NY金の見通し(6/23):3,350-3,400予想、有事のドル買い進行なら下落を警戒
米軍がイランの核施設を攻撃したことで、中東の地政学リスクがさらに高まっている。週明けのNY金は上昇でスタートした。しかし、ゴールド買いの持続性は「有事のドル買い」次第となろう。ドル高が進行する場合は、金価格の下落を警戒したい。今日の見通しについてIG証券のアナリストが分かりやすく解説。

要点
・米軍がイランの核施設を攻撃、トランプ米大統領はイラン攻撃の継続を示唆
・金価格のトレンドはドルの動向次第
・中東情勢の混迷がさらなる「有事のドル買い」要因となれば、金価格の下落を警戒
・金価格、今日の予想レンジは3,350-3,400ドル
金価格 週明けは上昇スタート
中東情勢が急変している。21日(日本時間22日早朝)、トランプ米大統領は自身SNS「トゥルース・ソーシャル」でイランの核施設3か所-フォルドゥ、ナタンズ、イスファハンを攻撃、成功したと述べた。トラン氏は米国民向けの演説で、他の標的が残っており和平が実現しなければイラン攻撃を続ける姿勢を示した。イランが報復に出る場合は力で対抗するとも述べた。米軍の介入は中東の地政学リスクをさらに高めるだろう。
週明けのスポット金価格(以下では金価格)は上昇してスタートした。しかし、中東の地政学リスクを意識した金(ゴールド)の買いが進行するムードはない。下で述べる「有事のドル買い」を警戒する状況が続いている。
金価格のチャート:1分足

出所:IGチャート
金価格のトレンドは「有事のドル買い」次第、ドル高進行なら下落を警戒
中東の地政学リスクは、安全資産である金(ゴールド)の投資需要を高める要因である。週明けの金価格の上昇スタートはこの点を示唆した。しかし、3,400ドルを一気にトライするムードにはない。この主因は、「有事のドル買い」にあると筆者は考えている。イスラエルがイラン攻撃に踏み切った今月13日以降、外為市場では対G10通貨ドル高が進行している。対照的に金価格は上値が重い状況にある。
米ドルの変動率:6月13日以降

金価格、今日の見通しとテクニカル分析
予想レンジの上限:3,400ドル
冒頭で述べたとおり、週明けの金価格は上昇でスタートした。しかし、「有事のドル買い」が意識され上値を試すムードは高まっていない。中東リスクの高まりを受けても上値の重い状況が続いていることを考えるならば、今日は3,400ドルを予想レンジの上限と想定したい。10日線の上方ブレイクは、3,400ドルをトライするサインと捉えたい。
レジスタンスライン
・3,400:予想レンジの上限
・3,390:10日線
予想レンジの下限:3,350ドル
金(ゴールド)と米ドルの逆相関の関係を考えるならば、「有事のドル買い」が進行する場合は金価格の下値トライを想定したい。
今日の予想レンジの下限は、日足の一目基準線が推移している3,350ドル。このテクニカルラインは先週19日と20日の下落を止めた経緯がある。21日線の下方ブレイクは、3,350ドル(基準線)をトライするサインと捉えたい。
サポートライン
・3,364:21日線
・3,350:日足の一目基準線
金価格のチャート
日足:今年4月以降

出所:TradingView
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