唆する場合は、米ドルを買い戻す要因となろう。この点は6日の雇用統計も同じである。

警戒すべきは、これら経済指標が総じて予想以下となる場合である。4月の米個人消費支出価格指数(PCEデフレーター、前年同月比)でインフレの抑制が確認された状況で、景気の先行き懸念を強める経済指標が続けば、米金利には低下の圧力が強まる展開が予想される。米金利の低下は日米の利回り格差の縮小を促し、ドル円(USD/JPY)の下落要因となろう。

ISM指数の動向:過去1年間

ISM指数の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成 / 赤のドット:5月予想

米雇用統計 各項目の動向:過去1年間

米雇用統計 各項目の動向:過去1年間

ブルームバーグのデータで筆者が作成/ 赤の棒グラフとドット:5月予想

トランプ米大統領、鉄鋼・アルミニウム関税を50%に、円高を警戒

トランプ米大統領は先月30日、鉄鋼とアルミニウムの関税を25%から50%に引き上げることを表明した。新たな関税は6月4日から発動するという。また、トランプ氏は自身のSNSに中国が我々との合意を完全に破っていると投稿した。一方、米通商代表部(USTR)のグリア代表はCNBCのインタビューで、中国はジュネーブでの合意を順守せず取り組みが遅いと指摘した。

突然の方針転換(関税引き上げ)や相手国の非難、そしてトランプ関税をめぐり米司法の判断が揺れている状況は、「先が読めない」という投資家の懸念を強める要因である。相互関税が発表された4月以降のトレンドを考えるならば、関税懸念は米ドル安の要因である。また、この懸念が米株高の流れを止める場合は、リスク回避の円高を警戒したい。


ドル円の週間見通しとテクニカル分析

週間予想レンジの下限:142.00
日足チャートでドル円(USD/JPY)のトレンドを確認すると、先週はフィボナッチ・リトレースメント61.8%戻しの水準146.15レベルで上値が止められた。先月30日の下落局面では、一目雲の下限を下方ブレイクする局面も見られた。MACDはゼロラインを下回り、RSIは50以下の水準にある。これらテクニカルの攻防と動向は、ドル円の地合いの弱さを示唆している。

今週は142.00レベルを予想レンジの下限と想定したい。この水準は4月の下旬以降、サポートラインとして意識されている。また、フィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しの水準であり、かつ先月27日に5月の下落相場を止めた経緯もある(日足チャート)。

2つのテクニカルラインが重なる143.70レベルの下方ブレイクは、143.00をトライするサインと捉えたい。この水準はサポートラインへ転換する可能性があり、かつフィボナッチ・リトレースメント76.4%戻しの水準にあたる(1時間足チャート)。ドル円が143円をも一気に下方ブレイクすれば、予想レンジの下限142.00のトライを想定したい。

142円割れやレジスタンス転換なら140.00トライの可能性も
関税政策での米政権要人の強硬な言動は、5月の米株高トレンドに水を差す可能性がある。さえない経済指標による米ドル安の進行も重なり、筆者の想定を超えてドル円の下落幅が拡大する場合は、心理的節目の140.00を視野に下落幅の拡大を想定したい。142.00を下方ブレイクした後に反発しても、この水準がレジスタンスラインへ転換する場合もまた、140.00をトライするサインになり得る。

サポートライン
・143.70:一目雲の下限(日足)、61.8%戻し(1時間足)
・143.09:76.4%戻し(1時間足)
・142.00:予想レンジの下限、76.4%戻し、5月27日の安値水準(日足)
・140.00:心理的節目のライン(日足)

週間の予想レンジ上限:146.15レベル
強い米経済指標は関税懸念を相殺する要因となろう。ISM指数と雇用統計が総じて予想以上の内容となれば、米ドルの買い戻しが予想される。ドル円(USD/JPY)は、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。

週間の予想レンジ上限は146.15レベル。この水準は先週の高値レベルであり、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準でもある(日足チャート)。

ドル円が146.15レベルをトライするサインとして、3つのテクニカルラインの攻防に注目したい。ひとつは、レジスタンスラインへ転換する兆しが見られる21日線である。レポート掲載時点で、この移動平均線は144.60台で推移している。1時間足チャートをみると、すぐ下の144.50レベルはレジスタンスへ転換する兆しが見られる(緑矢印を参照)。144.50-60をレジスタンスゾーンと想定し、上限の21日線を上方ブレイクする場合は、145円を目指すサインと捉えたい。

ドル円が145円台の攻防となる場合は、50日線と半値戻しの水準145.38の攻防に注目したい(日足チャート)。後者のテクニカルラインを突破する場合は、予想レンジの上限146.15のトライを意識したい。

レジスタンスライン:日足
・146.15:週間の予想レンジ上限
・145.38:半値戻し
・145.05:50日線
・144.67:21日線


ドル円のチャート

日足:今年3月以降

日足:今年3月以降

出所:TradingView

1時間足:4月以降

1時間足:4月以降

出所:TradingView


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