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米国株、エヌビディア効果不発か S&P500先物低調 見通し不安継続

S&P500は続伸で2週間半ぶり高値。一方、エヌビディア決算に対するSP500の先物価格の反応は低調で、見通しへの不安が続いている。

米国株、エヌビディア効果不発か S&P500先物低調 見通し不安継続 出所:ブルームバーグ

アメリカの株式市場で期待と不安が交錯した。S&P500種株価指数の25日の終値は2日続伸の前日比0.81%高で、2週間半ぶりの高値を記録した。半導体大手NVIDIA(エヌビディア)が取引時間終了後に好決算を発表するとの思惑が値上がりにつながった形だ。大手ハイテク株もそろって上昇し、投資家心理の改善も感じられている。一方、エヌビディアの決算が発表された25日夕方以降の金融市場での、S&P500に関連した先物商品の値動きは冴えなかった。S&P500先物は決算発表直後は上昇で反応したものの、その後はマイナス圏に転じている。エヌビディアの決算自体は市場予想を超える好決算だったが、株式市場のムードが好転したとはいえなさそうだ。エヌビディアの好決算を裏付けた人工知能(AI)の本格普及がソフトウェア企業には逆風になるとの懸念や、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げへの期待の後退といった不安要因も多く、S&P500の今後の見通しには下落リスクがつきまといそうだ。

S&P500は2日続伸で合計1.59%高 2週間半ぶりの高値

S&P500(SPX)の25日の終値は6946.13で、2日続伸の間に合計1.59%高となった。ブルームバーグによると、25日終値は9日以来の高値で、1月27日につけた最高値(6978.60)からは0.47%安の水準まで回復している。株式市場でのAIブームの立役者であるエヌビディアが取引時間終了後に発表する2025年11月-2026年1月期決算が良い結果になるとの期待が追い風になったようだ。

S&P500とアメリカの長期金利の推移のグラフ

マグニフィセント・セブンの7社がそろって上昇 投資家心理は改善

25日の取引ではS&P500への影響度が大きい「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手ハイテク7社の株価がそろって上昇している。エヌビディアの株価(NVDA)が4営業日続伸の前日比1.41%高となったほか、マイクロソフト(MSFT)が2.98%高、メタ・プラットフォームズ(META)が2.25%高にになるなどした。マイクロソフトなどはエヌビディアの最先端半導体をAI事業の強化に用いており、互いの成長が株価上昇につながる筋書きを見込むこともできる。

アルファベット、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・コム、マイクロソフト、テスラ、アップルの株価の推移のグラフ

こうした中、投資家心理にも改善の動きがみられた。シカゴ・オプション取引所によると、ウォール街の「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数(VIX)の25日の終値は前日よりも8.29%低い17.93。11日(17.65)以来の低さとなった。VIXはS&P500のオプション取引の動向から算出され、値が大きいほど今後の値動きが荒くなることへの警戒が強いことを示す。

VIXとS&P500の推移のグラフ

エヌビディアは好決算を発表もS&P500先物は下落 AIブームの余波に警戒感

一方、エヌビディアの決算に対する株式市場の反応は力強さにかけた。ブルームバーグによると、S&P500の先物商品の価格は、エヌビディアの決算の内容が伝わった午後4時30分ごろに急上昇。午後4時段階の価格との比較では一時、0.35%高まで値上がりした。しかしその後は上げ幅を縮め、午後4時の水準からマイナス圏に転じている。エヌビディアの11-1月期決算は総収入と利益に加え、2-4月期の総収入の見通しも市場予想を上回る好決算だったが、米国株全体への期待を高めるには至らなかった。

S&P500の先物商品の価格の推移のグラフ

エヌビディアの好決算の裏側ではAIの本格普及が一部の産業にとっては逆風になるとの懸念もくすぶり続けている。顧客情報管理(CRM)ソフトウェアを展開するセールスフォース(CRM)が25日の取引時間終了後に行った11-1月期決算発表は、2027年1月通期の総収入の見通しが市場予想と一致するにとどまり、時間外取引で株価が下落。ブルームバーグによると、一時、直前の終値から約6%安となる場面もあった。米国の株式市場では、AI開発企業のアンソロピックのAIによる業務効率化ツールが企業向けの業務ソフトから市場を奪うとの見方が広がっている。ソウトウェアやサービスに関連した銘柄の株価指数との連動を目指すステート・ストリート社の上場投資信託(SPDR S&Pソフトウェア・サービスETF)の価格の25日の終値は、1月末比で10.41%安で、S&P500の0.10%高に大きく見劣りする成績だ。

S&P500とソフトウェアETFの推移のグラフ

FRBの年内3回利下げ見通しは後退 米国とイランの協議次第でS&P500の下落も

また25日の金融市場ではS&P500の値上がりを下支えしてきたFRBの利下げへの期待も大きく後退した。ブルームバーグによると、金融市場で見込まれている12月の連邦公開市場委員会(FOMC)後の政策金利の水準は3.115%で、前日よりも0.024%ポイント高い水準。年内3回の利下げの確率は9%まで低下した。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、カンザスシティ連銀のジェフ・シュミッド総裁は25日のコロラド州での経済イベントで労働市場の現状について「とても良い状況」と述べるとともに、「物価上昇面での問題に取り組まなければならない」と発言。シュミッド氏は2026年のFOMCでの投票権を持っていないものの、FRB内での利下げへの慎重姿勢を感じさせる発言といえる。

FRBの政策金利の水準の推移のグラフ

また地政学リスクをめぐっては、米国とイランが26日にスイスで協議を行う予定。米国がイランに対して求めている核開発放棄などの問題で進展がみられず、米国によるイランへの軍事攻撃の可能性が高まれば、投資家の間でリスク回避姿勢が強まる可能性もある。エヌビディアの好決算に冷めた反応を示したS&P500が再び下落に転じる展開も考えられそうだ。


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