米国株 週間見通し(10/6~10週):S&P500予想6600~6810、追加利下げ期待が下支え
S&P500の週間見通し。景気不安よりも利下げ期待の方が意識され強気相場継続か。株価指数CFD「米国500」の予想レンジは6600~6810。注目のチャート水準についてIG証券のアナリストが詳細解説。

米政府機関の閉鎖下でもS&P500は連日の最高値更新で初の6700台乗せ。景気不安より追加利下げが意識され、今週も強気相場を維持か。S&P500の株価指数CFD「米国500」は6800レベルを視野に上昇も。一方、過熱感による調整売りで反落する場合は、6600の維持に注目したい。直下には、8月以降サポートラインとして意識されている25日線が上昇している。
主要指数が上昇、S&P500は初の6700台
米国株が強気相場を維持している。主要指数は先週、いずれも前週から反発して終えた。週間の上昇率は前週比1%超となった。予算失効に伴い米連邦政府機関の一部が閉鎖に追い込まれた。しかし、ダウ平均とS&P500種株価指数(以下S&P500)は連日で最高値を更新した。
米株価指数の週間変動率:2025年5月以降

ブルームバーグのデータを基に作成
注目の指数はS&P500である。10月1日に初めて6700台に乗せた後も強気相場を維持し、3日の終値が6715.79と、6700台を維持して終えた。
S&P500は、今年4月のトランプ関税ショック時の終値ベースの安値4982.77(4/8)から10月3日時点で34.8%も上昇している。節目の6700へ到達し達成感も出やすい。調整売りが入ってもおかしくない状況にもかかわらず逆に最高値を更新した状況は、後述する米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げを強く意識した相場にあることを示唆している。
S&P500の日足チャート:年初来

TradingView提供のチャート
景気不安よりも追加利下げを意識
米供給管理協会(ISM)が3日発表した9月のISM非製造業景気指数は50.0と、ブルームバーグ予想の51.7を下回った。新規受注が50.4と、前月の56.0から大幅に低下。雇用は46.5から47.2へ改善した。しかし、4か月連続で50.0を下回る状況は、サービス業の雇用が低迷していることを示唆している。
ISM非製造業景気指数:過去1年間

ブルームバーグのデータを基に作成
労働市場が減速するなか、ISM非製造業景気指数は景気判断の分かれ目である「50」へ低下した。9月のISM製造業景気指数は49.1と、7か月連続で「50」を下回る状況にある。ISM指数の低迷は景気不安を想起させる。しかしS&P500は6700台へ到達した。FOMC以降の株高を考えるならば、景気不安よりも米FRBの追加利下げの方を重視した動きと言える。
今週も米連邦政府機関の閉鎖が続く場合、市場参加者の利下げ見通しに影響を与える雇用指標とインフレ指標の発表は延期される公算が大きい。特に雇用指標の延期は米国株の下支え要因になり得る。強い内容ならば利下げ見通しの修正を迫り、弱い内容が続けば、さすがに追加利下げよりも景気不安の方を重視せざるを得ない状況に陥る可能性があるからだ。今週もS&P500は調整売りをこなしながら、強気相場を維持する展開が予想される。
米国500のテクニカル分析
予想レンジの上限:6810
今週もS&P500が強気相場を維持する場合、同指数を原資産とする株価指数CFD「米国500」は、以下にまとめたレジスタンスラインの攻防に注目したい。
週間の予想レンジ上限は6810を想定。この水準は、3日終値6713(IGレート)から約100ポイント上の水準であり、かつフィボナッチ・エクステンション100%にあたる。次の節目の水準6800の突破は、6810をトライするサインと捉えたい。3日の高値水準6751を突破する場合は、6800を視野に上昇幅の拡大を意識したい。
レジスタンスライン
・6810:予想レンジの上限(4時間足)
・6800:次の節目の水準(日足)
・6751:10月3日の高値水準(4時間足、日足)
予想レンジの下限:6600
現在のS&P500は過熱感が意識されやすい状況にある。調整売りに直面する場合、米国500は以下にまとめたサポートラインの攻防が焦点となろう。
8月以降、米国500のサポートラインとして意識されている25日線が6600付近まで上昇している。9月FOMC以降、日足ローソク足の実体で6600がサポートラインとして意識されている状況も考慮し、6600を今週の下限と想定したい。日足の一目転換線の下方ブレイクは、6600を目指すサインの一つと捉えたい。6700の下方ブレイクは、転換線をトライするサインとなろう。
米国500が転換線を下方ブレイクする場合は、4時間足チャートのフィボナッチ・リトレースメント61.8%と76.4%の水準の攻防に注目したい。後者のテクニカルラインの下方ブレイクは、6600の攻防を意識したい。
筆者の想定を超える調整売りで6600を下方ブレイクする場合は、9月11日以降、反落の局面で相場をサポートしている6550までの下落を想定したい。
サポートライン
・6700:サポートライン(4時間足、日足)
・6660:一目転換線(日足)
・6639:61.8%戻し(4時間足)
・6612:76.4%戻し(4時間足)
・6600:予想レンジの下限(4時間足、日足)
・6550:サポートライン(日足)
米国500の日足チャート:2025年6月以降

TradingView提供のチャート
米国500の4時間足チャート:9月以降

TradingView提供のチャート
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