OPEC総会

石油輸出国機構 (OPEC) 総会とその発表が、トレーダーにとって重要な理由や、石油の国際価格に与える影響について解説いたします。

OPEC総会とは?

OPEC総会は年に2回開かれる会議で、加盟13カ国の石油生産割当量が決定されます(2020年8月現在)。この割当量は世界的な石油供給、そしてその価格に影響を及ぼすため重要です。

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OPEC総会はトレーダーにどのような影響を与えるのか?

OPEC総会では、OPEC加盟国と一部の投票権を持たないオブザーバーのための石油生産枠が設定されます。これらの割り当ては、世界の原油供給に強い影響を与えるため、その価格にも影響を与える可能性があります。なぜなら、OPEC加盟国は2019年の実績原油埋蔵量の79.4%をコントロールしており、世界の石油の約44%を供給しているからです。1

OPEC総会で設定された割当量は、天然ガスや暖房用石油を含む他のエネルギー市場の需要にも影響を与える可能性があります。このため、トレーダーにとってもOPEC総会は重要な日程となっています。

OPECはどのように石油価格を変えるのか?

OPECは供給量を調整することで石油価格を変えることを目的としています。加盟国が石油価格を上げたい場合は、供給を制限するために生産割当量を下方修正します。また、石油価格を下げたい場合は、供給を増やすために生産割当量を上方修正します。需要が一定であるとすれば石油価格は意図した方向へ変わるのです。

他の主要生産国(ロシア、メキシコ、カザフスタンなど)も、生産レベル調整のため投票権のない立会人としてOPEC総会に加わることがあります。例えば2017年1月には、いくつかの非加盟国が石油生産を減らすためにOPECと手を結ぶことに同意しました。また更なる減産が2018年の12月に合意され、2019年7月にこれが延長されることが決定。

しかしながら、OPECの石油価格調整能力は、国際的な供給と需要の変化によってこの10年低下しています。アメリカは近年国内のシェールオイル生産を増やしており、OPEC生産石油の需要が低下しています。これにより、中国の消費量が急上昇しているにもかかわらず国際価格が押し下げられています。とはいえ、世界的危機 (2011年のアラブの春など) の結果として将来的な供給をめぐる不安で需要が高まるなど、短期的な価格の急上昇は未だに時折起きています。

したがってトレーダーは、石油価格を推測する前に最新のOPEC割当量に加えて他の経済統計やニュースソースを考慮しようとするのです。

石油価格に影響を与えるものについて、さらに詳しくはこちら

OPECは「加盟国の石油政策を調整、統一し、消費者への効率的、経済的、一定的な石油供給を確保するために石油市場を着実に安定させ、生産国の安定した収益を確保し、石油産業への投資に対して適正な利潤を資本に確保すること」を目的として掲げています。

OPECの綱領は高尚であるように聞こえますが、実際はカルテルです。価格を調整し、利益を最大化し、加盟国間の競争を制限する役割を果たしています。供給制限による不当利益行為や、価格を低下させてライバル (アメリカのシェール生産企業など) を破産させる目的で石油余剰を故意に発生させるなどの反競争的アクションによってしばしば非難を集めています。

政治もしばしば関係しています。例えば1973年には第四次中東戦争でイスラエルを支持しているとOPECが見なした対象国への石油供給を制限する投票を行いました。国際価格は1973年10月に1バレルあたり3ドルだったのが、1974年3月には12ドルになりました。

しかし、OPEC総会は、もし加盟国が新たな生産量に全会一致で同意できなければ行き詰まりに終わる可能性もあります。合意に至るのは簡単ではありません。各加盟国は一般的に自国の生産レベルを最大化して他国の生産レベルを制限し、最良の価格と生産量で利益を得ようとするためです。この問題は国家間の無関係の政治的緊張により悪化することがあります。加盟国間の摩擦は、ある国が事前に合意に至った割当量を超過することで生じることもあります。それによりグループ全体が受け入れる価格が引き下げられることがあるためです。

OPECの構成

OPEC会議は、年に2回、総会が事務局ビルとして知られるOPEC本部(ウィーン)で開かれます。加盟国による要求がありOPEC加盟国過半数が承認した場合にのみ、臨時会議が開かれることもあります。

決定は総会当日の記者会見で発表されます。ほとんどの決定事項は30日後に有効となります (別日で合意した場合、または施行前に加盟国によって決定が拒否された場合を除く)。

OPECは月刊および年刊の石油市場レポートを発行しています。また年に一度、長期的な石油の見通しを評価した石油展望レポートも発行しています。

2019年7月1日に開催されたOPEC総会では、現在実施している協調減産を今年9月から2020年3月まで9カ月間延長することを決めました。今回の決定によりOPECの加盟国および非加盟国は、2018年10月に合意した日量120万バレルの減産を継続することになります。

今回の決定の背景には、原油価格の下落を阻止するという産油国の思惑があります。なぜ原油価格は下落圧力にさらされているのか?その理由は主に2つあります。ひとつは、近年、米国産シェールオイルの生産量が増加していることです。もうひとつは、米中貿易摩擦の激化です。特に今回の総会ではこの点が強く意識されました。貿易摩擦は中国経済の減速要因です。中国は世界最大の原油輸入国です。米中貿易摩擦が長引けば中国経済はさらに減速するでしょう。そして中国経済の減速は原油の需要を縮小させます。産油国はこのリスクに前もって対処する必要があるため、協調減産の延長を決定しました。

次回のOPEC総会の日程

第180回のOPEC総会は、2020年11月30日に開催が予定されています。

OPECに加盟している国は?

OPECが1960年に創設された時は、イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5つの創設メンバー国から成っていました。現在は13カ国が加盟しています(2020年6月現在)。

それぞれの国は各会議に1名以上の代理人を送るよう要求されていますが、定足数を満たすには3分の2以上の会議参加者が必要です。国の代理人が1人以上の場合は、代表者を1人決める必要があります。通常は国の石油またはエネルギー大臣です。

各国につき1票が与えられ、方針変更が施行される前に全会一致で可決する必要があります。その他のロシア、メキシコ、カザフスタンといった国々は、許可されればオブザーバーとして参加することもありますが、投票権はありません。

国名 加入年
サウジアラビア 1960年
イラン 1960年
イラク 1960年
ベネズエラ 1960年
クウェート 1960年
リビア 1962年
アラブ首長国連邦 1967年
アルジェリア 1969年
ナイジェリア 1971年
ガボン 1975年
アンゴラ 2007年
赤道ギニア 2017年
コンゴ共和国 2018年

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1 OPEC, 2019

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