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NY金見通し(6/10):3,230-3,400予想 マネーは銀へシフト ドルにらみ

13年ぶりの高値水準にある銀価格の動きは、金(ゴールド)の高値警戒感を反映。金価格はドル安にサポートされるも3,400で上値が重い。13日までの金予想レンジは3,230-3,400。注目のテクニカルラインをIG証券のアナリストが解説。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

記事の要点

・金価格は3,150-3,400ドルのレンジ相場にある
・マネーが金(ゴールド)から銀(シルバー)へシフトしている
・金価格はドルにらみ、ドルは米中の貿易協議にらみ
・金価格の予想レンジ(6/13まで):3,230-3,400



金価格 3,400ドルが新たなレジスタンスに

週明け9日のNY金相場は反発した。先物価格(8月物)は、前週末比8.3ドル(0.2%)高の1トロイオンス3,354.9ドルで終えた。スポットの金価格(以下では金価格)は3,300ドルを下抜ける局面が見られた。しかしドル安にサポートされ反発。前週末比0.48%高の3,326.19ドルで終えた(ブルームバーグのデータ)。

3日のIGコモディティレポートでは、金価格がトライアングルの上限を突破したことで上値トライの可能性が高まっていると指摘した(下の関連記事を参照)。しかし、3,400ドルが新たなレジスタンスラインとなり、金価格は3,150-3,400ドルを中心のレンジ相場が続いている。

スポット金価格のチャート:4時間足 4月以降

スポット金価格のチャート:4時間足 4月以降

出所:TradingView


マネーは銀へシフト、インフレ懸念とゴールドの高値警戒感が下支え

先週、NY銀価格は36ドル台へ上昇し2012年2月以来およそ13年ぶりの高値水準へ上昇した。週明けの市場でも強気地合いを維持し、スポット銀価格(以下では銀価格)は高値36.89ドルまで上昇する局面が見られた(IG証券のレート)。37ドルが視野に入る。

2020年のコロナパンデミックと2022年のロシアーウクライナ戦争の勃発でインフレ懸念が強まった。その後インフレは沈静化に向かっているが、トランプ関税でインフレ再燃の可能性がくすぶる。

銀(シルバー)は金(ゴールド)と同じく安全資産としての特性がある。銀地金(シルバーインゴット)への投資でインフレヘッジとしても役立つ。2020年以降の銀価格の上昇は、銀(シルバー)の特性を意識した動きと言える。

銀価格のチャート:月足 2008年以降

銀価格のチャート:月足 2008年以降

出所:TradingView

金価格の高値警戒感も銀価格の上昇要因と筆者は考えている。

2025年に入り、金価格はすでに25%も上昇している。2024年の上昇率が27%だったことを考えるならば、金(ゴールド)の高値警戒感-つまり「買われ過ぎ」が意識されやすい状況にある。これに対する警戒感は、直近の銀価格の上昇に見て取れる。

金価格の年間変動率:2015年以降

金価格の年間変動率:2015年以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

金価格がレンジ相場にある一方、直近では銀価格の上昇幅が急速に拡大している。この点を2025年以降の指数化チャートで確認してみたい。

トランプ関税のリスクが意識され4月上旬に銀価格は急落した。産業需要の減少を意識した動きと言える。

しかし、4月7日に28.31ドルの安値(IGレート)を付けた後、銀価格は急速に反発トレンドへ転じている。現在は金価格に肉薄する状況にある。直近の急反発は、トランプ関税によるインフレ再燃の懸念と「高すぎる」金価格が、銀(シルバー)の買い需要を強めていることを示唆している。

金価格と銀価格のトレンド:年初来

金価格と銀価格のトレンド:年初来

ブルームバーグのデータで筆者が作成


ドル安が金価格をサポート、目先は米中協議にらみ

外為市場では米ドル安のトレンドが続いている。米ドルの方向性を示すドル指数(DXY)は50日線と短期レジスタンスラインで反発が止められ、節目の100ポイントを下回る水準で売り買いが交錯している。この根強い米ドル安トレンドは、金価格のサポート要因となろう。一方、ドルの買い戻し局面では金価格の下落を想定したい。

米ドルの変動要因として目先注目したいのが、米中の貿易協議である。10日も協議が続く。中国によるレアアース輸出規制が焦点の一つだが、米国は一部ハイテク製品の輸出規制緩和を検討しているとの報道がある。両国が規制緩和で合意すればドルの買い戻し要因となろう。このケースでは金価格の下落を想定したい。

だが米国は、エヌビディア製のAI向け半導体については規制緩和の対象外とする方針である(ハセット国家経済会議委員長)。この点は協議が難航する要因になり得る。米中対立を伝える報道が続けば、ドル安が金価格を下支えしよう。

ドル指数のチャート:日足 2025年2月以降

ドル指数のチャート:日足 2025年2月以降

出所:TradingView


金価格の見通しとテクニカル分析

上値抵抗線(レジスタンスライン)
金価格は現在、3,400ドルが新たなレジスタンスラインとして意識されている(直近の高値は3,403ドル)。3,400ドルを今週13日までのレンジの上限と想定したい。

金価格が3,400ドルをトライするサインとして、1時間足のフィボナッチ・リトレースメントの攻防に注目したい。エリオット波動では短期の反発が予想される。しかし昨日は、38.2%戻しの水準3,335ドルで反発が止められた。今日現在、同じ水準に10日線も推移している。3,335レベルを目先のレジスタンスラインと想定したい。

76.4%戻しの水準3,377レベルも相場の反発を止めた経緯がある。フィボナッチ・リトレースメント最後の水準であることも考えるならば、3,377レベルの突破は金価格が3,400ドルをトライするサインと捉えたい。

・3,400:予想レンジの上限(1時間足、日足)
・3,377:76.4%戻し(1時間足)
・3,361:61.8%戻し(1時間足)
・3,348:半値戻し(1時間足)
・3,335:38.2%戻し(1時間足)、10日線(日足)

下値支持線(サポートライン)
米中の貿易協議で進展が見られる場合は、米ドルの買い戻しが予想される。また、11日の5月米消費者物価指数(CPI)などの指標でインフレの抑制が確認される場合は、米国株の押し上げ要因となろう。これら市場の動きは金価格の重石となろう。

金価格の下落局面では、以下にまとめたサポートラインの攻防に注目したい。13日までの予想レンジの下限は3,230ドル。この水準は、5月安値と現時点での6月高値のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。また、日足の一目雲の下限が重なって推移している。

まずは、3,300ドルの攻防に注目したい。この水準を挟んで50日線とフィボナッチ・リトレースメント38.2%戻しが展開している。昨日は後者のテクニカルラインがサポートラインとして意識された(日足チャート、黒矢印を参照)。

金価格が3,200ドル台へ下落する場合は、日足の一目基準線と半値戻しの水準が重なる3,262ドルの維持が焦点となろう。3,262ドルの下方ブレイクは、予想レンジの下限3,230ドルをトライするサインとなろう。

・3,300:50日線、38.2%戻し(日足)
・3,262:一目基準線、半値戻し(日足)
・3,230:予想レンジの下限(日足)


金価格のチャート

日足:今年の5月以降

日足:今年の5月以降

出所:TradingView

1時間足:5月下旬以降

1時間足:5月下旬以降

出所:TradingView


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