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金価格見通し(1/20):トランプ関税懸念で最高値更新、4700ドル台が視野に

IG証券のアナリストによる金価格の見通し。トランプ関税懸念で最高値更新。米利下げ期待が後退しても金価格は強気地合い維持。4700ドル台の攻防が視野に。

Source:Bloomberg Source:Bloomberg

要点

  • グリーンランドの領有権問題を巡りトランプ関税懸念が再燃。安全資産の逃避需要が高まり金価格は最高値を更新。4700ドル台が視野に
  • 米FRBの利下げ期待が後退する中でも金価格は上昇維持。強気地合いの証左といえる
  • 今週の注目材料は米PCE価格指数。インフレ懸念が再燃すれば米FRBの利下げ期待がさらに後退しよう。それでも金価格が強気相場を維持すれば、4800ドルを視野に上昇拡大も


トランプ関税懸念の再燃で最高値更新

19日の取引で金価格が最高値を更新した。要因はトランプ関税懸念が再燃したことだった。

トランプ米大統領は17日、デンマーク自治領グリーンランドの領有を巡り、反対姿勢を示している欧州8か国を対象に2月1日から10%の関税を課すとSNSに投稿した。また、6月1日には関税率を25%に引き上げ、グリーンランドの完全かつ全面的な買収に関する合意が成立するまで支払い義務が生じるとした。

トランプ関税の懸念が再燃したことで安全資産である金への逃避需要が高まった。19日の取引で4690ドルへ上昇し最高値を更新。4700ドル台が視野に入る。

金価格の1時間足チャート:年初来

金価格の1時間足チャート:年初来

出所:IGチャート


米利下げ期待後退でも金価格は上昇維持

翌日物金利スワップ(OIS)市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げの期待が徐々に後退している。現時点では早くて6月の利下げが見込まれている。だが経済次第では、7月にずれ込む可能性も意識し始めている。

米FOMC 利下げ数と政策金利の予想:2026年

米FOMC 利下げ数と政策金利の予想:2026年

ブルームバーグ、OIS市場のデータを基に作成 / 1月19日時点

米金利も反発している。政策金利の動向に敏感な2年債利回りは3.6%台、インフレなどの景気動向を反映する10年債利回りは4.2%台で推移している。

注目すべきは、利下げ期待が後退し米金利が反発する中でも金価格が上昇していることである。通常、米金利の上昇は金価格の下落要因だ。それにもかかわらず上昇トレンドを維持する今の状況は、それだけ金価格が強気地合いにあることを示唆している。

米金利の15分足チャート:1月15日~16日

米金利の15分足チャート:1月15日~16日

TradingView提供のチャート


今週の注目材料は米PCE価格指数

22日に米個人消費支出(PCE/ 昨年11月)価格指数が発表される。昨年12月のドットチャートでは、2026年の利下げ見通しについて米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者の見解が割れた。要因はインフレ見通しにある。よって、今年の利下げ見通しはインフレ指標に左右されるだろう。PCE価格指数が予想を下回れば、金価格の買い材料になり得る。

注目は、PCE価格指数がインフレの粘着性を示す場合の金価格の反応だ。前述の通り、足元の金価格は米金利の上昇を受けてなお最高値を更新する状況にある。インフレの粘着性が確認されても現在のトレンドを維持するならば、地合いの強さを市場参加者に強く印象付けるだろう。その場合、4700ドル台の攻防を経て4800ドルも視野に入る。

米国 PCE価格指数の動向:2025年以降

米国 PCE価格指数の動向:2025年以降

ブルームバーグのデータを基に作成 / 赤棒グラフ・ドット:11月市場予想


金価格の週間見通しとテクニカル分析

日足チャートで金価格のトレンドを確認すると、MACD、10日線、20日線がいずれも上向きで推移している。地合いの強さを示唆する動きである。

今日以降も強気地合いを維持する場合、目先の焦点は4700ドルの突破となろう。この節目ラインをブレイクアウトすれば、4時間足チャートのフィボナッチ・エクステンション100%水準4756.97ドル(4760ドル)が次の上値ターゲットに浮上する。上の水準4760ドルを今週の上限と予想する。

地政学リスクとそれに伴う各国中銀の継続的な金の購入、米FRBの独立性と議長人事の不透明感にトランプ関税懸念と、現在の金価格は上昇要因に囲まれている。4760ドルを突破する場合は、4800ドルを視野に上昇拡大の可能性が出てくる。

チャートポイント:レジスタンス
・4800ドル:節目のレジスタンスライン
・4760ドル:今週の上限予想、エクステンション100%(4756.97ドル)
・4700ドル:節目のレジスタンスライン

一方、日足RSIは買われ過ぎの水準に到達している。4時間足のストキャスティクスも同じ状況にある。高値警戒感から利益確定の売りには注意が必要である。

金価格の反落局面では、まず4600ドルの攻防に注目したい。サポートラインに転換する可能性がある4640ドル(4時間足チャート参照)の下方ブレイクは、4600ドルをトライするサインとなろう。

金価格が4600ドルを下方ブレイクする場合は、10日線(4587ドル)の攻防に注目したい。10日線をも下方ブレイクする場合は、4550ドルが次の焦点となる。現在の地合いの強さを考えるならば、サポート転換が確認された4550ドルを今週の下限と予想する。

想定を超える下落で金価格が4550ドルを下方ブレイクする場合は、4500ドルの維持が焦点に浮上しよう。直下には20日線(4492ドル)が推移している。

チャートポイント:サポート
・4640ドル:サポート転換の可能性あり
・4600ドル:節目のサポートライン
・4587ドル:10日線
・4550ドル:今週の下限予想、サポート転換が確認された水準
・4500ドル:節目のサポートライン、直下に20日線


金価格の日足チャート:昨年10月以降

金価格の日足チャート:昨年10月以降

TradingView提供のチャート

金価格の4時間足チャート:昨年12月下旬以降

金価格の4時間足チャート:昨年12月下旬以降

TradingView提供のチャート


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