コンテンツにスキップする

外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません 外国為替証拠金(FX)及びCFD取引はレバレッジ取引であり、元本や利益が保証されていません

【2025年第3四半期】注目の日米銀行株5選

この記事では、おすすめの銀行株5選をご紹介します。本記事で紹介する銘柄は時価総額に基づいて選定されています。

us japan 出所:ブルームバーグ

Written by

IGグループ

IGグループ

Analyst

Article publication date:

銀行株の背景知識

銀行株は金利動向に大きく影響を受けるセクターであり、短期トレードに適した特徴を持っています。一般的な企業は金利上昇で借入コストが増える一方、銀行は貸し出し金利の上昇によって利ざやが拡大し、収益が向上します。2024年の日銀のマイナス金利解除や、2025年1月の政策金利0.50%への引き上げにより、銀行の収益環境は改善しており、さらなる利上げが市場で織り込まれています。

銀行株は他のセクターと異なり、金融政策の影響を即座に受けるため、値動きが大きくなりやすい点が特徴です。特に、不動産株とは逆の動きをすることが多く、セクター間の相関を利用したトレード戦略も可能です。また、銀行株は流動性が高く、短期売買に適した銘柄が多いことも魅力です。

2025年は、日本では日銀の追加利上げ、米国ではFRBの利下げが焦点となっており、金融政策の違いが銀行株の値動きを左右します。政策発表のタイミングでは短期的な急変動が発生しやすく、短期トレーダーにとって大きなチャンスとなるでしょう。

銀行株の分類

銀行は基本的に以下の3種類に分類されます。

  • 商業銀行 - 商業銀行は一般的にイメージされる典型的な銀行業務を行っています。この種類の銀行は、顧客から預金を預かり、その現金の大半を高い金利で借り手に貸し出すことで利益を上げます。
  • 投資銀行 - 投資銀行は大規模で複雑な金融取引の仲介を行います。顧客は主に企業や政府で、企業同士の合併や新興企業の新規株式公開(IPO)に関与しています。
  • ユニバーサルバンク - ユニバーサルバンクは商業銀行業務と投資銀行業務の両方を取り扱う銀行です。

銀行株を見る際に考慮すべきその他の点は、メガバンクやグローバル銀行と地方銀行との違いです。新世代のオンラインやフィンテック銀行など、高い成長の可能性を秘めている銀行が存在するものの、従来の銀行よりもリスクを伴う可能性があります。

銀行株を変動させる要因

銀行株の動向は、さまざまな点で、他のセクターと似ています。

例えば、株価はインフレや経済成長など、株式の需要に影響を与える幅広い経済要因に左右されます。また、自社株買いなどの企業の動向も、銀行株を短期的に変動させます。複数の銀行株が収支を発表する決算期は、セクターのボラティリティを利用するチャンスでもあります。

銀行は投資家に配当金を支払うことが多く、これによって株価の下落を相殺できる可能性があります。さらに、配当への期待から、配当落ち日の前に取引量が増加することもよく見られます。

ただし、銀行株は金融政策に大きく左右されるという点で、他のセクターにはない特徴があります。中央銀行による金利決定は、貸出機関の利益率に影響を与えます。

日米銀行株の動向

2025年、日本とアメリカの銀行株は市場の注目を集めていますが、それぞれ異なる動きを見せています。日本では日銀の利上げが進み、銀行の収益環境が大きく改善しました。2024年3月にマイナス金利が解除され、7月には政策金利が0.25%へ引き上げられました。さらに、2025年1月24日には0.50%への追加利上げが決定され、今後のさらなる利上げの可能性が市場で織り込まれています。これを受けて銀行株は一時上昇し、1月27日時点ではTOPIX銀行業指数が2.8%上昇、三菱UFJフィナンシャル・グループは上場来高値を更新しました。

日本の銀行株の上昇要因には、貸出金利の上昇、日銀当座預金の利息収入増加、株主還元の強化が挙げられます。東証の資本コスト意識向上の要請を受け、増配や自社株買いが進んでおり、PBRの向上も期待されています。さらに、法人決済のデジタル化や預金獲得競争が今後の成長を左右する重要なテーマとなっています。

一方、米国の銀行株は、FRBの金融政策の影響を受けやすい状況となっています。2024年の利上げがピークを迎え、2025年には利下げが議論されています。利下げが実施されれば銀行の収益環境に影響を与える可能性がありますが、米国の銀行は自己資本比率が高く、財務基盤は安定しています。景気が減速すれば貸し倒れリスクが高まり、与信費用の増加が懸念されますが、現時点では大きな問題にはなっていません。

日本の銀行株は、日銀の利上げや株主還元の強化による上昇余地がある一方、米国の銀行株はFRBの金融政策と景気動向に左右される可能性が高いと言えます。2025年は、日本では追加利上げ、米国では利下げの有無が銀行株の動きを決める重要な要因となるでしょう。

銀行株を取引するメリット・デメリット

この項目では、銀行株を取引するメリットとデメリットについて解説していきます。

  1. メリット
  2. デメリット

メリット

銀行株は安定した配当と景気回復局面で値上がりする傾向があるため、中長期投資初心者の方でも検討しやすい銘柄です。

銀行は預金と貸出という比較的読みやすいビジネスモデルを持ち、景気が拡大すると貸出残高や金利収入が伸びやすくなります。さらに、日本のメガバンクや地方銀行は配当性向が高めで、株主還元に積極的なケースが多いです。

例えば、日本を代表するメガバンクグループである三井住友フィナンシャル・グループの配当利回りは、2025年7月18日時点で約3.8%と、東証プライム全体の2025年6月の平均利回り約2.6%を大きく上回っています。配当金を再投資しながら保有すれば、株価が横ばいの期間もインカムゲインの増加が期待でき、景気が上向けば株価上昇キャピタルによってゲインも狙えます。

このように、銀行株は「高配当」と「景気連動の値上がり余地」という二つの収益源を備えており、中長期投資の入り口として魅力的だと言えるでしょう。

デメリット

一方で、銀行株には金利動向や規制の影響を強く受けるリスクがあるため、安定感だけを期待して保有すると、想定外の下落にあうことがあります。

銀行の収益は金利差(預金金利と貸出金利の差)に大きく依存しています。低金利が長期化すると利ざやが縮小し、業績が伸び悩んだり落ち込んだりする傾向があります。また、金融庁の規制強化や不良債権の増加、海外事業の損失など、外部要因で急激に利益が圧迫されるケースも少なくありません。

実際に、過去のゼロ金利政策下ではメガバンク各社の株価が長期間低迷したほか、海外発の金融危機が起きた際には株価が大きく下落し、配当も一時的に減配された事例もあります。配当目的で買っていた投資家は、株価の下落と減配というダブルショックを受ける形となりました。

したがって、銀行株は「高配当=優れている」と短絡的に判断せず、金利サイクルや規制動向を定期的にチェックしながら、まずは分散投資の一部として組み入れるのが妥当です。

日米銀行株おすすめ5選

日米の銀行株で現在注目の5銘柄についてご紹介します(株価やその推移は日本株が2025年7月18日時点、米国株は2025年7月17日時点の数値を引用しています。過去の実績は将来の株価動向を示す指標ではありません)。

  1. 三井住友フィナンシャル・グループ(8316)

  2. 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

  3. 名古屋銀行(8522)

  4. Bank of America(BAC)

  5. U.S. Bancorp(USB)

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は、日本を代表するメガバンクグループです。中核の三井住友銀行をはじめ、SMBC日興証券や三井住友カードなど、リテールからコーポレート、投資銀行業務まで幅広く手がけています。

さらに、国内にとどまらずアジア、米国などの有力金融機関への出資・提携を通じて、グローバルに収益源を広げているのが大きな強みとなっています。

2025年3月期の決算では、純利益で約1兆1,780億円(前期比+22.3%)を達成し、過去最高益を更新しました。背景には、国内の金利正常化に伴う金利上昇による利ざやの改善があります。

現在の株価は3,587円。予想PERは約11倍、PBRは約1.0倍です。日本のメガバンクは全体的に予想PERが10〜11倍と、国際的に見ても低く評価されがちです。しかし、足元で業績が大幅に改善し、株主還元も強化されている三井住友フィナンシャルグループは、今後の評価修正余地が大きいと言えます。

東証が資本効率の向上を強く求める流れの中で、自社株買いや積極的な増配などの株主還元策が行われる可能性も考えられます。現在の配当利回りは約3.8%と高く、さらに増配が続いていけば、長期保有も非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

ただし、米国の関税政策の影響によって国内金利の上昇期待が後退し、利ざやの悪化が意識されると、株価が下落しやすくなりそうです。三井住友フィナンシャル・グループは「割安・成長・高配当」の三拍子がそろったバリュー株として、ぜひ注目してほしい銘柄です。

三菱UFJフィナンシャル・グループは日本最大のメガバンクグループであり、銀行・信託・証券・カードなど多角的な金融サービスを提供しています。加えて、アメリカやアジアでの展開も進んでおり、世界各地で収益基盤を拡大している点も、同社の大きな優位性となっています。

金利正常化による利ざやの恩恵、投資銀行業務の強化、デジタル化への投資なども成長ドライバーとなるでしょう。一方、世界経済の減速や金利上昇の鈍化が、収益に大きく影響する可能性もあります。

2025年3月期の連結決算では、経常収益が約13兆6,300億円(前年比+14.6%)、経常利益が約2兆6,695億円(同+25.4%)、当期純利益が約1兆8,629億円(同+25.0%)と、大幅な増収・増益を達成しました。主な要因としては、国内外の金利上昇による貸出利ざやの拡大や、海外買収案件の収益寄与などが挙げられます。

現在の株価は1,968円、予想PERは計算不能(経済情勢や相場環境の不確実性を考慮し、具体的な数値目標は当期純利益のみ開示となっているため)、PBRは1.1倍となっており、依然として割高とは言えず、成長性とあわせて評価される可能性があります。配当利回りも約3.6%と高いです。

全体として三菱UFJフィナンシャル・グループは、堅実な成長と高配当の両立が期待できる、中長期投資に適した銘柄だといえるでしょう。

名古屋銀行は愛知県を基盤とする地方銀行グループで、100年以上にわたり地域経済を支えてきました。愛知県内ではトップシェアを誇り、十六銀行・百五銀行・静岡銀行などとの連携にも積極的です。地元での優位性を活かしつつ、貸出・預金の両輪で持続的成長を図っている点が強みです。

中長期的には、金利正常化による利ざや拡大の恩恵を受けやすい構造や、株式の3分割による需給改善、地方創生の流れに沿った堅調な地域経済との相乗効果などによる株価の上昇が期待されます。

2025年3月期の決算では、経常収益が約1,028億円(前期比+1.5%)、経常利益は約209億円(同+44.0%)、当期純利益は約147億円(同+46.8%)と、増収増益を達成しました。理由としては、有価証券利息配当金や貸出金利息の増加が寄与し、資金運用収益が大幅増加したことが挙げられます。

現在の株価は8,730円、予想PERは約9倍、PBRは約0.5倍と割安な水準にあります。さらに、配当利回りは約3.4%で、連続増配も続けており、株主還元を重視する姿勢を感じさせます。

ただし、世界経済の減速や金利上昇の鈍化、地方銀行特有の成長制限などには注意が必要です。名古屋銀行は成長性、割安感、配当収益のバランスを考慮した中長期投資において、注目すべき銘柄だといえるでしょう。

Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)は米国の大手金融機関で、リテールから商業・投資銀行、資産運用、トレーディングに至るまで幅広い金融サービスを提供しています。収益の柱は、金利収入とトレーディングです。

最も注目すべきは純金利収入が148億ドル(前年同期比+7%)、かつ四半期ベースで過去最高となった点で、これは堅実な貸出と預金の拡大に支えられています。さらに、トレーディング部門はボラティリティの波を捉え、54億ドル(前年比+15%)の収益を上げ、全体の収益に大きく貢献しました。しかし一方で、投資銀行部門の手数料収入は前年比で9%減少しており、競合他社との差が懸念材料となっています。

2025年第2四半期決算では、売上高が約265億ドル(前年比+4%)、純利益は約71億ドル(前年比+2.9%)と、増収増益を達成しています。現在の株価は47.02ドル、予想PERは約14倍とあまり割安感はありません。

ただし、安定した収益力とやや高めの配当(直近12か月で配当利回り約2.2%)を背景に、Bank of Americaは中長期的なバリュー&インカム投資の投資先として魅力的です。

U.S. Bancorp(ユーエス・バンコープ)は個人・法人・政府機関向けに幅広い金融サービスを提供しており、保有する銀行の「U.S.バンク」はアメリカ最大規模の地方銀行の一つです。特に近年は、デジタルバンキングへの投資を積極的に進めており、モバイルアプリの機能拡充やAIの活用などにより、顧客サービスの向上に注力しています。

2025年第2四半期の決算では、売上高が約70.0億ドル(前年同期比+2%)、純利益が約18.2億ドル(前年同期比+13.2%)と増収・増益を達成しています。貸倒引当金の減少と手数料収入の増加が、これに大きく寄与しました。ただし、競合他社との競争激化や金利の低下、信用コストの上昇などには注意が必要です。

現在の株価は45.21ドル、予想PERは約11.3倍と、割安なバリュエーションにあります。配当利回りは約4.4%と高水準であり、長期保有も非常に魅力的な選択肢となるでしょう。

U.S. Bancorpは金利の影響を受けやすい業種ではあるものの、金融セクター内で比較的割安なバリュエーションや、高い配当により、他行よりもリスクを抑えやすい構造を備えています。そのため、安定性とインカム重視の中長期投資に適した銘柄だといえます。

 

これらの銘柄を取引するには

IG証券で口座を開設すれば、株式CFDで日本株を簡単に取引することができます。

  1. 取引システムにログインし、個別株口座を選択します。
  2. 次に、取引したい銘柄名を検索し、取引チケット上で「買い」または「売り」を選択します。
  3. ロット数を選択し、「注文確定」で取引を確定します。

※詳しくは、株式CFDについてのページをご覧ください。または、コールセンターまでお問い合わせください。

 

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

こちらのコンテンツもお勧めです

IG証券はお取引に際してお客様がご負担になるコストについて明確な情報を提供しています。

 

 

FX/バイナリーオプション/CFDのリーディングカンパニー。IG証券について詳しくはこちら

 

 

その日の重要な経済イベントが一目でわかるカレンダー。「予想値」、「前回値」、「発表結果」データの提供に加え、国名や影響度によるイベントのスクリーニング機能も搭載。